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thEatricals2003.02.24
G2プロデュース AGAPE store
「BIGGER BIZ 〜絶体絶命!結城死す?〜」

2003/02/22 @ 紀伊国屋ホール



今回の観劇は非常に楽しみにしていたんです。
前作である「BIG BIZ 〜宮原木材危機一髪!〜」はオークションで落札して見に行きました。特に動機は無かったんですけど、一度松尾さんを見てみたかったなぁというそれぐらい。で、非常に面白かったんですよ。となれば、続編に期待するのは当然でしょ? まあ、続編が第1作を超えられないというのはよくある話です。でも、このキャストを見たら期待しないわけにはいかないのですよ。
が! その期待を肩透かしさせてくれるかのように、手に入ったチケットは最後列。おまけに端っこときたもんだ。しかも、一緒に行くはずだった同僚が公演3日前にドタキャン。慌てて他の友人を誘おうとするものの全てダメ。そりゃそうだ。みんなも私ほど暇ではないのだ。仕方がないので、定価の半額でオークションに出品。前日に定価の75%の価格で落札。よかったよかった。と思いきや、当日電話がかかってきて、仕事でいけなくなりましたとのこと。公演開始10分前まで、気の休まるときがありませんでした。
少々重い足取りでホールの最後列へ。まあ、紀伊国屋ホール自体がそんなに大きい器ではなかったこともあり、さほど気にならずに見れました。ていうか、後ろに客がいませんから、思う存分体を動かせたのはありがたかったです。じっとしていられない性分なもので。

結城(粟根まこと)のとあるいたずらがきっかけに設立されてしまった結城ビッグビジネスエンタープライズ社は、この2年の間に世界各地に支社を持つ大企業となっていた。
しかし設立メンバーの行方はバラバラ。
社長となった結城は多忙な日々を送り、青木(八十田勇一)はフィリピンのマニラ支社長になった。神崎(後藤ひろひと)はビジネスが自分に向かないことに気づき、シンガポールのホテルを買い取ってホテルオーナーの道を選んだ。皿袋(松永玲子)は行方不明。噂ではインターポールが彼女を追っているという。そして、健三(松尾貴史)はもとのセールスマンに身を戻していた。
ある日、社長の結城は新入社員の加賀(坂田聡)を連れて、神崎がオーナーを勤めるホテルへとやってきた。
結城エンタープライズが設立するきっかけとなったイタリアの大富豪、デルヴェッキオ氏が仲介業者を変更したいと言ってきたのだ。場合によっては大量の顧客を失ってしまう。今回の取引場所になったスイートルームは、ピリピリとした緊張感が充満していた。
しかし、そこになぜか結城の天敵である健三が現れる。過去に散々な目に会ってきた結城は、バスルームで発狂しついには意識を失ってしまう。そして、結城の意識が戻る前に取引の時間がやってきてしまう。仕方なく加賀は健三の考えたプランに乗っかって、社長に成りすますことに。
新しい仲介業者であるペルセウス社の代表としてやってきたのは川島(三上市朗)という男。彼が持ってきた契約書は、文句のない内容。それを見てほっとする青木。後はこの契約書に判子を押せば契約は終了。と思いきや、川島はサインを要求してきた。窮地に追い込まれる加賀。そこに皿袋が登場。話は意外な展開へと広がっていく。


満喫しました。今年初笑いというぐらいに笑いました。
少なくともキャラクターがしっかり形成されていた分、前作よりも面白かったです。
ただ、前作を見ていない人には少々不親切な内容だったのも事実。明らかに一部の観客のみが笑っているシーンが多々あるんですよね。知っている方は問題ないですけど、分からない方はちょっと不快なのでは? 開演前に簡単でもいいので、前作のあらすじかキャラクターの紹介があった方がよかったと思います。特にサラが登場する辺りは、あくまで前作ありきの展開だったので。
逆に前作を見ていた人には嬉しいプレゼントの数々。本当に細かいところまで、盛り込まれていて感激ものです。
カーテンコールでのおしゃべりが楽しみだったので、今回もあってほっとしました。大王と松尾さんの駆け引きが楽しいです。
ただ、完結編の公演は間に1作はさむそうで、少し後との事。あー、待ちきれない!

松尾貴史さん。前作よりはちょっと大人しかった印象。でも、前に出るときは前に出る。ちゃらんぽらんな性格が輪をかけてパワーアップ。ありえないコスプレや、毎度おなじみの声帯模写。本当に面白い人です。
八十田勇一さん。もっと木の話を! いじられキャラここにありき! といった感じで一緒にいじってあげたくなります。動きが少ない分、目を惹きます。おいしいです。
後藤ひろひとさん。前作以上に突っ走った大王様でありましたが、トム・ジョーンズが大嫌いという新たな一面を見せてくださいました。「アデュー」という台詞をここまでいやらしくなく言える役者さんは彼だけではないでしょうか。
松永玲子さん。素敵でした。前作以上の露出を見せたドレスを近くで見られなかったことが悔やまれます。それだけのためにもう一回行ってもいいぐらい。ナイロンでも堂々とした演技が見られますけど、この舞台は本当に楽しそう。何気ない間や動きから目が離せませんでした。次作ではどうなるんだろう?
坂田聡さん。ジョビジョバでもどちらかといえばいじられキャラの印象が強かったので、振り回されるだけ振り回されるという今回の役も違和感なく、またドリームチームにも溶け込んでいました。
ジョビジョバも一度ライブで見てみたいと思ってたんですけど、しばらく活動休止とのこと。非常に残念です。
三上市朗さん。初見でした。毎回水に濡れての演技お疲れ様です。私はよく見えなかったのですが。今回は威厳あふれる敵役ということでしたが、コスプレだけじゃなくもっと振り回されるところも見たかったです。あ、それは次作で見られるのかも。
粟根まことさん。今回は声だけの出演でしたが、お見事でした。何か話によると、実際に粟根さんが出演していた回もあったそうです。見られた人はラッキーでしたね。


ドリームチーム健在! ★★★★☆


− 公演データ −

G2プロデュース AGAPE store #7
「BIGGER BIZ 〜絶体絶命!結城死す?〜」

2003/02/15〜2003/02/23@紀伊国屋ホール
2003/02/27〜2003/03/01@道新ホール(札幌)
2003/03/04〜2003/03/09@近鉄小劇場(大阪)
2003/03/11〜2003/03/13@西鉄ホール(福岡)
全席指定 前売4500円 当日4800円

- STAFF -
作:後藤ひろひと【Piper】 演出:G2
美術:島次郎 照明:黒尾芳昭 音響効果:内藤勝博
スタイリスト:内村淳子 ヘアメイク:小島裕司
舞台監督:鈴木慎介 演出助手:山田美紀
宣伝美術:東學 宣伝写真:伊東俊介
プロデューサー:G2 制作:大西規世子ほか

- CAST -
松尾貴史
八十田勇一/後藤ひろひと【Piper】/松永玲子【ナイロン100℃】
坂田聡【ジョビジョバ】/ 三上市朗【劇団M.O.P.】
(声の出演)粟根まこと【劇団☆新感線】
 

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