韓国編

Chapter.1 Departure 〜出国〜

1999年10月23日(祝)

 今日は1年ぶりの海外旅行となる韓国旅行の出発日。
 起床7時。
 いつものように眠い目をこすりながら着替え、車へと乗り込む。
 今回の出発地は愛媛県は松山空港。
 今いる高松からは高速を使って約2時間のところだ。

 それにしても、韓国旅行は大人気のようである。
 当初は関西国際空港発のツアーを申し込んでいた。
 出発の1ヶ月半前だったにもかかわらず、飛行機のチケットは満席。つまり、キャンセル待ち扱いになった。ちょうど祝日を挟んでいたこともあったので仕方のないことなのかもしれないが、このまま指を咥えて待っているのも何だったので、もう一つ松山空港発着のツアーも申し込んでおいた。しかし、これまた満席。ともかく、キャンセルが出るまではひたすら待つという日々が続いた。
 結果的に関空発着のツアーからキャンセルは出ず、松山発着のツアーでチケットを取ることが出来たのだが、それも出発11日前であった。運が良かったといえるだろう。
 それにしても今回の旅行の目的ほどはっきりしている物はない。
 それはグルメである!
 観光なんてものは二の次に追いやって、取り敢えず旨い物を食う!それだけが今回の目的である。プライベートでもごたごたあったので、食ってストレス解消というわけだ。というわけであるので、今回の旅行記で観光地に関する内容はほとんどないと思われたし!以上!

 途中、サービスエリアによってうどんなんぞをすすり、松山市内へと着いたのは集合40分前。ギリギリかもしれないが、まあなんとかなるであろう。
 それにしても車はどうしたものであろうか。空港の駐車場はやたらめったら高い駐車料金を請求してくるから、出来ることなら利用はしたくない。しかし、近くに安く済む駐車場があるかどうかも分からない。私は松山には何度も来たことはあるが、空港を使用するのは初めてなのである。
 どうしようかと悩みながら車を走らせてると、空港からそれほど離れていない場所にとある建物が建っているということが分かった。実はその建物の隣には私が勤める会社の店があるのだ。そうだ、ここに留めさせてもらうこととしよう。早速、店へと向い開店前の忙しい時に電話をする。我ながら迷惑なやつである。
 取り合えず了解をもらい、車を置いて空港へとテクテク歩きだす。この時点で集合20分前。どのぐらい距離があるかも分からないが、まあ何とかなるだろうという根拠のない自信に満ちている私。
 しかし、歩いても歩いてもお目当ての空港の姿は視界に入らない。時は確実に流れ、徐々にあせりが出始めてくる。仕方ない、こうなったらタクシーを捕まえよう。多少の出費も駐車場代に比べれば全然安い。しかし、こういう時に限ってタクシーが通らないのが世の常、ただ無情に時だけが過ぎていくのでありました。
 更に歩くこと10分。ようやく、1台のタクシーをゲット。何とか集合時間3分前に空港へとたどり着くことが出来たのである。

 それにしても、なぜ国際便は2時間も前に集まらなきゃならないんでしょう?
 松山空港は本当に何もない実にすっきりとした空港で、時間を潰すのも一苦労。おまけに空港にはツアーを申し込んだ某H○Sの人間もいない。このまま出発してもいのかという不安も、同じツアーの人を遠くに見張ることで何とか解消……ってできるか!顔見せぐらいしといてもいいんじゃないのか!H○Sの社員よ!いないならわざわざ、チェックインカウンター前が集合ですなんて書くなよ!勝手に行って、現地の係員に逢って下さいと一言ぐらい書き添えやがれぃ!ぜぇぜぇ。ともかく、退屈な2時間を過ごしたわけである。

 出国手続も滞りなく済ませ、とっとと機内へ。
 今回利用したのは韓国の航空会社であるアシアナ航空。
 スチュワーデスさんというか、機内乗務員の方も当然全て韓国の方々。
 同じ乗務員同士で何やら話す言葉も当然韓国語。
 さっぱり分からん!
 実は今回はほとんど韓国語の勉強をせずに出発をしているのである。
 韓国では英語もほとんど通じないので、多分そこそこ通じるであろう日本語とボディランゲージのみが武器。かなりなまくらな武器ではあるが、まあ何とかなるであろう。今までも何とかなっていたし。
 機内の座席は結構狭い。当然図体のデカイ私には窮屈なのであるが、1時間40分の辛抱である。それぐらいであれば何とかなるであろう。にしても、トイレに行きたい。今日は既に3回トイレに行っているというのに、どうしたのだ私の膀胱は。ちょうど今は飲み物を配っている真っ最中であり、通路は飲み物を運ぶワゴンで埋められている。
「お水ですか?ビールですか?」
「じ、じゃあ、水を……」
 そしてテーブルに置かれるバドワイザー。
 おいおい、人の話し聞いてるのか、お前は。何が悲しゅうて、利尿効果のあるビールを今にも暴発しそうな私が飲まねばならぬのだ。くそっ、これも誰かの策略か!うぬぬぬぬ……ああ、トイレ…………
 その後、約10分間の激闘に勝利した私には多少のシートの窮屈さであるとか機内食の旨さがどうであるとかなどは問題外なのであった。やがて、飛行機は無事韓国の金浦国際空港へと着陸したのであった。

Chapter.2 ヘ