魔法の鍵 |
僕は魔法の鍵を手に入れた。 どんな扉でも開けることができる魔法の鍵。 隣の家のドアも銀行の大金庫も簡単に開けることができる。 でも僕が開けたいものはそんなものじゃない。 開けたいのは僕の部屋に誘った彼女の心の扉。 何も知らない彼女に使う魔法の鍵。 開いた彼女の心の扉の中には見知らぬ男。 僕は隠し持ったナイフで男を消し去る。 ポッカリと開いた心の隙間へ僕は体を滑り込ませる。 魔法の鍵で内側から鍵をかける。 満たされた僕の熱い心で溶けてゆく魔法の鍵。 僕の部屋に残されたのは光を失った瞳を残す2つの抜け殻。 |