「TM NETWORK tribute LIVE」 UTSU&KINE'S SELECTION FROM TM SONGS.
2003/06/05 @ 渋谷公会堂 2階24列5番
6月5日木曜日。
どうしても行きたかったTM NETWORK tribute LIVEのチケットがようやく取れたので、有無を言わさず会社は休んだ。仕事終わりじゃ絶対に間に合わないし、ワイシャツ姿でライブに行っても思い切り乗れなさそうだし。
ともかく会社は休みなので、ゆっくり昼過ぎまで寝る。至極の時間。
せっかくなので部屋の掃除を少ししてから、時間つぶしで近所のパチスロ屋へ。
軽く遊んでから、渋谷方面へ。着いたのは開場1時間前。
その足で駅のそばのビックカメラに向かって「さかつく3」を購入。感想はまた別の機会に。
今回のライブの会場は渋谷公会堂。行ったことありません。
事前にインターネットで軽く地図を見ておいたので、何とかなるだろうとゆっくりと向かうことに。
えー、案の定迷いました。
NHK辺りまできて、方向感覚が一気に崩壊。
どの方向にあるのかさっぱり分からず、しばらく辺りをうろうろとする。
こんなことを繰り返しても、埒があかないので、偶然見つけたコンビニで地図を確認。
こっちかな? と見当をつけていた方角と全く逆方向だったことに気づく。
何事もなかったような素振りでコンビニを出て、慌てて目的地の方へ。
結果、会場10分前に無事到着。
でも、迷わず来れば30分前には着いていた計算。
うん、時間的に見ても結果オーライということで。
さて、今回のライブを計画したのは木根さんであります。
来年2004年はTM NETWORKのデビュー20周年となるメモリアルイヤー。
その前に、1度原点に立ち返ってみようというのが、そもそもの試み。
しかし、小室さんはどうしてもスケジュールの都合がつかない。
それなら自分の代わりに浅倉さんが参加するならライブはOKという言葉をもらった木根さんはダメ元で浅倉さんにオファー。すると、奇跡的に宇都宮、木根、浅倉の3人のスケジュールが合ったということ。
というわけで、いつも未来を見つめているTM NETWORKが初めて過去を見つめるという特殊なライブが実現することになったのです。
私がTMを初めて知ったのは「Get Wild」でした。アニメ「シティーハンター」のオープニング曲として使われていたので、知っている人も多いと思います。というよりも、ほとんどの方のきっかけになった曲ではないでしょうか。
それからレンタルレコード屋で(まだCDは出ていない時期です)一気に過去の曲をあさり、ファンになりました。もちろん、今ではほぼ全アルバムをCDで所持しています。
そんな私にとって、今回のライブはまさに感涙ものでありました。
ちなみに座席は2階の最後列から2列目という、はっきり言えば悪い席です。
それでも、楽しめたんですから、いいライブだったと言えると思います。
M1−GIVE YOU A BEAT【1986年発売 4thアルバム「GORILLA」収録】
ホール全体の照明が落とされ、遂に宴の始まりです。
TM NETWORKのアルバムには、いわゆる導入曲にあたる曲が含まれていることが多くて、この曲も「GORILLA」というアルバムの1曲目に収録されている曲です。
TMファンにはなじみの深い「FANKS」という言葉が歌詞に含まれていて、これからのステージを否が応でも盛り上げてくれる曲です。
メンバーが暗闇の中、それぞれのポジションに立ちます。
そして、ステージの下段にまで降りてきていた照明群がゆっくりと上がっていきます。
照明が上にまで上がりきった瞬間、ステージが明るく照らされ、ステージ中央にボーカルの宇都宮さんが登場。鼓膜が破れそうなほどの大声援が、ホールを包み込んだのです。
さぁ、ライブが始まりました。
M2−WILD HEAVEN【1991年発売 26thシングル】
「Just Wild Heaven!」というコーラスが始まりでした。
25枚目のシングルとなる「Love Train」に続く流れでリリースされたこの曲は、TM NETWORKからTMNへと改名した後、ハードロックの流れから徐々にポップへとシフトしていており、個人的に今後の流れが気になって仕方がなかったのを覚えています。しかし、そんな僕の思いとはうらはらに新譜の発売は2年近く行われず、そして更にその翌年にTMN活動終了宣言。一気に盛り上げられた気分が、一気に落とされる分岐になったという意味でも印象深い曲です。
今回のライブでは、原曲のイメージを忠実に再現するという事も念頭に置かれていたこともあって、サビでのエコーや、間奏部での台詞もそのまま再現。特に台詞部分では一際高い黄色い声援が飛び交っていました。
M3−Get Wild '89【1989年発売 19thシングル】
この曲が始まった途端、会場の色んなところから「こっちが来たかぁ」というある意味、落胆にも似た声が聞こえました。私も多少ながらそう感じました。何せ、「Get Wild」といえば、TM NETWORKの代表曲の筆頭といっても過言ではない曲です。そんな曲を今回のライブで演奏しないわけがないという思い込みにも似た願望が観客にはあったはずです。しかし、あえてそれを演奏せず、TMお得意のリミックスという違う切り口の代表曲を出してきたのは、彼らが一番得意とする、いい意味での「裏切り」でありました。
前奏時、間奏時の浅倉さんのサンプリングボイスの演奏は力入ってました。小室さんの代役ということで、プレッシャーもあったと思うんですが、きっちりとこなされていた辺りはさすがです。
M4−Don't Let Me Cry【1987年発売 5thアルバム「Self Control」収録】
ピアノとバスドラムで静かに始まるTM中期の名曲です。
この曲ではサビの後のギターソロを多少アレンジしていて、より印象度が増す作りになっていました。
MC
ここで、最初のMCが入りました。
宇都宮「TM NETWORK tributeライブへようこそ」
(一際大きな声援が飛びます。これにあわせて浅倉さんが手を振ったので、それに対する声援が一際大きかったです)
宇都宮「(木根さんを手で軽く紹介)えぇ、木根君、木根君」
(木根さん軽く頭を下げる)
宇都宮「えー、今回ね、もうツアー自体は始まってたんですが、えー東京1発目ということで。渋谷公会堂なんて、いつぶり? もう思い出せない。分からない。えーまあ、今回皆さんご存知のように、TM NETWORKの、まあTMNまで入るんですが、色んな曲をですねぇ、皆さんにお届けしようかと。まあもちろん、あのぉ、皆さんがこの曲はやるだろうって曲ももちろんあるし、これはどうかな? ってのもあるし、知らねぇなっていうなのもあるかもしれません。最後まで楽しんでいってください」
M5−BEYOND THE TIME【1988年発売 13thシングル】
ガンダムのテーマ曲にも使われたこの曲は、スローでありながらも骨太な歌詞が特徴の曲です。
今回のライブでは照明を実に効果的に使用していたのですが、この曲のサブタイトルが「メビウスの宇宙を超えて」というだけあってか、ピンスポットで当てられていた照明が、いくつものリングになって離れていくという演出が興味深かったです。
M6−Fool On The Planet【1987年発売 5thアルバム「Self Control」収録】
通称キネバラと呼ばれる、木根さんが作ったバラード曲の名曲の1つです。
この曲は前奏、及び間奏部の部分に3連譜で徐々に雰囲気を盛り上げていく個所があるのですが、やっぱり生で聞くとドラムが実に印象的でした。ついつい、ドラムに合わせて体を動かしてしまいます。
M7−THE POINT OF LOVERS' NIGHT【1990年発売 21thシングル】
TM NETWORK名義での最後のシングルとなった曲です。
原曲とは違い、パーカッションから始まるというアレンジが入っていましたが、それ以外はほぼ忠実に再現。サビで木根さんのコーラスにあわせて歌い上げる宇都宮さんのボーカルに震えが止まりませんでした。
MC(アコースティックコーナー)
ここでメンバーが一旦ステージから下がり、何やら椅子などが運び込まれセッティングが始まりました。そして、そのセッティングが終わったところで、宇都宮、木根、両氏が登場。椅子に座ってしばしMCです。
宇都宮「どうもぉ。ええー、TM時代にこんなのなかったですね」
木根「あのぉ、末期の頃ぐらいじゃないかな」
宇都宮「末期!?」
木根「あのぉ、初期とか中期とかね。『RHYTHM RED』が後期かな。で『EXPO』は末期! だからだから、ああ何か、どこへ向かうんだろうっていう」
宇都宮「あのね、レコーディングいなかったもんね」
木根「俺ね、入院してたんだよ。入院している間に、レコーディングできちゃってるの。ねぇ、メンバーいなくてもできちゃうんだね。ミュージックステーション?」
(注:当時木根さんは、過労で入院していました。そのためテレビの出演は宇都宮さんと小室さんだけだったんです。ちょうど「Love Train」の頃ですね)
宇都宮「はい」
木根「2人で出てるの」
宇都宮「ああ」
木根「病院でね、看護婦さんと見てた」
宇都宮「別に看護婦さんと見なくていいじゃん。1人で見れば」
木根「いやいや、看護婦さんと見てたよ」
宇都宮「ということで」
木根「はいはい」
宇都宮「まああの、ここのコーナーは」
木根「はい」
宇都宮「帰ってきたフォークパビリオン!(エコー付き)」
木根「まあ、ご存知ない方のために一応説明しますと、えー『EXPO』というTM最後のライブで、20ヶ所回ったんですけど、毎回そのフォークパビリオンっていうのと、ヘビメタパビリオンってのがあって、フォークパビリオンで僕なんかが歌って、ジャーンって歌ってると後ろからギュイャーーンってギター持って阿部が登場して、小室哲哉さんがドラムひいて、(宇都宮が)ベース弾いて」
宇都宮「ベースだね」
木根「1人ぐらいプロがいた方がいいだろうと、葛城がギター弾いてね。だから、帰ってきたヘビメタパビリオンよりいいでしょう?」
宇都宮「1曲……がまんできるか? ですよ」
木根「だいたい何で阿部が歌ってるの? あいつドラムだよ。横浜アリーナとかで、あいつ歌ってるんだよ。俺だって1人で歌ったことねぇぞ」
宇都宮「俺、ベースだよ」
木根「それ、あのね、失礼だよ。ベース目指してる人に」
宇都宮「ていうかね、僕の中で音が低すぎてどこだか分かんない」
木根「分かんないんだ」
宇都宮「そういうことで、改めまして」
木根「はい」
宇都宮「えー、『公会堂五十三次(こうかいどうごじゅうさんつぎ)』です」
(木根さん失笑)
宇都宮「えー、リーダーの『てな もんや』です」
木根「そしたら、まあ、副リーダーの『さんど がさ』です。……古い! 『てなもんや三度笠』なんて知らないよ」
宇都宮「うん、あのね、いいのいいの。1人知ってる人がいれば。知ってるね?」
木根「うん、知ってる。いいよ。『公会堂五十三次』はいい!」
宇都宮「でしょ?」
木根「今日初めてちゃんと聞こえているし」
宇都宮「毎回ね、名前変わってくんですけど」
木根「はい」
宇都宮「え、まああの、このコーナーにあたってですね、もう1人重要な人物が」
木根「この人がいなければ、このライブツアーも出来なかった」
宇都宮「そうですね。このフォークパビリオンも来て欲しいと。キーボード浅倉大介」
(ステージ左からピアニカを持った浅倉さんが登場。大歓声が飛び交う中、浅倉さんはキーボードを回して、更に観客を盛り上げようとしますが、そのまま席についてしまいました)
木根「何? かきまわしといてほったらかしかよ。ていうか、似合うねぇ、そういう服装」
(当日の浅倉さんは、キラキラのラメがやたら入った派手なジャケットを着ていました)
宇都宮「あなたとマシューぐらいだね」
(注:マシューは、テレビ朝日で放送している深夜番組『Matthew's Best Hit TV』に登場する藤井隆扮するキャラクターで、いつも派手なジャケットを身につけています)
浅倉「こんばんは。えー、今日はですね、あのぉ、久しぶりにすごい楽しみにしてたんですけど。まあ、こんな偉大な大先輩の横に? 久しぶりに演奏が出来ると。でも僕も大先輩に出会えていなかったら、今の僕もないんで、今日はそのお返しも含めて、がんばりたいと思います。よろしく」
宇都宮「さぁ、というわけでね」
木根「ハイ」
宇都宮「副リーダー」
木根「ハイ。今日僕ちょっとドタバタしてて」
宇都宮「うん」
木根「知らない内にこの曲が決まってたんだけど」
宇都宮「ああ」
木根「すごい懐かしいねぇ! 次から次へと、ホントに昭和の歌謡史。俺たちもアルバム出そうよ。昭和の歌謡史みたいなの。今はやってるじゃん」
(ここで演奏準備をする3人。浅倉さんがピアニカのホースをくわえると「かわいい!」という声があちこちであがります)
宇都宮「可愛い? 1匹しかいないから、分けられないんだよ」
木根「あんまりホースをくわえるってのがないんだけど」
宇都宮「そうだねぇ、あんまりないね」
木根「じゃ、今日はどんな気持ちでこの曲にしたんですか」
宇都宮「え?」
木根「今日はどんな気分でこの曲を選んだんですか」
宇都宮「なんかあのぉ、ナンダーラっていう」
木根「ナンダーラかぁ」
(宇都宮さん、恥ずかしそうに顔をそむける)
M8−ガンダーラ
フォークパビリオン1曲目は1978年に発表されたゴダイゴの名曲「ガンダーラ」でした。当時大人気を博した「西遊記」のエンディングテーマで耳にした方も多いのではないでしょうか。ちなみに私は再放送でよく見ていた覚えがあります。
前奏部分が浅倉さんの吹くピアニカにピッタリはまっていて、本当に懐かしいナンバーでした。
MC
で、再びMCが続きます。
木根「ナンダーラって感じ」
宇都宮「やっぱナンダーラって感じでよね。昔の人の『コダイコ』」
(宇都宮さん、小太鼓を叩く真似をする)
宇都宮「まああの、ね、こういう昔の曲をやったりしまして」
木根「して」
宇都宮「でまあ、さらにですね」
木根「ハイ」
宇都宮「さらに、メンバーでこの方がいなければ」
木根「ハイ」
宇都宮「はじまらないですね。では、呼びましょう。ギター、葛城哲哉」
(ステージ右手から葛城さん登場)
木根「葛城君は、今年ね、ソロデビュー10周年」
葛城「ありがとうございます」
宇都宮「10周年を記念して4小節歌っていいよ」
(ここで葛城さんが美声を聞かせてくれました)
宇都宮「そして、えー、何周年でもない、後ろの人よく見えないと思いますが、ドラム、阿部薫」
(阿部さん、サイコロを傍らに持って、ステージ右手から登場。そしてセットの上に何とカメラをセット。それに気づいた面々はカメラに向かってポーズをとります。が、なかなかシャッターが降りない。ようやく、フラッシュが光って、記念撮影終了です)
宇都宮「いや、長いよそれ」
木根「短くしとけよ、その、オ、オートタイマー?」
宇都宮「えー、そしてですね、あのぉ、ここは更にトークのコーナーとなってですね、あのぉ、今この人が(阿部)サイコロを持ってきました。名づけて『ごきげんだよ!』」
(わざわざ書く必要もないですが、お昼の人気番組「ごきげんよう」のパクリですね)
宇都宮「えー、これは1人でやるとくだらないので、皆さんご一緒に。せーの」
(会場の皆で声を合わせて『ごきげんだよ!』)
宇都宮「よし! えー、そういうわけで」
木根「ハイ」
宇都宮「あの、早速」
木根「ハイ」
宇都宮「えー、今日は、じゃあ、ベーヤン(阿部)に投げてもらいましょう」
木根「そうだね」
宇都宮「ええ」
(手拍子の中ステージの端から端まで投げられるサイコロ)
宇都宮「何?」
木根「大ちゃん(浅倉)、見て」
(浅倉さんはステージの一番左側、つまりサイコロを投げられた側の一番近くにいたのです)
宇都宮「腹の立つ話。略して」
木根「ハラタツ」
(声が小さかったので、宇都宮さんの「せーの」という声でもう1度みんなで言います)
木根「ベーヤン、原監督と同級生なんだって?」
宇都宮「いいよ!」
木根「ゴメンゴメン、間違えた」
阿部「腹の立つ話」
宇都宮「うん」
阿部「ホントの話?」
木根「嘘言ってどうするの」
阿部「渋谷で思い出した」
宇都宮「ハイ」
阿部「渋谷のパルコ劇場、ん? パルコ? パルコ3? の前で追突されたんだなぁ、おじさんは」
宇都宮「え、何? 生身で?」
阿部「生身じゃない。生身じゃ人身だろ」
木根「それはね、轢かれたっていうの」
阿部「そうじゃなくて、車で追突されて、で、降りました。ただ、その追突した人がね、追い越して行っちゃったのね、俺のことを。逃げてったんだ」
宇都宮「うん」
阿部「な、逃げてった」
宇都宮「うん」
阿部「うん。でな、俺はな、車を降りたんだ」
宇都宮「降りた」
阿部「降りた」
宇都宮「うん」
阿部「降りてな、走って追っかけってったの。すごいぞぉ」
宇都宮「(手を回転させながら)足がこうなってるんでしょ」
阿部「そうそう、こうな。あんまり早すぎて、ゆっくりになって、裏っかわに回るような。そのままな、NHKまで走って追っかけたの。捕まえたんだよ」
宇都宮「捕まえた!」
(おおーっと、自然と沸き起こる拍手)
阿部「凄いだろ」
宇都宮「凄い」
阿部「車より早かったんだよ、俺。それでな」
宇都宮「うん」
阿部「運転手のドア、捕まえて、開けました」
宇都宮「うん」
阿部「『お前フゥハァ、ふぶざけハァんなよ!』疲れきってんの。全然迫力ないの。『追突して、逃げんじゃねぇよ、フゥ! フゥ!』それで、パルコまで戻ってもらったの。後ろ乗っけてもらいました」
宇都宮「あ、それで仲良くなったんだ」
阿部「いや、なんないなんない」
宇都宮「だって、乗っけてもらったんでしょ」
阿部「うん。だってその、2人がなんで仲睦まじいんだよ」
宇都宮「なるほどね、そりゃ腹立つよね」
阿部「腹立つよ、これは腹立つ! 当て逃げされて、しかも俺は走らんなきゃいけないんだよ」
宇都宮「だよね、ですよね」
阿部「ですよね、ハハハ」
宇都宮「うるさい」
阿部「あれ?」
宇都宮「時間押してるのに」
阿部「もうですか?」
宇都宮「じゃあ、次、次、葛城君」
葛城「俺!?」
(浅倉さん、サイコロを葛城さんに手渡す)
宇都宮「悪いね、大ちゃん、アシスタントにしちゃって」
(葛城さんステージから見えなくなるほど遠くへサイコロを投げます)
宇都宮「何ですか? 大ちゃん。恋の話?」
(木根さん、宇都宮さんいまいちという様子。どうも過去のステージでは受けがよくなかった様子です)
葛城「恋の話?」
木根「あ、いいっすよ。何か面白い話してくださいよ」
葛城「恋の話……あの、女性が絡んでればいいよね」
宇都宮「ああ、いいです」
葛城「うん、まああの、大学時代の話なんですけども。あの、まあ皆に話したこともあるんで、知ってる人は黙って聞いてろよ。海水浴に行きました。茨城の、大洗というところなんですけども」
(「おお」という声が聞こえました、知ってる人も多いようです)
葛城「その時に、今よりももっと髪が長かった。ロック兄ちゃんだったんです。それで、まあ、こう海パン履いて歩いてたら、向こう女子高生の軍団が一杯いて、俺らを指差してキャーキャー言ってる。でその頃僕茨城で、1000人ぐらい集める人気バンドだったんですよ。アマチュアでしたけども。それで、何だよおい、こんなところまで俺の名前が人気? っていう。それで、いい気になってそっちの方に近づいていったら、その女子高生が俺を指差しながら、『見て見て! 私の一番嫌いなタイプ』 1週間はへこんでましたよ」
宇都宮「恋の話じゃなかったっけ」
葛城「まあ、恋の話。一応恋心を抱いてね、今日はいただきますよ! って思ってましたから」
木根「そういう話だね」
葛城「聞いてる?」
木根「聞いてるよ」
宇都宮「えっと、次いこうとしてた?」
木根「いや。あ、あれ? 『ガンダーラ』やったっけ?」
宇都宮「もうやった」
木根「やった? ああ、ゴメンゴメン」
宇都宮「あのね、本当にね、冗談で言ってますけど、それに近い感じ来てますよ」
木根「飯は?」
(メンバー含めて大爆笑)
木根「大丈夫、大丈夫」
宇都宮「じゃあ、次」
木根「ここでTMの曲でしょ?」
宇都宮「TMな感じ?」
木根「TMな感じですけど、今日はどんな感じで」
宇都宮「今日は……キャロールな感じで」
M9−JUST ONE VICTORY【1989年発売 16thシングル】
カホンのリズムではじまるアコースティックバージョンです。
アコースティックでキャロールなので、てっきり「WINTER COMES AROUND」や「STILL LOVE HER」を連想したのですが、ここでこの曲を持ってくるとは。ただ、個人的にはオリジナルバージョンの方がよかったかな。
あと、一番最後のサビのところで、歌詞が出てこなくなったのか、ちょっと宇都宮さんがしどろもどろになってたのが、気になりました。で、それをコーラスでフォローする木根さんの姿に、見事なチームワークを感じたり。
演奏後、宇都宮さんが「どうもありがとう」の声で再び照明が落ち、みんなそれぞれのパート場所へと戻ります。
M10−1/2の助走【1984年発売 1stアルバム「Rainbow Rainbow」収録】
木根さんのピアノで始まったこの曲は、デビューアルバムに収録されている、非常に懐かしい曲です。
やや原曲よりもストリングがきつかった印象がありましたが、20年近く経った今聞いても、まったく古臭さを感じないのはさすがです。
M11−GIRL【1986年発売 7thシングル】
1人の女性を純粋に歌い上げる情熱的なラブソングであるこの曲は、宇都宮さんが非常に気に入って、急遽アルバム「GORILLA」からシングルカットされたいわくつきの作品です。
サビでファルセットを使うので、自分で歌うと非常に難しいのですが、さすがはプロ、少々きつそうなところを見せつつも、ほぼ原曲通りの声を聞かせてくれました。
M12−Spanish Blue【1987年発売 5thアルバム「Self Control」収録】
「パパンパンパパン」という宇都宮さんの手拍子で始まったこの曲は、TMの曲には珍しく、タイトル通りスペインの固有名詞が一杯出てくるノリのいい曲です。
今回のライブでは間奏部のギターパートに変更がありました。
上記の手拍子は他の場所でも出てくるので、みんなも合わせて手を叩きます。ちょっと難しいリズムですけど、これが叩けなきゃ、TMのファンとはいえませんよ。
M13−組曲 VAMPIRE HUNTER D【1985年発売 3rdアルバム「TWINKLE NIGHT」収録】
ここで一旦照明が落とされ、浅倉さんの立つキーボードがスポットライトで照らし出されます。
そして、ゆっくりとキーボードを奏でだす浅倉さん。演奏される曲はTMが出した唯一のミニアルバムに収録されているインストゥルメンタル曲です。
キーボードの高音域とギターの重厚なサウンドが奏でるメロディは幻想的でした。
そして終盤に入る「そして地球は恋に落ちる」というサンプリング音。
M14−KISS YOU【1987年発売 11thシングル】
そのまま流れるように「KISS YOU」へ。
この曲は、曲中のコーラスも全て原曲のまま。
もともとロックテイストの強い曲なので、生バンドにはピッタリ。阿部さんのドラムと葛城さんのギターが特に光っていたような気がします。
M15−Come on Let's Dance【1986年発売 7thシングル】
高らかに流れるキーボードのソロからはじまるTM初期シングルの名曲です。そういえば、この曲あたりから宇都宮さんのキャラクターができあがったんですよね。
「Come on Let's Dance」の部分は会場が一体になってコーラスを担当。多少、原曲よりもアレンジが入っていて、無意識のうちに体が動く実にノリのいい仕上がりでした。
M16−Love Train【1991年発売 25thシングル】
TMのシングルの中で一番売れたのがこの曲です。宇都宮さんの珍しい帽子姿が見られたり、唯一木根さんがサングラスを外したというPVも話題になりました。
この曲は大好きなので、個人的な盛り上がりも違います。アレンジもほとんどなく、原曲に忠実な演奏で感動も倍増! なのに、2番で宇都宮さん、歌詞を度忘れしたのか、メロメロになってましたぁ。
M17−You Can Dance【1986年発売 4thアルバム「GORILLA」収録】
ダンサブルな流れとはいえ、また懐かしい曲を持ってきたものです。
ここまで来ると会場内はまるでダンス空間のような感じになってきます。
乗ってきた宇都宮さんと木根さんはステージを所狭しと走り回ります。もう、ステージのギリギリのところまで来て、ファンと握手までするサービス振りです。
この曲もコーラスはオリジナルのままで、ほぼ原曲通りでしたが、ラストのところはギターのアドリブがかなり入って、ラストはドラムと共に一気に盛り上げていきました。
M18−Self Control【1987年発売 9thシングル】
その勢いのまま「Self Control」へ。
TMのスタイルを確立させたといってもいい重要な曲。この曲があったからこそ、次の「Get Wild」が生まれたといっても過言ではない曲です。
キーボードから入って、木根さんの声をサンプリングで絡めていたので、アレンジ的にはほぼライブバージョンでした。
「Self Control」の部分で宇都宮さんが両手を振り上げるのですが、この姿がライブ映像で見たのと全く同じ。こんなところまで忠実に再現してくれるとは。
宇都宮さんの「どうもありがとう」という声でメンバーはそれぞれステージから去っていきました。
とりあえず、みんな席に座って一休みです。
ところが、ちょうど私の前に座っていた男性が、おもむろに「アンコール!」と大きな声で叫びだしました。
おいおい、さすがにちょっと早すぎでしょ。多分、着替えしてくるだろうし。
まあ、そのうち止めるかな、なんて思っていたのですが、結果メンバーがステージに再登場するまでの間、多分10分弱ぐらい、アンコールと叫びつづけたのでありました。いやはや、すごいなぁ。翌日、声出なかったんだろうなぁ。
というわけで、メンバーがステージに再登場。
全員、ツアーTシャツを着ての登場でした。宇都宮さんと木根さんは上からジャケットを着ていましたけど、浅倉さんのTシャツ姿というのも珍しいですよね。
ひとしきり、観客に手を振り終えると、いきなりステージが暗転。
そして、ステージの中心に1つのスポットライトが。
観客のざわめきが一気に消え去り、静寂がホールを支配しました。
そして、暗闇からスポットライトの中に、宇都宮さんが1歩足を踏み入れます。
M19−SEVEN DAYS WAR【1988年発売 14thシングル】
宇都宮さんのボーカルで静かに奏でられたこの曲は、映画「僕たちの7日間戦争」の主題歌としてリリースされた曲です。静かながらも強いメッセージがこめられた名曲ですね。
原曲では間奏に子供たちの「ラララ」というコーラスが入るのですが、今回のでは無し。その代わり、観客が子供たちにかわってコーラスを務め上げました。
M20−All-Right All-Night【1986年発売 8thシングル】
ドラムソロから始まったこの曲は、ちょっと意外な選曲でした。何せアルバム「GORILLA」と、スマッシュヒットとなる「Self Control」の間にリリースされた曲という事もあり、個人的には印象が薄いんですよ。ところが、ライブにはピッタリの曲だったんですね。考えを改めました。
原曲よりもギターを前面に出して、ハード感が増していたのもよかったですね。
演奏後、メンバーがゆっくりとステージ中央に集まってきました。
それを見た観客からは口々に「え?」「嘘!」といった声が。私もそう思いました。
まさかの幕切れです。
メンバー全員が手を繋ぎ、観客席に向かって一礼。
そこに流れてきたTMの最新シングル「CASTLE IN THE CLOUDS」にあわせて、メンバーは退場。
こうしてライブは終了したのです。
ちょっと消化不良といったところでしょうか。
確かに、宇都宮さんも最後の方は、かなり疲れが見えていたので仕方ないのかと思います。でもやっぱり短かった。
それにやって欲しかった曲はまだまだあったんです。
まず、初期のシングルをやってくれなかったのは残念です。デビュー曲の「金曜日のライオン」やデビューのきっかけともなった「1974」は、是非聞いてみたかったです。またTMNになってからの曲もほとんどなかったのが残念です。
それでも、あくまで活動終了前の曲で全て構成してくれたのは嬉しかったですね。
今回の消化不良分は来年の20周年のために残しておくことにしましょう。
20周年が本番だ ★★★★☆
− 公演データ −
「TM NETWORK tribute LIVE」 UTSU & KINE'S SELECTION FROM TM SONGS.
2003/05/27〜2003/05/28@大阪厚生年金会館大ホール
2003/05/30@愛知芸術劇場大ホール
2003/06/05@渋谷公会堂
2003/06/07〜2003/06/08@NHKホール
2003/06/13@Zepp Sendai
2003/06/15@Zepp Sapporo
2003/06/20@Zepp Fukuoka
2003/06/26〜2003/06/27@Zepp Tokyo
全席指定 6500円(Zeppではワンドリンク付)(Zepp Tokyoのみ)立見 6000円
- TOUR MEMBER -
ボーカル:宇都宮隆
ギター、コーラス:木根尚登
キーボード:浅倉大介
ギター:葛城哲哉
ドラム:阿部薫
- SET LIST - |
M1 | GIVE YOU A BEAT |
M2 | WILD HEAVEN |
M3 | Get Wild '89 |
M4 | Don't Let Me Cry |
M5 | BEYOND THE TIME |
M6 | Fool On The Planet |
M7 | THE POINT OF LOVERS' NIGHT |
M8 | ガンダーラ |
M9 | JUST ONE VICTORY |
M10 | 1/2の助走 |
M11 | GIRL |
M12 | Spanish Blue |
M13 | 組曲 VAMPIRE HUNTER D |
M14 | KISS YOU |
M15 | Come on Let's Dance |
M16 | Love Train |
M17 | You Can Dance |
M18 | Self Control |
アンコール |
M19 | SEVEN DAYS WAR |
M20 | All-Right All-Night |
|
|