遠野河童騒動顛末記

遠野河童騒動顛末記

岩手県遠野といえば、『遠野物語』。なかでも河童はつとに有名である。そんな遠野で河童目撃の騒動が持ち上がった。
そもそもの目撃は８月下旬頃からだったという。
『AERA』(朝日新聞社刊)11／11号によれば、JR遠野駅から北東に４キロ程離れた小烏瀬（こがらせ）川で河童が出没しはじめたという。
人に見つかると山の方に逃げていくそうで、地元ではいたずらとしてほとんど相手にしていなかった。実際、河童がカメラマンと歩いているのも目撃されていたらしい。
この件では、地元ケーブル局の遠野テレビが９／６のニュースで取り上げただけだったという。
　
ところが10／23、『東京スポーツ』が「衝撃写真カッパ発見」として一面で取り上げた。

『東京スポーツ』11/14号より転載

これは同紙に「遠野市民・匿名希望」として送られてきたもの。これを機に東京のマスコミが騒ぎ出した。
遠野テレビだけでも、日本テレビとＴＢＳから４番組（！）づつ。他にもラジオ局３局から取材が来たそうだ。
東京のマスコミの比べ、地元では平静そのもの。しかも、地元民以外のイタヅラだと確信していた。「遠野の河童は赤色が常識」だそうで（笑）、河童の出没する小烏瀬川の現場近くには熊が出るので河童姿で歩くようなバカはいないそうなのである。
では誰のいたづらかというと、『AERA』に「東スポ自作自演説」などと書かれて頭に来たのか、『東京スポーツ』は11／14号で遂に真相を解明。
なんと、日本テレビ「電波少年に毛が生えた」の企画だったという。
　
タレントに３か月かっぱの姿をさせ現地で撮影する企画だったそうだが、ケーブルテレビが一度放送しただけで相手にされず、地上波や地元紙が興味を示してくれないので、『東スポ』に写真を送りつけたということらしい。
なんか、ミステリーサークルや円盤と違って、寂しい限りのセコイいたずらだねえ。
どうでもいいけど。
　
それにしても、『東スポ』なら載っけてくれるってのは正しい見解だね（笑）。11／14号の『東スポ』の10面には、「バハマ・ナッソー発　人魚に足移植　前代未聞の大手術が成功」なんて記事が出てました（笑）。

(NOV 15, 2002)