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キャトル・ミューティレーション
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宇宙人による家畜虐待事件のこと。
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1973年、ある不思議な牛泥棒の話がアメリカ中西部に広まった。人目につかないヘリコプターに乗った牛泥棒が空から牛を攻撃し、地上に潜んでいる仲間に無線通信した、というものだ。
なんで牛泥棒が牛を攻撃するんだ、とか、無線通信なのにどうしてわかったのか、とかいろいろ気になることはあるが、そんな子細な(笑)ことには関係なく、報告はさらに増え、「おらも変なモンが牛の上をうろつくの見たダ」とか「UFOが降りてきて、おらの牛2頭殺されたダ〜」なんていうのが、ノースダコタ、ミネソタ、ミシシッピー等から続々と寄せられた。
農家は夜には家畜を屋内に入れるよう警告され、中には、飛び回っているものを手当りしだいに盲撃ちする少々危険な人も出て来たそうだ(笑)。 それらの家畜の死骸には特徴があり、あたかもレーザーメスのような鋭利な切り口で目や口唇、性器などを切り取られており、場合によっては血液がすっかり抜き取られていたという。
空飛ぶ狂った屠殺屋か気の狂った外科医か、はたまた邪悪な宗教団体かと推測されたが、死骸の周囲には足跡もなく、技術的に困難な切り口などから、宇宙人の仕業ということになっていったらしい。
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1975年4月20日、『ミネアポリス・トリビューン』紙でトム・ディヴィスが、約400件のそれらの事件は、血液上の病気と死骸の柔らかい部分を食べる鳥や動物たちの仕業であると論じた。
また、1980年、ケネス・M・ロメル・ジュニアという元FBI捜査官が1年にわたってキャトル・ミューティレーション事件を調査した報告書をまとめあげた。
まずロメルは、実際の事件を調査する一方、キャトル・ミューティレーションの報告が増えても牛の死亡率が上がっていないことに気付き、牛の死骸を実際に放置する実験を試みた。その結果、やはり切り口は死骸を食べる鳥や動物たちの仕業であり、漏れ出した血液も地面に完全に吸い込まれてしまったという。それは調査したキャトル・ミューティレーション事件と全く同じであり、キャトル・ミューティレーションは自然の営みにすぎないことが実証された。
また、牛の死骸が木に引っかかっていたという報告もあったが、実際に調べて見ると、そのような事実がなかったことが判明した。
宇宙人にとって、なんとも迷惑な話である(笑)。
もっとも全てが自然現象ってのは、ちょっと信じ難い。こういう時には必ず模倣犯が出るからだ。
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あれほどの騒ぎも、近年ではぱったりと減ってしまった。では多くのUFO目撃談との関連はどうなるのだろうか。恐らく、妄想と錯覚(笑)。なあんて簡単に言いきっちゃうと、UFO信者に怒られちゃいそうだなあ。
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