新規加盟組合紹介

 

連合ユニオン東京 アコムユニオン

執行委員長  長谷川 敦

 

−組合結成、連合とともに会社交渉と組織拡大をめざす−

 

−会社紹介−

  私が勤めるアコム株式会社は、世間では消費者金融業の大手4社の一つと言われています。 会社の制服を着た女の子が出演する「むじんくん」のテレビCMでおなじみと思います。 どんな会社か簡単に説明しますと、個人のお客さまにお金を貸す会社です。 長引く不況の中で、増収増益を続けて4年前には過去最高益を出しました。 しかし、その後は減益となり、今年5月の決算発表の結果、3期連続の減益となってしまいました。 ひと昔まえは「サラ金」と呼ばれていた不人気業種でしたが、当時から法律も変わりましたし、業界の努力もあり、今はだいぶイメージも変わってきました。

 私が入社した当時からでも、従業員は1,000名名以上増加して、現在ではアコムグループ全体で4,500名を超える人数がいます。 会社組織も支店単体の独立採算制から、平成14年にはコンタクトセンターによる集中化に変わりました。 最近では、今年の3月23日にアコムと三菱東京フィナンシャルグループとの資本・業務提携の発表がありましたが、三菱東京は4月にアコムへの出資比率を15%に引き上げて系列化することで、アコムは三菱東京の傘下となっています。

−組合結成への契機−

 アコムユニオン結成の動機となったきっかけは、一昨年12月12日に木下社長から発表され、一時新聞にも取り上げられ話題になった、当社の債務水増し請求事件です。 これは、債務整理を申し出た顧客575名に対して総額9,780万円の水増し請求をしていたという問題で、これに関係したとされる社員に対して会社が一方的な処分をしたことにあります。 この不祥事では、業務処理の実行者68名と管理監督責任者58名が、懲戒処分を受ける対象となりました。 しかし、不適切とされた業務を実際に行っていたにも関わらず処分の対象外になった者や、不適切な業務が行われていた当時の責任者ではなく、その後に異動してきた不祥事とは全く関わりのない責任者が処分の対象者になるなど、明らかに公平性を欠いています。 また、懲戒処分を受けた対象者には、十分な説明もないまま、異議申し立ても許されないといった、到底納得の行くものではありませんでした。 その他の原因としは、会社組織の変化に伴い、支店や地域コンタクトセンターの統廃合、グループ会社の整理・縮小による、準社員の雇い止め問題、配置転換や一方的な業務内容の変更、時間外労働の問題、評価や昇進・昇格の不透明さなど、様々な問題を多く抱えていることがあります。

−組合結成に動く−

 現在のアコムユニオン執行部のメンバーが労働組合結成のために行動を開始したのは、昨年の2月からです。 私は現執行副委員長の斉藤さんに誘われてメンバーに加わりました。 当初はみんなが労働組合に対する知識がなく、何をどうして良いかもわからないような状態でした。 とりあえず、同意する仲間を集めながら、相談できる先をあたり、組合について知っている人がいたら、その都度、問い合わせて話を聞くなどしていました。 そんな時に、現執行副委員長の小田さんがインターネットで組合組織化について調べていて「連合」を見つけました。 一番大きな組織で安心できると思い、早速問い合わせると、組織局の古山さんを紹介され、昨年3月に初めて連合東京を訪れて相談をしました。 ここでやっと、具体的な話し合いが行われ、それからは、毎月1〜2回のペースで話し合いの場を持ち、連合東京の古山さんや鈴木さんの多大な協力のもとに、組合結成に向けての準備をすすめていきました。 そして、平成15年10月25日に連合東京会議室でアコムユニオン結成大会を開催することができました。 翌日アコムユニオンホームページを作成し、インターネット上で公開しました。 10月27日には、会社に対して労働組合結成通知および団体交渉申し入れを行いました。 こうして、組合を公然化し全社的な加入活動を開始しました。組合活動をすすめていくなかで、これまで接することのなかった、他業界他業種の方々と知り合えることもでき、いろいろな知識を得ることもできました。 個人的にも非常に勉強になりましたし、視野を広げることができました。いろいろな知り合いが増えることは自分の財産になると思います。

−労使関係の現状と今後の組織強化、拡大に向けて−

 現在までに第6回の団体交渉が行われ、5月24日には第7回団体交渉が行われます。 当初、会社側は、組合に対して過半数に満たないことを唯一の理由に暫定労働協約や協定書などを認めず、組合活動そのものを否定的する態度を崩しませんでした。 さらに、一部管理職などによる露骨な不当労働行為が行われるなどがありました。 しかし、組合としては、過激な反応を取ることなく冷静に対処し、労働組合結成趣意書にある通り、会社の発展と従業員が安心して働き続けることができる職場づくりを目的に組合活動を行い、必要とあれば毅然とした対応を取りながら、主に団体交渉を通して会社側に理解を求めて行きました。 その団体交渉の回数が進むに従って、会社側は、不当労働行為が行われないように徹底して取り組むことを約束し、見向きもしなかった暫定労働協約の内容にもある程度理解を示すなど、態度が軟化してきています。

 アコムユニオンは、結成されてから半年が経過しましたが、アコム単体だけでも4,200人を超える従業員を持つ会社全体から見れば、残念ながらまだまだ小さな存在でしかありません。 これからも組合活動や団体交渉などを通じて、会社側や、まだ組合に加入していない他の従業員のみなさんにも組合の趣旨と必要性、活動方針を理解、賛同して頂けるよう努力していきます。 そして、組織拡大のために、これからも積極的に加入活動を進めていき、過半数を制することに全力で取り組んで行きます。

 

○ 連合ユニオン東京よりのコメント

 消費者金融業界では、CFJでも労働組合を結成した。 消費者金融再編の中、外資、大手銀行の系列化、支店統合などが進み、人員削減、労働条件の切り下げなどがあり、サービス残業が常態化している。

この組織化を機に、大手、準大手への組織化に向けて着実に前進している。

 

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