労働新聞(平成18年5月1日)

登壇 労組リーダー  

会社と協調し業界の信頼回復へ

 平成15年10月25日の結成当初、なかなか会社側にも理解されず、 平成16年7月21日に行われた第8回団体交渉においては、会社側が全てのルール・協約の締結を否定するなど、良好な関係とは言い難いものがあった。 そのため、同年8月2日に東京都労働委員会へ不当労働行為の救済申立を行うこととなり、 不誠実団交を改め、話合いのルール作りや協定締結に向けた協議を続けることを会社に訴えた。

 上部団体である連合東京の協力もあり、会社と話合いを続けた結果理解を得ることができたため、 平成17年1月19日には同救済申立を取り下げ、団体交渉のルールを締結。同年8月30日には労働協約の締結に至った。 現在では会社と良好な関係を築いている。

 ご存知の方も多いと思うが、同業他社のアイフルが金融庁より全店業務停止という非常に重い処分を受けた。 また、多重債務問題の解消に向け、金融庁の有識者懇談会では貸金業者への規制強化の検討を開始。 グレーゾーン廃止による上限金利の引下げや、貸金業規正法の改正による罰則強化、貸付額の総量規制等が俎上に上がっている。  消費者金融業界を取り巻く環境はこれまでのような利益確保が困難になることが予測され、企業が取らざるを得ない道として、 リストラをはじめとしたダウンサイジングが考えられる。しかし、その前に会社としてやるべきことはないのか?  厳しい環境ではあるが、ピンチとしてではなくチャンスとして前向きに考えることも必要だろう。

 アコムでは、ローン業務に関連する新規事業として、 銀行との提携による保証・コールセンター・サービサーなどの業務を行っているが、 加えて、人的資産やノウハウを活かしたASP事業等も有効と考える。 市場の健全化と会社の維持・存続のために、上限金利引下げにも対応できる魅力的な商品開発が求められることだろう。

 また、アコムの創業精神「信頼の輪」に基づき、会社と協調しつつ問題の解決に当たり、 業界の信頼回復と発展に役立つ行動が大切と考えている。

 労使協調のもと、会社との協定締結や個別の問題を解決、従業員が安心して働ける職場づくり、 お客さまへのサービス向上、ビジネス倫理の確立、そして、会社の健全な発展のために活動を続けていく所存である。

 ユニオンショップ協定締結を目標に、組織の強化・拡大のため、 今後も積極的な活動を進めていくつもりである。

 アコムユニオン 執行委員長 長谷川 敦