秘め事

 夜も更けて、寒さに凍えるように、七梨家は静まりかえっていた。太助の部屋に明かりはなく、窓から差し込む微かな月明かりが、唯一の光源だった。一日の疲れからか、太助はベッドの上で深い眠りに誘われていた。太助の部屋に、一つの人影が滑り込んできた。薄暗い部屋にも関わらず、太助の寝ている辺りに迷うことなく近づいていった。
「くすくすくす・・・・・た〜すけ〜・・・」
 人影は、ベッドに寝ている太助に向かって、躊躇無くダイブした。
「ぐえぇ!」
 眠っていた太助は、肺から絞り出すような奇声を上げると、起きることなくグッタリとしていた。太助に飛び乗った人影は、そのまま馬乗りになると太助の頭をはたき始めた。
「このこのこの! た〜すけ〜、起きろ〜」
 グッタリした太助をはたき続けている人物は、何を隠そう太助の姉の那奈であった。普段は世界中を旅していてほとんど家に居ないが、最近は何故か家にいることも多くなっている。那奈の肌は、旅のせいか良く焼けていて、髪は今時珍しい腰まで届く漆黒の黒髪を備えていた。昼間にでも見かければ、なかなかの美人で通るはずだが、今は・・・そうと言い切れない。
「た〜す〜け〜・・・ヒック・・・・・太助! この〜那奈様が来てやったんだ!起きんか〜!」
 白目を剥いて、未だグッタリしている太助の胸倉をつかみながら、那奈は叫んでいた。どうやら、尋常じゃない量の酒が入っているらしい。据わった目つきで太助を眺めていたが、フゥと一つ溜め息をつくと手を離した。
「この寒いのに、ぬくぬくと布団で寝てやがって・・・・・うぅ〜寒い!」
 酔っぱらいに通常の会話は期待できないが、那奈はまさにその状態になっていた。寒い、寒いといいながら、那奈は服を脱ぎ出すと、ショーツ1枚の姿で太助のベットに潜り込んでいった。
「ひゃ〜あったかい!太助・・・おい!こら太助!」
 相変わらず、太助からの返事はない。自分の行動で、太助が気絶しているかもしれないと言う考えには、至らないらしい。
「ふ〜ん・・・そこまで私のことを無視するんだ・・・・・・」
 那奈は、突然涙ぐむと、太助に抱きついていた。
「たしゅけ〜・・・昔は、太助の方から一緒に寝てくれって・・・せがんできたのに、もう私なんていらないんだぁ・・・グス、グス・・・・ヒック」
 涙に濡れた顔を、太助の胸に預けていたが、顔を上げた那奈の表情は、妖しく微笑んでいた。そして、太助に寄り添うとパジャマの中に手を入れ、優しい手つきで、太助の胸を愛撫し始めた。太助の耳元に唇を寄せると、そっと息を吹きかけ、小さく囁いた。
「太助様・・・起きてください・・・太助様・・・・・クス・・・クスクス・・・きゃははははは!」
 那奈は、しばらくの間、一人で笑い転げていた。しかし、それでも起きない太助に、業を煮やしたか、再び目が据わりだした。そして、加虐的な笑みを浮かべた。
「ヒック・・・・太助! 今、起きないと危ないぞ〜・・・・・くすくすくす」
 危ない笑みを浮かべたまま、那奈の手は太助の下半身に向かって下りていった。そして、目的のモノの上で止まった。そこには、先程の愛撫のせいか、半立ち状態になったペニスがあった。那奈の顔は加虐的な笑みを浮かべていたが、瞳だけは優しい光を浮かべていた。パジャマの上から、太助のペニスを優しく撫でていると、ゆっくりとだが充血を始め、力強さを増していった。
「太助・・・でも、此処まで無視されちゃ・・・・・クスクス・・・えいっ!」
 那奈の手は、ペニスへの愛撫をやめると、下に付いている皺袋を情け容赦なく握りしめた。
「☆♂※♀∞△?!」
 体を硬直させて、太助は声無き声を上げていた。那奈が手を離すと、太助はやっと声が出せるようになった。
「いってー!」
「たしゅけ〜!」
 太助が横を見ると、添い寝をするように那奈が寄り添っていた。
「げっ!那奈姉・・・うっ!酒臭い・・・・・」
 那奈が脇に寝ていた驚きと、酒の臭気から逃れるように、太助は飛び起きた。 その時、布団が捲れて、何もつけていない、那奈の上半身が目に入った。太助は姉の裸から、慌てて目をそらした。
「な・・・那奈姉・・・何で裸で、俺のベッドで寝てんだ・・・よ・・・・・」
「たしゅけ・・・もう私はいらないのね・・・・」
「はぁ?・・・」
 太助は那奈の裸の胸とは別に、言葉にも戸惑っていた。
「昔は、眠れないと言って、私のベッドによく潜り込みに来たし、私の胸に顔を埋めて寝息をたてていた、可愛い太助はどこに・・・更に小さい頃には、むずがる太助に乳房まで含ませてあげたのに・・・・」
「えっ、えっ・・・あ、あの那奈姉・・・・・」
「うぅぅぅ・・・・・太助に捨てられたぁ!」
 那奈はそう言うと、太助の枕に顔を埋め、嗚咽を漏らし始めた。太助は、目の前で泣いている裸の姉にとまどっていた。酔っているらしい事は判ったが、どう対処していいのか、太助は困っていた。しばらく、小さな嗚咽が聞こえていたが、突然に泣きやんだ。那奈は太助に顔を向けると、落ち着いた声で話し始めた。
「すべて祥子から聞いたわよ・・・・・なかなかの精力ぶりに、お姉さん感動!」
「えっ?」
 枕から顔を上げた那奈の頬には、涙の流れた後はなかった。先程までの、酔っぱらった雰囲気も消えている。そして、那奈は静かに太助を見つめていた。その場に沈黙がおりていたが、やがて、間を計っていたかのように、那奈が話し始めた。
「太助・・・祥子が居間にいるわよ・・・・・」
「・・・・・」
 太助は、なんて答えればいいのか判らなかった。
「なかなか喋らないから、ブランデーを勧めたら・・・全部を話してくれたわ」
「あの・・・那奈姉・・・山野辺は俺と同い年・・・・・」
「祥子は居間で、酔いつぶれているわよ・・・・・」
「・・・・・」
 太助は、那奈を見つめ返した。しかし、静かに見つめてくる那奈の視線に耐えきれず、太助はうつむいた。那奈は太助を見つめながら、淡々と話しかけていた。
「今なら、何でも出来るわよ・・・・・普段なら、祥子が嫌がりそうなことでも・・・・・何でも・・・・・」
 那奈が喋り終わると、再び沈黙がおりた。自分から顔を逸らしている太助を、那奈は見つめていた。
 しばらくすると、太助は立ち上がり、ベッドから降りた。そして、那奈を見ることなく、ドアを開けると部屋から出ていった。那奈は、太助の姿を目で追っていった。ドアが閉ざされ、太助の姿が消えるまで。太助の足音が聞こえるかと思い、耳を澄ますと階段を下りる気配が聞こえてきた。
「・・・・・・太助」
 しばらく、太助の出ていったドアを、那奈は見つめていた。突然、布団をかき寄せると、那奈は頭からかぶり、不貞寝のように太助のベッドに丸くなった。潜り込んだ顔は歪んでいて、瞳には涙が溢れていた。今頃は、祥子と体を重ねているのだろうかと思うと、那奈の心は掻き乱された。自分で、嗾けておきながらという気持ちと、何であんな事を言ったのかという気持ちで一杯だった。那奈は身動きせず、太助のベッドで横になっていた。しばらくそうしてると、すぐそばで声を掛けられた。
「那奈姉!一人でベッド占領するなよ」
 突然、掛けられた声に、那奈は心底驚いた。慌てて涙を拭くと、布団から顔を出した。ベッドの脇に、太助が立っている。
「那奈姉の事だからと思って見に行ったら、いくら山野辺でもあんな格好じゃ風邪を引くぞ」
 太助が階下に降りていったのは、祥子が風邪を引かないようにするためだったらしい。那奈は太助が祥子を抱きに行ったのではないことに、どこかホッとしていた。
「う・・・うん・・・ごめん・・・・・」
「ほら、那奈姉、詰めて詰めて」
 那奈が場所を空けると、太助はそのベッドに潜り込んできた。そして、潜り込んだ布団の暖かさに、太助はホッと一息ついた。
「太助・・・・・」
 那奈は太助に話しかけようとしたが、何を話していいのか判らず、そのまま口をつぐんだ。ただ、胸元で息づく太助に愛しさを覚え、優しく太助の頭をかき抱いた。
「那奈姉・・・・・」
 太助は姉の名前を呟きながら、懐かしい嗅ぎ慣れた体臭に包まれていた。そして、那奈の柔らかい双丘に、太助の胸は鼓動を速めていた。那奈は太助の鼓動が高鳴っていることに気が付いた。そして、太助の股間でも、熱を持った堅いモノが、隆々と起きあがっていることに。
「んっ・・・あぁぁ・・・・・」
 那奈がパジャマの上から、優しく太助のペニスをなで始めると、太助は声を漏らしていた。那奈の指が、自分のモノを擦り上げるたび、体を走り抜ける快感に、太助は酔いしれた。太助はせがむかのように、那奈の手に自分のモノを押しつけていた。
「太助・・・口でしてあげようか?」
「う、うん・・・」
 那奈は起きあがると、太助にズボンを脱ぐように指示した。太助は、那奈の裸体に目を奪われながら、ズボンを下ろした。そこには、先ほどまでの愛撫によって、パンパンに膨れあがった、太助のペニスが天を向いていた。
「・・・・・えっ」
 那奈は、予想よりも大きな、弟のペニスに驚きの声を上げていた。那奈が覚えているのは、一緒にお風呂に入った時に見た、小さいモノだった。その時の太助のペニスは、皮をかぶった小指ほどの大きさだった。ところが今は、カリ首も立派な姿を現し、青筋まで浮かべて、そそり立っていた。
「な、那奈姉・・・俺の変かな・・・・・」
「・・・う、ううん。そんなこと無いわ、立派よ」
 太助の声で我に返った那奈は、太助の股間に顔を近づけた。那奈は目の前にある太助のペニスに手を伸ばすと、その存在を確かめるかの様に優しく扱き始めた。太助のモノは、その鈴口から、早くも透明の液体が顔を覗かせていた。
「あぁ・・・那奈姉・・・・・早くぅ・・・・・」
「これでシャオを・・・ううん・・・何人の女の子を貫いたのかしらね」
「・・・・・・・・・」
「ごめん・・・太助」
 那奈は、言ったことを後悔した。心の片隅で、嫉妬の炎が一瞬燃え上がった事が原因だった。しかし、シャオや紀柳達と張り合っても、意味の無い事だと思い直した。
 那奈は、あらためて顔を寄せると、舌を伸ばしていく。そして、太助の竿の部分をゆっくり舐め上げた。
「うっ・・・那奈姉・・・・・」
 那奈の舌が、太助のペニスを這い回ると、太助は思わず声を漏らしていた。那奈の舌は、竿の部分を何度も舐め上げ、やがて先端に向かって上り始めた。カリ首を這いずり回り、やがて鈴口に到達した。鈴口に溢れた、透明な液を舌ですくい取ると、ゆっくりと口を広げ、太助のペニスを飲み込んでいった。
「おぉ・・・くっ・・・・・」
 太助は、暖かいモノに包み込まれた瞬間、押さえようとした声が漏れ出た。那奈の口の中は暖かく、気を抜けばすぐにでも、爆発してしまいそうだった。那奈の舌が絡みつき、扱き上げられるたびに、快感が背筋を這いずり回っていく。太助の意識は、ぼやけ始めていたが、ペニスの感覚だけは、鋭敏になっていった。
「那奈姉・・・すっごく気持ち良いよ」
 見下ろすと股の間で、自分の姉が頭を揺らしている。那奈は一心不乱に、太助のモノをしゃぶっていた。太助は、那奈の口腔による愛撫に身を預けていたが、姉の秘所を見てみたいと思い始めていた。
「那奈姉・・・俺・・・那奈姉のアソコが見たい・・・・・」
 太助が声を掛けると、那奈は動きを止めた。そして太助のペニスから口を離すと、上気した顔を恥ずかしげに向けてきた。
「・・・・・どうしても?」
「うん・・・・」
 那奈は、しばらく悩んでいたが、やがてショーツに手をかけると脱ぎ始めた。
「太助・・・そこに横になって・・・・・」
 太助は、那奈に言われた通り横になった。やがて、太助の顔の上を、那奈が跨いだ。那奈の秘所は、うっすらとした恥毛に被われていた。那奈は上体を倒すと、ゆっくりと腰を太助の顔に近づけてきた。近くで見る那奈の秘所は、襞が複雑な形を描き、とても卑猥に思えた。恥毛も、蜜壺の入り口の周りには殆ど生えておらず、前の方に密生していた。そして、近くで見ないと気が付かないが、那奈の秘裂は微かに蜜で濡れていた。
「那奈姉・・・濡れてる・・・・」
「太助・・・そんなこと言わないでよ・・・・」
 那奈は恥ずかしげに言葉を返すと、再び太助のペニスに手を伸ばした。先程までの名残で、太助のモノは涎液にまみれ、テラテラと光っていた。那奈は何度か手で扱き上げると、再び口に含み始めた。
 太助も那奈の秘裂に手を伸ばすと、襞の一枚一枚を確かめるかのように、優しくなぞり始めた。
「むぅぅ・・・んぅぅぅ・・・・・」
 太助が、指を動かすたびに、那奈のくぐもった声が漏れ始めた。太助が指を動かし続けていくと、太助の指はすっかり蜜にまみれていた。
「那奈姉・・・どんどん溢れてくるよ」
 恥ずかしさからか、那奈は太助の言葉を無視すると、激しく口でペニスを扱き始めた。
「うぉっ・・・な、那奈姉・・・そ、そんなに激しくしたら・・・出ちゃうよ」
 突然、激しくなった、刺激の強さに太助は耐えかねていた。那奈は太助の言葉を無視して、フニッシュ目指して扱き続けていた。太助は、目の前にある、那奈の腰にしがみついてまで耐えようとしたが、所詮、弟は姉に勝てないようだ。
「うごぁぁ・・・」
 太助は獣のような声を上げると、那奈の口の中に向かって白濁の液体を打ち出した。
「んぅ・・・」
 那奈は、突然に口の中に現れた、熱い樹液に驚いた。しかし、太助の放ったものだと思うと、自然と嚥下していた。そして、太助のペニスは、ヒクッヒクッと震えながら、何度も那奈の口の中に熱い液体を吐き出し続けていた。
「はあ、はあ、はあ・・・・・那奈姉」
 太助は、自分の放ったモノをこぼさずに、全部、那奈が飲み込もうとしていることに気が付いた。
「・・・大丈夫?」
 那奈からの返事はなく、太助のモノを含みながら、モゴモゴと口を動かしていた。何度か、喉が鳴ると那奈はペニスから口を離した。
「ぷはっ・・・ふふふふ・・・飲んじゃった」
「那奈姉・・・・・」
「嬉しい?」
「う、うん・・・・・」
 那奈は、太助の言葉に優しく微笑んでいた。那奈が、視線を下げるとすっかり縮んだ、白濁の液にまみれた太助のペニスがあった。
「・・・綺麗にしてあげる」
「えっ・・・いいよ」
 太助は那奈に悪いと思ったが、那奈は気にしないで再び太助のペニスを口に含んだ。先程までの動きと違い、舐め取るような優しい動きだった。
「那奈姉・・・今度は俺が気持ちよくしてあげるよ」
「えっ・・・あっ・・・んぅぅ・・・・・」
 太助は那奈の腰に手を伸ばすと、そのまま引き寄せた。そして舌を伸ばすと、那奈の秘裂を丹念に、何度も何度も舐め始めた。
「あぁぁ・・・くふぅうぅ・・・太助・・・やめて・・・・・」
 太助は、複雑な襞の中から、秘壺の入り口を見つけると、舌を潜り込ませた。 
「あっ・・・んぅぅ・・・」
 太助の舌は、キュッと柔襞に締め付けられた。締め付けられながらも、舌を蠢かせると、那奈の体は打ち震えた。那奈の体は、薄紅を垂らしたかのように、上気していた。
「はぁ、はぁ・・・太助・・・本当に・・・もう・・・あはぅぅ・・・・・」
 荒い呼吸を繰り返しながら、那奈は目の前にある太助のペニスの変化を知った。先程、精を放ったばかりだと言うのに、目の前にあるペニスは天に向かって隆々と、そそり立っていた。その事に、那奈は急に危険を感じ初めていた。しかし、腰から這い上ってくる快感に、危機感は押し流されそうになっていた。
「くぅぅ・・・やめて・・・太助・・・・・」
「那奈姉・・・」
 那奈は太助の舌から、何とか腰を引き離すと、太助の脇に倒れ込んだ。太助の引き起こした、快感の波に揺られながらも、何とか理性を保とうとしていた。
「那奈姉・・・どうしたの?」
「はぁ、はぁ、はぁ・・・これ以上は駄目・・・・・」
「大丈夫だよ、怖がること無いよ」
 太助は勘違いしていた。那奈が、気持ちよさに不安を覚えたのではないかと、思っていた。
「はぁ、はぁ、太助・・・今日の私・・・変・・・・・」
「そんなこと無いよ、今日の那奈ねぇは、凄く魅力的だよ」
「・・・・・でも、私たち・・・姉弟なのよ・・・・・」
 太助は、その言葉にショックを受けていた。確かに、世間一般から考えれば、那奈がしてくれたことでさえ、忌避される事なのだから。
「ごめんね・・・太助・・・私、どうかしていた」
 しかし、那奈の言葉を聞いても、太助は目の前に横たわる姉の肢体から、目を離すことは出来なかった。那奈の言った、姉弟という言葉を思い浮かべたとき、不思議な痺れが背筋を這い上ってきた。禁忌に触れている恐怖か、目の前に横たわる那奈ねぇの裸体に対する興奮のためなのか。ふと、視線を下げると、自分のペニスが力強く立ち上げっている。それが、すべてを雄弁に語っていた。
「太助?」
「・・・・・気にしないよ!」
「えっ?」
 太助は躙り寄ると、那奈に覆い被さった。そして、那奈の乳房に吸い付き、両手で乱暴に揉み上げていく。那奈の閉じられた太腿に、自分の足をこじ入れると、那奈を無防備な状態にした。その時、那奈の抵抗がないことに、太助は気が付いた。
「那奈姉・・・・・」
 太助が見上げると、那奈は潤んだ瞳で、太助を見つめていた。
「太助・・・どうしても私としたい?」
「・・・うん、那奈姉の中に入りたい」
 那奈は、視線を宙に彷徨わせている。やがて、気持ちが決まったのか、太助を正面から見つめた。
「太助・・・きて・・・・・乱暴にしないでね」
「・・・うん!」
 太助は、自分のモノに手を添えると、那奈の蜜壺の入り口に、狙いを定めた。そして、ゆっくりと腰を押し進めていく。
「くぉぉ・・・・」
「あ、あぁ・・・・・」
 太助は、まだ先端の部分しか入っていないのに、押し寄せる快楽に目眩を覚えていた。那奈もまた、弟のペニスが潜り込んでくることに、恐ろしさを覚えながらも、歓喜に打ち震えていた。
「な、那奈ねぇ・・・き、もちい・・・・」
「くふぅ・・・太助・・・もっと奥まで・・・・・」
 太助は、更にペニスを押し込んでいく。那奈の中は、熱く煮えたぎっているかのようだった。そして、とろけるような柔らかさを持った肉襞は、容赦なく太助のモノに絡みついてくる。やがて、奥まで辿り着いた太助は、今までにない一体感を感じていた。まるで、パズルのピースが嵌るかのような、居心地の良さだった。
「はぁ、はぁ、那奈姉・・・入ったよ」
「んぁ・・・ふぅあぁ・・・太助・・・ゆっくり・・・お願い」
「うん・・・」
 太助は、ゆっくりと動かし始めた。動かすたびに、那奈の熱い柔襞が絡みつき、太助の理性を奪い取っていく。太助は、ゆっくりとした、長いストロークで、那奈の蜜壺を味わっていた。
「あぁあぁぁ・・・ふぅあぁ・・・太助・・・太助・・・」
 那奈の声を、どこか遠くで聞きながら、太助は徐々にペースを上げていった。那奈の女陰から引き出し、そして押し込むたびに、目眩にも似た快楽が押し寄せてくる。那奈も、押し寄せる快感に流される怖さからか、太助の背中に腕を回し、腰に足を絡ませて耐えていた。
「フゥ・・・フゥ・・・な、那奈姉・・・もう・・・」
「た、太助・・・・私も・・・・」
 太助は、最後に向けて、激しく腰を打ち付けていく。部屋には、ジュッ、ジュブッという淫音と、那奈の嬌声に満ちていた。
「あ、あ、あ・・・太助・・・ぁあぁぁああぁぁぁ・・」
 那奈は嬌声を上げると、体を硬直させた。その瞬間、太助のペニスはギュッと掴まれるかのように、那奈の肉壺に締め上げられた。太助は、那奈の両足に腰を抱かれ、奥に導かれたまま動けずにいた。
「ぐぉ・・・くっ・・・・な、那奈姉・・・あし・・・・・」
 太助は、頭の隅で警鐘が鳴るのを聞きながら、那奈の奥に向かって白濁の液を弾けさせていた。太助のペニスは、何度も打ち震えながら、最後の一滴まで、那奈の奥深い所に吐き出していた。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・・・な、那奈姉・・・・・ごめん」
 太助は荒い息をつきながら、那奈の胸に顔を埋めていた。
「はぁ、はぁ・・・太助・・・・・この・・・馬鹿!」
 那奈は、太助の頭を思いっきり、叩き込んだ。そして、太助を睨み付けている。
「な、那奈姉・・・」
「太助!私の中に出しちゃうなんて!」
「で、でも、那奈姉が・・・・・」
「うるさーい! このお返しは、どうしてもらおうかなぁ」
 那奈は、悪魔のような笑みを浮かべながら、太助を見つめていた。太助は那奈に睨まれていると、かつて経験のない悪寒が背筋を上ってきた。
「クッククク・・・・・あっ・・・」
 那奈は、突然に顔を赤らめると、布団を掻き抱いた。
「?・・・那奈姉」
「うるさい!こっち見るな!・・・・・それとティッシュ!」
「は、はい!」
 太助は慌てて、枕元のティッシュを那奈に渡した。そして、一時の感情で動いたことの後悔と、明日から始まる那奈の仕打ちに、太助は身を震わせていた。
 いや、たった今から始まるかもしれない・・・・・・



おしまい