離珠も・・・
(前編)
夜遅く、ほとんどの人が夢の中にいる頃に、小さな人形みたいな影が動いていた。 薄暗い廊下を、眠そうな顔で離珠が歩いていた。 シャオの部屋に向かって、眠い目を擦りながらトテトテと歩いている。 居間で、軒轅や虎賁などと寝ていた離珠だったが、何だかシャオに呼ばれている様な気がして、起き出してきていた。 シャオの部屋に近づいてくると、苦しそうなシャオの声が聞こえてきた。 『シャオしゃま・・・・・・』 シャオの部屋の前にたどり着くと、声は確かに中から聞こえてきていた。 離珠は不安を感じながらも、扉を静かに少しだけ開いた。 見ると、太助とシャオが抱き合っていた。 二人は裸で重なっていて、太助の体が動くたびに、先ほどの声がシャオから聞こえてきていた。 太助の手が、優しくシャオの胸の上で動き続けている。 「んぅ・・・・はぁ・・・ぁ・・・・・」 「シャオ・・・・気持ち良い?」 太助は指を休めず声を掛けると、胸の頂にある突起を口に含みながら舌で転がし始めた。 「は、はぃ・・・た、太助さ・・・あぁぁ・・・・」 シャオの返事に気をよくした太助は、更に強く吸い上げながら、時々軽く歯を当てた。 「んっ・・・ぅぅあぁぁ・・・・太助様・・・・太助様・・・・・」 シャオは太助の頭を軽くかき抱きながら、名前を呼び続けている。 太助は柔らかい胸に抱かれながら、腕を伸ばすとシャオの秘壺の入り口へ、優しく指で触れ始めた。 クチュッ・・・・・ 「あっ・・・ぁあぁぁ・・・・・」 シャオの秘裂はすでに蜜が溢れていて、太助が指を動かすたびに更に流れ出てきた。 指を秘裂の筋に沿って動かすと、止めどもなく蜜は溢れ続け、シャオの嬌声は高くなっていった。 太助は、指にたっぷりと蜜を絡めると、ゆっくりと蜜壷に指を潜り込ませていった。 そして、蜜壷の感触を確かめるように動かし、柔らかい襞に包まれながら指の動きを大胆にしていった。 「んっ・・・ふぅあぁぁぁ・・・あ、あ、あぁぁあぁぁぁ・・・・・」 「シャオ・・・シャオが絡みついて来て、指を離してくれないよ・・・・・」 太助は指を蜜壷に出し入れしながら、シャオにそっと囁いた。 「ぅうぁぁ・・・ぃやぁぁ・・・太助・・・様・・・・そ、そんな事・・・い・・・言わないでください・・・んっ・・・ぁぁ・・・」 すっかり上気した顔を、太助から隠すようにシャオは身をよじった。 太助はその仕草を、素直に可愛いと感じた。 その仕草を見たとき、太助のモノは大きく震えた。 そして、体を起こすと改めてシャオに覆い被さり、強く抱きしめた。 「はぁ・・・はぁ・・・太助様・・・・・」 「シャオ・・・・・シャオの中に入りたい・・・・」 シャオは太助を見つめると、静かに、そして恥ずかしげに頷いた。 太助が体を起こすと、シャオは太助を受け入れるためにゆっくりと足を広げた。 あらためて目にする蜜壷の入り口は、蜜で溢れかえっていた。 太助を待ち焦がれるかのように、時々ヒクッと震えるが走るたび、蜜が流れ出てきた。 シャオの秘裂を眺めながら、太助は中の感触を思い出し思わず身震いをした。 「シャオ・・・・行くよ・・・・」 「は、はい・・・」 太助は声を掛けると、自分自身に手を添えて蜜壷の入口に位置を合わせた。 そして、ゆっくりと腰を進め、柔肉に包まれながら蜜壺の中に沈めていった。 「んぅぅ・・・あ・・・・あぁぁぁ・・・太助様・・・・・・」 「くぅぅ・・・ぉぉ・・・シャ、シャオ!」 太助はゆっくりと、蜜壺の奥に向かって潜り込ませていった。 時々、キュッと締め付けられながらも、太助のものは奥まで抵抗無く吸い込まれていった。 そして、蜜壺の奥に辿り着くと、熱くたぎる柔肉にすっかり包み込まれ、言いようのない充足感に満たされていた。 周りから柔らかく絡みつかれ、太助のものを更に奥に引きずり込もうとキュッキュッと締め付けながら、微妙に蠢いていた。 思わず、爆発しそうになるのを堪えながら、太助はゆっくりと前後に腰を動かし始めた。 「くっ・・・シャ、シャオ・・・いい・・・すごく・・・気持ちい・・・い・・・・・」 「あ、んっ・・・ふぁ・・・ぁあぁぁ・・・た、太助・・・さま・・・わ、わたしも・・・んぁぁあぁぁぁ・・・・」 太助ものもが、自分の中で動くたびに沸き上がる快楽に、シャオは流され始めていた。 太助に突き上げられるたび、その感覚は強くなりつつあった。 『シャオしゃま・・・?』 『んぅあぁぁ・・・・・り、離珠!』 シャオは流されそうになる意識をつなぎ止めながら、部屋の入り口の方に顔を向けた。 微かに開いた入り口の隙間から、離朱が不安そうな面もちで顔を覗かせていた。 太助との秘め事を離珠に見られて、シャオは恥ずかしさのあまり体を起こそうとしたが、全身に全く力が入らなかった。 太助は離珠の事に気が付かず、腰の動きを速めながらシャオに夢中になっていた。 「あ、あ、あぁぁ・・・くぅぅあぁぁ・・・あ・・・太助・・・さま・・・り・・・しゅ・・・んぁああぁぁ・・・・・」 「はぁ・・・はぁ・・・くっ・・・シャ・・・シャオ」 離朱のことを伝えようとするが、うまく言葉に成らなかった。 心配そうな気持ちを含んだ言葉が、離朱から伝わってきた。 『シャオしゃま・・・大丈夫でしか?』 『んっ・・・り、離珠・・・はぁあぁぁ・・・お・・・お願い・・・あぁぁ・・・向こうに・・・んっあぁぁ・・・・』 襲い来る快感に耐えながら、シャオは離珠を向こうに行かせようとした。 しかし、気持ち良さが頂点に向かって昇り始めた為、意識がぼやけ始め離珠にもうまく伝わらなくなり始めていた。 蜜壷の中を太助のモノでかき回され、絶え間なく襲い来る快楽に玩ばれていた。 太助も限界が近づいてきたのか、シャオの足を抱え直すと激しく腰を送り込み始めた。 「あっ!あっ!あっ!・・・たっ・・・太助さま・・・・・」 「はぁ、はぁ・・・くっぅぅ・・・シャ、シャオ!」 何度も激しく突き上げられ、シャオの意識は急激に昇り詰めようとしていた。 太助も熱い固まりが出口を求めて、腰のあたりで暴れ始めていた。 『シャオしゃま・・・・』 『あ・・・ふぅくあぁぁ・・・り・・離珠・・・んぅぁぁ・・・み・・・見ないで・・・ぅうぅぅあぁぁ・・・・・』 急に太助に強く抱きしめられ、躰の奥で熱い固まりが現れた。 「くっ・・・シャオ!」 「た・・・助・・・さ・・・あぁああぁぁぁぁ・・・・・」 太助から放たれた熱いモノが、躰の奥に現れると同時に、シャオの意識は弾けた。 頭の中は白くなり、風にもてあそばれるかのように、意識は飛んでいった。 『シャオしゃま・・・・』 離珠は何度かシャオに呼びかけたが、返事はなかった。 シャオから伝わる意味の最後の方は、言葉になっていなかった。 意味のない言葉の中に、ただ、強いシャオの想いだけが伝わってきた。 太助に対する愛おしさ、そして自分を見失うほどの気持ちよさの思いが離珠に伝わってきた。 『シャオしゃまぁ・・・・・』 離珠はもう一度、シャオに呼びかけてみたが、やはり返事はなかった。 部屋の中では、太助とシャオが荒い呼吸を繰り返しながら、余韻に浸るように躰を重ねていた。 離珠は、その場に何故か居づらくなり、静かに扉を閉めた。 そして、扉の前に座り込むと、先程シャオから伝わってきた事を思い返していた。 改めて思い返していると、頬が自然と熱を持ち始めた様に離珠には感じられた。 すると鼓動まで早く打ち始め、やがて言葉にしにくいものが胸の奥に現れてきた。 やがて、離珠は落ち着かなくなり、カァッと熱くなり始めた躰に戸惑っていたいた。 翌日、紀柳の目の前のテーブルの上で、小さな愛らしい人影が走り回っていた。 ちょこちょこ動きながら、誰かの似顔絵を描いているらしい。 「こっちは主殿で・・・これはシャオ殿だな」 多少、首をひねりながら紀柳が答えると、筆を持ちながら離珠は嬉しそうに笑った。 『さすが紀柳しゃん、理解が早くて助かるデシ』 紀柳は眉根を寄せながら、離珠に先を促した。 「離珠殿・・・主殿とシャオ殿がどうかしたのか?」 『はいはい、今、続きを描くデシ』 離珠が筆を構えて、走り始めると太助とシャオが取っ組み合いをしているような絵を描き始めた。 「?・・・・・主殿とシャオ殿がケンカをしているのか?」 『違うデシ!だから、太助しゃまがシャオしゃまを・・・・』 離珠は紀柳に理解してもらおうと、更に絵を描きたした。 「・・・・・シャオ殿が主殿を投げ飛ばすと押さえ込みを決めた?」 『う〜・・・何でそうなるデシか』 少し目に涙をためながら、離珠は躍起になって絵を描き続けていた。 ただ、描けば描くほど、離珠の言いたい事から離れているようだった。 二人は、珍問答を繰り返しながらも、離珠と紀柳のコミュニケーションは進んでいた。 しばらくすると紀柳は、何かに思い至ったように答えた。 「・・・・・主殿とシャオ殿が抱き合っていた」 『そうでし!やっとわかってしてくれたデシか』 離珠は、理解してくれた喜びを表すかのように、体全体を使って紀柳の目の前ではね回った。 しかし、紀柳は頬を赤く染めて顔を伏せると、小さな声で答えた。 「あ・・・あんまり・・・珍しいことでもないと思うぞ・・・・・」 紀柳の答えに、離珠は再び筆を持って走り始めた。 『まだ、続きがあるデシ』 話題が分かったためか、先ほどよりスムーズに話は進んでいった。 やがて、離珠の言いたいことを理解した紀柳は、顔を赤らめながら答えた。 「・・・・・・出来ないことはないが」 『お願いするデシ!』 離珠は大きな瞳を潤ませながら、ただ、紀柳を見つめていた。 真摯に見つめてくる離珠を見ながら、紀柳は考え込んでいた。 「本当にいいのか・・・・・」 『ハイでし!』 離珠は紀柳の言葉に、力強く頷いた。 しばらく逡巡していた紀柳だったが、やがて立ち上がると短天扇を取り出すと、離珠に向かって構えた。 つづく |