小悪魔の笑い

太助が、帰ろうとした所を、突然、山野辺に呼び止められた。
「七梨! 紀柳の試練も大変だろ、食後にこれを飲むといいぞ。きしししし」
「あ、ありがと・・・」
「じゃな!今夜はがんばれよ!」
「・・・・?」

 食事も済んで、翔子に貰った物も飲み終わり、シャオと談笑していたときだった。
『なぜだよ・・・おさまれ、おさまれよ』
 かつてないほど、太助の下半身にあるものは大きくなっていた。
 なぜ、という気持ちと、シャオにばれたらと気ばかりが焦っていた。
「太助様・・・ どうかなさったのですか?」
「い、いや、何でもない・・・ シャオ、俺、部屋に戻るよ」
 シャオにばれないよう、前かがみになりながら、太助は部屋に急いで戻っていった。
「太助様・・・」

 部屋に戻った太助は、慌てて自分のものを引っ張り出した。
 勢いよく飛び出し、衰える気配のしない自分のものを見てため息を吐いた。
「急になんで。シャオと普通に話していただけで・・・」
 不意に、山野辺の笑いがよみがえってきた。
「あれのせいか?」
 山野辺が、どういう意味で渡したか考えていると、部屋のドアがノックされた。
 慌てて、ズボンにしまい込み、焦らない様気を付けながらドアを開けた。
「はい・・・」
 ドアを開けると、そこには不安そうな面持ちで、シャオがたっていた。
「太助様、起きていて大丈夫なのですか?」
「・・・あぁ、大丈夫だよ」
「なんだか、顔色も悪いですよ・・・」
『まぁ、こんな状態じゃ、落ち着けないよなぁ・・・はぁ』
「太助様、寝ないといけません!すぐに、長沙も呼びますので、ベットに横になってください!」
 言うとすぐに、太助をベットに押し込み始めた。
「ちょ、ちょっとシャオ・・・」
「もし、何かあったら大変です!」
「うっ!!」
 太助を、ベットに寝かしていたシャオの手が、太助のものに触れていた。
「太助様、太助様! 大変です! ここが、こんなに大きくなってます」
 慌てたシャオは、急いで支天輪から長沙を招来しようとした。
「ま、待て、シャオ!違うんだ!すぐ治るから!」
 支天輪を持ったまま、シャオは太助を見つめていた。
「・・・本当に大丈夫なのですか?」
「・・・あぁ。もう少しすれば元に戻るよ。だから――」
 シャオはかがみ込んで、太助のものの近くに顔を寄せていた。
「それでは治るまで、シャオが看病しますね。これだけは、だめです」
『・・・・・どうしよう』
 シャオは、じっと太助のものを見詰めていた。
 元に戻るのを、今か今かと待ちわびるように。
『うぅ、ぅ、そんなに見詰められたら、戻るものも戻らないぞ』
 じっと見詰めるシャオを、見るのも恥ずかしくなり、助けは目をつむった。
 そして、目を閉じるのを待っていたかのように、山野辺の声が聞こえてきた。「今夜はがんばれよ!きししししし」
『山野辺のやつ、まさか・・・でも、シャオと・・・俺とシャオが・・・』
 何時の間にか、太助はシャオを見詰めていた。
「太助様、まだ、戻りませんが苦しくないですか?」
『シャオが俺と・・・』
 頭の中が、シャオでいっぱいになった時、シャオと目が会った。
 そして、自然に口から言葉が、流れ出た。
「シャオ、お願いがあるんだ。」
「? はいっ、太助様の為なら何でもします。」
 そういって微笑んだシャオに願いを伝えた。
「シャオ・・・腫れている所を舐めて・・・欲しい」
「・・・はいっ」
 シャオは、恥ずかしそうに、そっと手を伸ばしてきた。
 ゆっくりと丁寧に、そして大切なものを扱うように、太助のものを外に引っ張り出した。
「・・・太助様、大丈夫ですか?こんなに・・・」
 太助は、シャオの頭をやさしく、何度も促すようになでていた。
「大丈夫だよ、シャオ・・・」
 そう、声をかけると、シャオはいつの間にか赤くなっていた顔を寄せていった。
 ゆっくりと、顔を寄せ、静かに太助のものに舌を伸ばした。
「うぅっ!」
 シャオの舌が触れたとたん、今まで味わったことのない気持ち良さが生まれた。
「太助様! 痛いんですか?」
「シャオ・・・続けてくれ・・・」
「でも!」
「大丈夫だから、シャオがしてくれないと治らないんだ」
 そう言うと、シャオはまた、舌を伸ばしてきてくれた。
 何度も、何度も、太助のものを舐め上げた。
 熱いシャオの舌が触れるたび、太助の息は荒くなってきた。
 自分のものに触れてゆっくりと上下する、シャオの舌を眺めながら、次第に別の欲求が沸き上がってきた。
 シャオの口の中に入りたい。
 今、シャオの舌が触れるだけで気持ちいいのに、シャオが自分を口に含んでくれたら・・・
 その想いは、すぐ言葉になった。
「シャオ、今度は口の中に入れてくれ」
 そう伝えると、シャオの動きが止まった。
 何かを考えるような、ちょっとした間が訪れた。
 しかし、ゆっくりと太助のものが、口の中へ含まれていった。
 その瞬間、今までと比べ物にならない気持ち良さに襲われた。
「う、あぁ、気持ちいよ・・・シャオ。動いてくれないか、頭を前後に振る感じで・・・」
 シャオが動き始めた瞬間、最初の感覚を上回る気持ち良さが来た。
 シャオが動くたびに、耐えられないような快感に襲われる。
「シャ、シャオ・・・いいよ、気持ちいいよ」
 太助の言葉に答えるように、シャオの動きも速くなっていった。
 シャオの口から出入りする、自分のものを眺めながら、太助は終りが近づいてきたことを感じていた。
 この、気持ち良さを終わらせたくない一心で耐えていたが、限界がすぐそこまで来ていた。
「シャ・・・シャオ、ごめん!」
 そう言葉を掛けたとき、シャオの動きが止まった。
 そして、今まで耐えてきたものが、出口を求めて吹き出し、シャオの口中を満たした。
「ごほっ、ごほ・・・」
「シャオ、ごめん・・・我慢できなくて」
「ごほっ・・・太助様、もう大丈夫ですか?」
「・・・あぁ。シャオのおかげだよ」
「よかった・・・」
 太助は、心の中で、シャオに詫びた。
 騙すようなかたちで、ごめんと・・・
 ふと、自分のものを見ると、一度出したばかりなのに雄々しく隆起していた。
「太助様・・・」
「シャオ・・・もう一度、お願いします」
「・・・・・はいっ」

 翌日。
 シャオと一緒に登校してると、背中から思いっきりたたかれた。
 振り返ると、山野辺が立っていた。
「よう!七梨、昨夜はどうだった。目の下に隈があるぞぉ。きしししししし」
「山野辺、おまえなぁ・・・」
「わかってる、わかってる、皆までいうなって。じゃな!」
「お、おい!」
 山野辺は、言いたい事だけ言うと、風のように去っていった。
「翔子さん、何か良いことでもあったのでしょうか?」
「ははは・・・・」
 太助は重いような、軽いような足取りで、登校していった。

おしまい

     By  NAO


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