太助、新たなる試練
「あの、紀柳・・・・そろそろ、解いてくれないか?」 身動きのとれない太助は、目の前に立ちながら本を読んでいる紀柳に声をかけた。 紀柳は太助に声をかけられると、読んでいた本から視線をあげた。 「んっ?・・・すまんな主殿、確認のために読み返していたところだったからな」 そう言って紀柳が置いた本の表紙には『とりあえずやってみる○男の育て方』と書いてあった。 部屋を見回すと、鞭やローソクなど・・・ふだんの生活では目にしない物が置かれていた。 紀柳はどれを使うか悩みながら、置かれているものを物色していた。 「あの〜紀柳・・・さん・・・・・止めませんか?」 太助はそう声をかけながら、縛られている縄が解けるようもがいていた。 紀柳が、鞭を携えて近づいてくると構えて見せた。 「主殿も、そろそろ倦怠期というものに入ってきたのではないか?」 「なっ!・・・ないないっ!!そんな事はない!!!」 太助は、焦りながら縄から抜け出そうと、あがいていた。 「倦怠期を乗り切るため、そして新しい試練として試してみないか?」 「うわ〜!!!!」 太助は大声を上げ、更に激しくもがき始めた。 紀柳は鞭を構え直して、振るった。 しかし、『へにゃっ』っと鞭の先は床に落ちた。 「難しいな、これは・・・・・」 長い鞭を自在に振るためには、それ相応の練習が必要かもしれない。 その時、紀柳の部屋の扉が開くと、シャオと翔子が顔を出した。 「うるさいなぁ!七梨はなにを騒い・・・・・」 「・・・・・・太助様」 二人は、部屋で縛られている太助を見て言葉を失った。 太助は現れたシャオに助けを求めた。 「シャオ!助けてくれ〜」 「太助様!」 シャオは太助を助けるために近づこうとすると、翔子が押しとどめた。 「まぁまぁ、シャオちょっと落ち着きなって」 翔子はシャオを押しとどめると、太助に近づいてきた。 太助の顔をのぞき込むと。 「ふ〜ん・・・七梨にこんな趣味があったとはねぇ・・・・・・」 「俺はこんな趣味は持っていない!」 太助の言葉を無視する翔子の顔には、悪魔のような微笑みが浮かんでいた。 「私たちも手伝ってあげようか・・・?」 「ば、馬鹿なこと言ってないで解いてくれよ!」 翔子は、太助の顎に指を這わすと微笑んだ 「以前、私に無理矢理したくせに・・・・」 「なっ!・・・・・あ、あれはお前がくれた・・・・・」 翔子はわざとらしく泣き崩れると言葉を続けた。 「嫌がる私を無理矢理・・・・・しかも後ろからなんて・・・・・」 「・・・・・・・」 太助が言葉を発せずにいると、翔子は何事もなかったように立ち上がり、紀柳に話しかけた。 「紀柳、こういう事はカッコから入らないと」 「そう言うものなのか?」 「たぶん・・・那奈ねぇの所に行けば、服があると思うけど・・・・」 翔子はそう言うと、シャオと紀柳の二人を引っ張るように、部屋から出ていった。 「・・・・・・・・シャオ」 一人部屋に残された太助は、呆然としながら涙を浮かべていた。 やがて、シャオと翔子が部屋に戻ってきた。 「あった!あった!やっぱり持ってたよ」 翔子がはしゃぎながら入ってくると、太助は目を奪われた。 シャオと翔子は似たような黒光りする布をつけていた。 ひもで締め上げた、少し苦しそうなビキニのようなものを身に着けていた。 「・・・・・太助様」 シャオは恥ずかしげに、身を縮めながらも太助の前に現れた。 「・・・・・・・・」 太助は、いつもと違いすぎる印象に戸惑いながらも、シャオに見とれていた。 シャオは、太助に見つめられると、更に身を小さくしようとした。 「どうだ!七梨、なかなか良いものだろ、きしししし・・・・」 「翔子殿、本当にこの着付けで良いのか?」 そう声をかけながら紀柳が部屋の中に入ってきた。 シャオから紀柳に目を移すと、太助は目を大きく見開き紀柳の格好に見入ってしまった。 紀柳の服(?)は、黒いひもだけで構成されていた。 細いひもが紀柳の体を走り、申し訳程度に紀柳の胸や秘所を隠していた。 太助の視線に気が付くと、紀柳は腕で体を隠そうとした。 「あ、主殿・・・・そんなに見つめないでくれ・・・・」 恥ずかしげに俯く紀柳の脇で、シャオが静かな視線を太助に送っていた。 その事に気が付いた翔子は、シャオに鞭を握らした。 「ほいっ!シャオ、振ってみなよ」 シャオは太助を見つめながら、翔子に言われた通り鞭を振った。 『ピシッ』っと、勢いのある音が部屋中に響き渡った。 その音に驚いた、太助、紀柳、そして翔子までが静まりかえった。 「・・・太助様・・・・・」 「あ、あの・・・シャ、シャオ・・・・・・さん」 太助は額に脂汗を浮かべながらシャオに呼びかけた。 静かに近づいてくる、シャオを見上げながら・・・・・・ その後、七梨家に太助の悲鳴があがったどうかは定かではない。 おわり NAO「ごめんよ〜・・・太助君、次回また良い思いさせてあげるから許してくれ〜・・・・・(爆)」 |