好男の災難
 9 串刺しショー



「おや、やっとお目覚めだね。お尻の快感もわかってきたみたいだから。今度は本
物をあじあわせて上げようと思って、男子部員の部屋から呼んで来たんだよ」
 高木が好男をのぞきこんで言った。
 好男はあまりの事に絶句してしまって返す言葉も無い。
 目の前の勃起したペニスをあきれた目つきで見守るだけだった。
 実際、男は他人の勃起したペニスを見る機会は少ない。
 体育会系のクラブなどで体験する事でもない限り、まったく経験の無い男がほと
んどなのだ。

「かわいい顔してるな。こいつは朝まで楽しめそうだ」
 最初に好男の尻を抱く予定の男は、ひげを生やして角刈りにしたやくざのような
男だった。
 ひょいっと軽い手付きで横になっていた好男の腰を抱き、まっすぐに尻を突き出
すようにさせる。
 逃げようが無かった。両手は手首と膝を括られているのだ。

「ケツマンコはまだ開いてるから、痛くは無いと思うぜ」
 ぬるりとその男の指が好男の肛門に滑り込んできた。
 ひねりを加えて、奥まで蹂躙してくる。
 入り込んだ指が、ちょうど好男のペニスの裏側あたりを刺激してきた。
 ぴくんと好男のものが反応した。
 散々搾り取られて、すでに痛みしか感じなくなった好男のペニスにじわじわ血液
がたまり始める。

 それは快感なんてものではなくて、苦痛、それも激痛だった。
 血のにじんだカリの周囲も充血し、ジンジンと心臓の鼓動にあわせて痛みがやっ
てくる。
 その痛むペニスを、後ろの男はぐいっと握ってきた。

「はあ!痛い。放してください!」
 好男の叫び声など誰も聞いてなかった。
 後ろの男は、ゆっくりと好男のものを擦り上げ始める。
 痛いのに、前立腺を刺激され、さらに擦り上げられるとどうしても勃起の度合い
が上がってしまう。好男は男に生まれた事を後悔しはじめた。
 男の指が好男の肛門から出て行った。

 誰かが濡れタオルを彼に渡す。
「ふふ、臭いなちょっと」
 彼は指をタオルで拭いて、その手を自分の怒張したものに持っていった。
 直径5センチくらいありそうな、彼の亀頭は紫色になり、てらてら光っていた。

「じゃあ行くぜ。大口開けておいたほうがいいぜ、その方が尻も開きやすいからな」
 突き出した好男の尻に男の亀頭が押し付けられた。
 男が腰をいれて、そのままねじ込む。
 さっき天狗の鼻で犯された時も激痛だったが、今度もそれに負けない痛みを伴っ
た。一回開いてるからそれほど痛くないなどと男は言ったが、それは同じ大きさの
ものをねじ込む場合の事だったのだ。

 痛さで声が出ない。必死でずり上がって逃げようとする好男を、女達は笑って押
さえ込んでいた。
「半分入ったよ。もう少しで全部はいるからがんばりなさい」
 高木が面白そうに言った。
 気を失いそうなくらい痛かったが、今度もしばらくするとうそのように痛みが消
えていった。
「暴れなくなったな。そろそろ動いて大丈夫かな」
 男はそう言うと出し入れを始めた。
 太い亀頭が好男の直腸を無理やり擦るように入り、出て行く。
 好男のペニスはそうされる内にこれまで以上にキチキチに張り詰めていた。
 男の手のひらに包み込まれて、そのキチキチの物がゆっくり擦られる。
 痛みと快感がゆっくり重なって、快感の方が徐々に大きくなっていった。

 ハアハアと荒く息をする好男。それを見下ろす十人以上の男女。
 部屋の中は熱気で悶々としていた。
 男の動きが少しずつ速くなった。
 尻の中を出入りするスピードが速まり、好男の快感も加速度的に上昇し始める。
「そろそろいくぞ。おまえも一緒にいくんだ」
 男の腰の動きと、好男の擦られる動きは微妙に連動して、二人の快感が絡まりあ
うように合わさっていく。
 おう!おお。
 後ろの男が叫んで、好男の尻の奥深くに瞬間的に突き刺す。それと同時に好男の
直腸に熱い液が勢いよく噴射される。

 尻の中が熱くなる感じを受けながら、好男も何度目かの絶頂を迎えた。
 熱い尻の感触と合わさって、今までの内でも最も強い快感だった。
 頭の中が真っ白になるというより、頭の中に煮えたぎる溶岩を流し込まれるよう
な感覚だった。一瞬呼吸が止まる。死ぬほどの快感だったのだ。

 二人目の男が入ってきた時は、好男の腕は開放されていた。
 腕を解かれても、暴れたり逃げたりする気力は好男にはもう残っていないと思わ
れたのだ。事実そうだった。
 二人目の男は最初の男ほど大きくなかったからか、それとも肛門が慣れてしまっ
たのか、まったく痛みはなかった。
 異物感と、小さな快感を感じただけだ。
 尻よりも好男の関心は眼前にあった。
 3人目になる男が好男の目の前に勃起した股間をさらしていた。
 そして好男はそれをしゃぶる事を強制されていたのだった。

 今まで考えた事もない状況だった。
 3人目のその痩せ型の男も、あまり気乗りしていないみたいだった。
 こいつに万一噛み付かれたら、そう思って躊躇する気持ちがあったのだろう。
「ほら、中村のをしゃぶれって言ってるだろ。しなかったら玉潰すからね。痴漢が
侵入してきたから撃退したって言えば、あたし達のことを疑う人間はいないんだか
ら」
 高木の言うとおりだろう。好男はどうにでもなれと自棄的に口を開いた。
 ぬるりとした亀頭が好男の口に入ってきた。
 滑らかな亀頭の舌ざわりに好男はおぞ気をふるった。
 吐きそうな気がしたが、舌を絡めて、男を気持ちよくさせているうちに自分も嫌
悪感が薄れてきた。
 いったん嫌悪感が薄れた好男は、自分の手で彼のものを握り、懸命に奉仕をし始
める。尻を犯されながら男のものをしゃぶるのは、究極の男のマゾヒズムかもしれ
ないと好男は思っていた。
 自分にはもともとマゾヒスティックな所があった。ユカたちに顔面騎乗されて興
奮するのもそのせいだった筈だ。
 マゾならマゾらしく、自分の限界を超えるくらいの責めをされるべきなんだ。
 好男の混乱した思考の中では、自分の今日の運命を当然のこととして肯定し始め
ていた。

 好男は手足を一緒くたに括られた。
 そのまま、和室と奥の洋間の間の梁に吊るされていた。
 何人目かわからない男に尻を犯されながら、さかさまになった顔を両手でもたれ
てペニスを咥えさせられた。
 もう許してと何度も言ったが、男達は聞かなかった。
 まだ朝は来ないぜ、と返事するだけだった。
 尻に熱いものを何度も注入された。
 口からも何回か飲まされた。青臭い液体は生暖かく、喉の奥に絡まるようにして
なかなか飲み下す事が出来なかった。
 窓の外の街灯の明かりが消える頃、あたりは少しずつ光を取り戻し始める。

 気を失っていた好男は、水音でゆっくり目がさめた。
 硬い岩の上に寝ていた。湯気が体を取り巻いている。
 起きようとして、肛門が激痛を放ち、再び倒れこんだ。

「あ、好男君じゃない。どこいってたのよ」
 懐かしい声が聞こえた。ユカの声だ。
「大丈夫?」
 全裸のユカは好男を抱き起こして頭を抱いてくれた。
 どうやらここは昨夜の露天風呂のようだ。
「昨夜ずいぶん探したんだよ。男子の部屋にも帰ってないって言われたから。好男
君がここでまどろんでるうちに帰ってしまおうって意地悪な事しなけりゃよかった
んだよね。あたしはすぐに戻ってきてみたんだけど、好男君はもういなかったんだ。
でもよかった。好男君が無事で」
 言い訳がましいユカの言葉も好男にはどうでもよかった。

「どこにいってたのよ。心配したんだから」
 ユカの声は微妙に震えている。本心のようだった。
「どこかなあ。地獄、いや天国かもしれないな」
 好男は自分の声がまるで他人の声のように聞こえていた。
 早く起き上がってここを出なければ、また一悶着あるかもしれない。
 そんな現実的な心配事がまったく気にならなかった。
 一度天国にいった人間は、二度と現実世界にリアリティを持つことが出来ないの
かもしれない。
 薄笑いする好男を、ユカは泣きそうな顔でいつまでも見下ろしていた。






                                             好男の災難 おわり
 



 あとがき


 好男の災難、最後までお付き合いいただきありがとうございます。この一品はい
つも掲示板で励ましのカキコをしてくださる好男さんのために、そのお名前をお借
りして書き上げたものです。最後の方が肝心の好男さんの嗜好と離れていったのは
残念ですが、小説は必ずしも書き手の思うようになるものではなく、いったん設定
してしまうと勝手に走り出してしまう事があるという事で、お許し願います。
 始めのうちはユカたちと露天風呂でHをする所で終わる予定だったのですが、そ
れだけでは災難にならない(もちろん逆レイプできつい事されるわけですが、それ
でも)ということで、災難に向かってまっしぐらになってしまいました。

 今回は好男さんのためという事もあって逆レイプの場面も詳しく書いたつもりで
すが、すでにマンネリ化してるので、今後別の方面に行く事もあるかもしれません。
 そうなって、皆さんの嗜好から外れていくのは残念ですが、その分ストーリーで
読ませる事を第一に考えていきたいと思ってます。
 今後とも放射朗印をよろしくお願いします。





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