あたし、変態なのかな?


 二

 
 テラス状になっていて遥かに下界を望む見晴らしの良い場所にやってきた。
 何とか理由をつけて中年ハイキング族と別れてから二十分ほど歩いた。
 こんな景色の良いところがあまり知られてないなんて不思議なくらいだ。
 確かにここまで来るには笹の生い茂る急斜面を這うようにして登り、茨の中を通りぬけ
てこないと行けないのだけど、獣道があるから実際にはそんなに大変ではないのだ。
 早速肩のデイパックを下ろして、ハンカチで額の汗をぬぐった。
 季節は春から夏になろうかとしているところだけど、ここは下界と違って少し肌寒いく
らい。汗が冷えてほてった身体に心地よい疲労感を感じる。
 日光が温かくて気持ち良い。雑草の花が岩場の影から所々に覗いている。
 今からあなた達に良いもの見せてあげるわね。

 花といえば植物の性器にあたるのだから、あたしのオナニーにも興味あるかもしれない
し。
 ベルトをはずして、ジーンズのチャックを下ろすと、ふわりとあそこの匂いが登ってき
た。ちょっとすっぱい匂い。パンツもぐっしょりなくらいだから当たり前か。
 汗で湿って脱ぎにくいジーンズを膝まで下ろして、パンツも下げる。
 初めてのころはこの辺でもうドキドキだったけど、何度かやってるうちに野外でお尻を
出すくらいは、ただの事務的な行為って感じで大して興奮しなくなった。
 これからのエッチな行為に対する期待感がじわじわ増してくるだけだ。
 
 汗で湿ったお尻をひんやりとした風が撫でていくたびに、上がっていた体温がりんごの
皮を剥くように剥がされていく。
 四つん這いになってお尻を突き出すあたしは、まるでサカリの付いた雌ネコだ。
 誰に対しても犯してくださいってお尻の穴も丸出しでさらけ出してるんだもの。
 こうして露出されたあたしの大き目のお尻は、向かいの山から見れば丸見えのはずだ。
 そこに誰かがいて、双眼鏡でのぞいていたら、岩棚の上に大きな桃が転がってるように
見えるかもしれない。

 誰かに裸を見られるかもしれない事が、どうしてこんなに興奮を呼ぶんだろう。
 スリルとも違う純粋な発情だ。
 女は受け止める性だから、女が発情するということは妊娠しやすい状態だということだ。
 今もしセックスしたらあたしが妊娠する確率って高いんだろうな。
 ねっとりと糸を引いてるプラグを"前"から取り出す。
 お尻のアナルプラグをさっき前に入れてきたのだった。
 興奮にまかせてやってしまったけど、大丈夫かしら。
 大腸菌が入って炎症を起こすかもしれない。
 そうなったら病院で両足をM字に広げられて一番恥ずかしい場所を先生に覗かれるんだ
ろうな。毛を全部剃ってつるつるの縦筋だから、なおさら恥ずかしい。
 何て思われるんだろう。
 生まれつきの無毛女? それともSMに目覚めてご主人様に調教されてるM女かしら。
 薬を塗るごつい指がアソコの中にねじ込まれるんだ。
 その痛みもまた、変態にとってはいい気持ちなんだけどね。
 とりあえずすぐに消毒しなけりゃね。
 取り出したプラグを袋に入れて、別の袋から新しいそれを取り出す。
 今度のはアナルプラグよりも二回りは大きいシリコン製のコードレスだ。
 デイパックにいつも入れてあるオロナイン軟膏をその先端からサイドまでたっぷり塗っ
てやる。
 オロナインはアナルプレイに欠かせないローション代わりにいつも使ってるのだ。
 潤滑しながら消毒もしてくれるから一石二鳥だし、薬屋さんで手軽に買えるのがいい。
 四つん這いになったあたしは左手でそれを"前"につきたてる。
 電源を入れられた先端部分に、あたしの襞がぶるぶる振るわされて、濡れた溝に大きな
先っぽが入ってきた時には、思わず声が漏れそうなくらいに感じてしまった。
 背中を反らせて、もっと奥までって小声でつぶやく。
 膝が小石に当たって痛いけど、そんなのお構いなしで、まるでレイプされてでもいるか
のように、乱暴なくらいバイブを奥まで突っ込む。
 突き上げられる感じがいい。
 これ以上奥にいけないところまで入れられて、さらに力をこめて犯される。
 こんな事をしてると、誰か、そう在日米軍の兵隊さん五人組なんかが、あたしを見つけ
て丸い目で見下ろしてる。
 そんな場面を想像してあたしはさらに快感の渕に沈んでいくのだ。
 
 兵隊さんは……、そうだな白人が三人に黒人が二人かな。
 外人のあれが馬鹿でかいのは、インターネットで確認済み。
 ほんとにでかいのよね。
 日本人の標準サイズなんかそれに比べれば小指みたいに思えてくるくらいに。
 白人のは大きくてもやわらかいって言うけど、黒人のはさらに固さもすごいってんだか
らたまらないわ。
 なんか中年女のせりふみたいだけど、でも女ってあそこを埋め尽くされるのが快感って
言うか安心感につながるの。
 完全にふたをされてなにも漏れる隙間が無い。
 そのままずっと連結されて、あたしの体が男の体の一部、そうペニスの一部になってし
まう、そんな想像があたしの心臓をきゅんと縮めるの。
 一生懸命大きな口あけても咥えこめそうも無い亀頭をめりめりねじ込まれて、そして黒
人の硬いのをバックからお尻の穴に突っ込まれる。
「痛いよ、許して。そんな大きいの入らないよ」
「なに言ってんだ、けつの穴までガパガパになってるくせに。この淫乱ジャップが」
 あたしの両足首を太い指でつかむと、分厚い唇の黒人が軽々とあたしの体をさかさまに
して宙吊りにする。
 足は大きく広げられて、濡れた割れ目がパックリ開きそう。
 空気が入ってきて冷たい。
「俺に味見させてくれ」
 金色の胸毛をたくさん生やした白人があたしの前に立って股に顔を寄せる。
「匂いがツーンとくるな、こいつまだガキだぜ」
 周りの男たちを見回したあと、彼は最初に内股を舐めてあちこちにキスマークを
つける。
 そうしてあたしをじらせてから、こんこんと湧き水が湧いてる泉の水を吸い取り始める。
「ガキなのにクリトリスだけは一人前だ。でっかいクリちゃんだ」
 舌で皮をむくようにしてあたしの桜ん坊をこねくり回す。
 頭に血が上った状態でさらにそんなことをされたら、多分あたしはあっという間に失神
してしまうわ。
 気が付いても、まだ五人はあたしを許してくれない。
 立った状態で前と後ろからやられて、あたしのつま先は完全に宙に浮く。
 そのまま激しいダンスを踊るように腰をグラインドされるからもうたまらない。
 あたしは二箇所の穴を串刺しにされて、真っ白な男のミルクを満タンになるまで注入さ
れつづけるのだ。
 
 横になって見上げると真っ青な空の中にトンビが数匹浮かんでるのが見えた。
 鋭いくちばしのついた首をきょろきょろしてこっちを見下ろしている。