この話は実話で作者が実際に体験した話です。 |
あれは 何年か前のある 夏の夜の出来事です、
その夜は大変むし暑く なかなか寝付かれずにいました、ちょうど午前2時を少し過ぎた頃、、
1階の台所付近で ”カタ、、カタ、、”と異音しました、この現象は2日前にもあり その翌朝台所では ごみ箱や食器がまるで空中を飛びかった様に散乱していました、しかし犬達のゲージは閉めてあり外に出た様な形跡や泥棒が入った様な形跡は有りませんでした。
私は原因を突き止めるべく 意を決して1階に降りて行きました 私は怪談やお化け系の話は苦手で 恐怖と戦慄を感じながら恐る恐る台所へ近づきました まだ”カタ、、カタ”と異音は続いています、 そして勇気を振り絞り扉を開けました!
するとそこには 何やらえたいの知れない生き物が流し台の前に立ち昨夜の唐揚げに使った油を舐めていました、 ”カタ、、カタ、、ピチヤ、、ピチヤ”まだ舐めています 「誰だ!」と声にならない様な声で叫ぶとその生き物がこちらを振り返りました
その姿は まるで骸骨の様にやせ細り 髪の毛は逆立ち油がしたたり 顔は大きく裂けた牙の有る口と緑色に光る鋭い目、 まさか!!?
化け犬の図
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ルナ? ルナなの?
なんとルナがこっそり抜け出し昨夜の残りの油を全部たいらげていました 400ccぐらいは残っていたのに1滴もありません、 サア! これからが大騒動
「大変や ルナが油 全部飲んでしもた!」「えっ ルナちやん死んじゃうの?」夜中にもかかわらず大パニツク!慌てて かかり付けの獣医さんの携帯にエマージエンシーコール、「大変です ルナが、、、、」
しかし獣医さんは 眠たそうな声で「飲んでしまったものは仕方がない 液体だから吐き出すのは無理です 様子を見るしか方法がないですね それにルナの様体はどうですか 苦しそうですか?」と素気ない答え ふとルナを見ると とても満足そうな顔で舌舐めずり・・・・「はい 様子を見ます 夜中にどううもすいません。」・・・・・
それから2日間は さすがのルナも下痢つづきでした。
しかし何故ルナがゲージから出られたのか?
あとで原因を調べると ルナのある行動が捜査線上に浮かんで来ました、 それは ルナは機嫌が悪い時や叱られた時などに 自分のゲージに閉じこもります しかも他の犬達に覗かれるのが嫌で 前足を使い器用にゲージの扉を閉めてしまうのです、事件前夜も就眠前に予めゲージに入り扉を閉めていたようです いつもは就眠時に犬達をゲージに入れロツクしますがルナは始めから入っていたのでロツクをし忘れていたのです、2日前もこの手口で夜中に抜け出し翌朝にはゲージに戻り扉を閉めてなにくわぬ顔をしていたのです。
ルナは本当に悪知恵の天才です、