ピンチランナー | オフィシャル・ページ |
はっきり言っておもしろいです。 モーニング娘の初の映画主演作品ということで、見たい気持ち半分と、何か嫌な予感が半分で、躊躇していたが、たまたま見た予告編でついに見ることを決めた。 そしてその判断は、完全に正しかった。 まず、モー娘の七人それぞれのキャラクター設定が絶妙である。モー娘それぞれのキャラを生かした、キャラクター設定が、人物を生き生きとしたものにしている。そして、決してうまくはないけれど、体当たりで演じる彼女たちの演技もまた、生き生きとしているのだ。特に傑出しているのは、矢口である。それぞれはまっているキャラの中でも、彼女は特に輝いていた。 私は、個人的には、安倍なつみファンであるが、彼女が出すっぱりであったことだけでも、超満足である。 本物の駅伝を撮影した、駅伝大会のシーンは、あまりにもモー娘ファンたちが多く、映像的にうるさくなってしまい、成功しているとは言い難いが、今まで見たことがなかった緊張感と不思議な映像世界を実現している。 『ビーバップ・ハイスクール』で知られる那須博之監督くは、やはりうまい。単なるアイドル映画にすぎないはずの『ピンチランナー』に、映像的なおもしろみを加味する努力は、全く期待しない意外さをもたらしている。 しょせんアイドル映画では、という変な偏見を持って見たわけだが、『ピンチランナー』は単なるアイドル映画とは一味違う。モー娘はオーラが高いというか、今一番輝いている少女たちなのである。その彼女たちのきらめきが、損なわれることなくフィルムに収められているのだ。 お涙頂戴的シーンが数ヶ所あるが、不覚にも私は三回は涙を流してしまった。これをおもしろいといわずに、何と言おうか。 ただし、『ピンチランナー』を楽しむためには、最低の条件がある。モー娘のメンバー全員の名前を言える程度に、モー娘についての予備的な情報がなければ、本来のキャラと劇中のキャラとの対比ができないため、ちっともおもしろくないかもしれない。 |
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『ピンチランナー』は、『七人の侍』だ 『ピンチランナー』は『七人の侍』をもとにしているのか。たまたま。モー娘は7人であるが、随所に『七人の侍』らしいところがあって、別な楽しみ方をしてしまった。 盗賊に襲われて困っている農村を救うために七人の侍が集まり、戦うのが『七人の侍』である。『ピンチランナー』では、部員一人の廃部寸前の陸上部を救うべく、7人のランナーが集うのである。『七人の侍』は農民たちのために戦うわけだが、『ピンチランナー』では皆が基本的に自分自身のために戦う。自らの心のハードルを乗り越えるために。そして、『七人の侍』では侍一人一人が個性的であったように、『ピンチランナー』もキャラ一人一人が極めて個性的である。侍が一人また一人と増えていくところが、駅伝参加選手が一人また一人と増えていく個所と見事に重なる。七人が協力して一つの目標を達成するカタルシス。やはり『ピンチランナー』は、『七人の侍』だった 昼間だけの上映 その理由 |