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 樺沢紫苑が選ぶ99年ベスト・テン

ファイト・クラブ
スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス
マトリックス
キューブ CUBE
シュリ
スネーク・アイズ
ユー・ガット・メール
シックス・センス
ライフ・イズ・ビューティフル
10 メリーに首ったけ

 99年は、とりあえずベスト・テンを決定できるだけ映画が見れたことがうれしかった。
 話題作ばかり見ていたせいか、おもしろい映画しか見ていないという印象である。

 99年の映画を総括すると、『マトリックス』の批評でも書いたが、「ドラマツルギーの破壊」ということになるだろう。『ファイト・クラブ』『ファントム・メナス』『マトリックス』のいずれもが、従来のドラマツルギーを破壊している。この三作品は、ついて来れる奴にはどびきりおもしろいが、ついていけない奴には、全く何が何だかわからないだろう。娯楽映画がここまで進化してきたとは、驚くべきことである。その点『シックス・センス』は、まだ一般人に、十分わかるように配慮されている。
 『タイタニック』のような超説明映画(全てを段取りを踏んで説明する映画)と、『ファイト・クラブ』『ファントム・メナス』『マトリックス』のような超説明省略映画に二極化されている。後者は、説明を省略しているというか、伏線やセリフの端々でストーリーを説明していくので、注意していないとわかりずらい映画となるが、映画の勢い、ダイナミックさみたいなものが生生と伝わってくる。個人的には、言うまでももないが超説明省略映画の方が好みである。いよいよ俺の時代になってきたか、という感じである。
 なぜ、『ファントム・メナス』より、『ファイト・クラブ』の方が上位かって? それは、一回目を見た時の評価だけで純粋に比べたからです。『ファントム・メナス』は良く出来た映画でありますが、カタルシスがないというの事実でしょう。『ファイト・クラブ』は、ここ数年巻見た映画で最も爽快な映画であった。また、ラストで私が驚かされた数少ない映画の一本でもある。したがって、『ファイト・クラブ』を一位としてみた。
 『キューブ』は、とにかく演出がうまい、ということで無視できない一本である。低予算という意味では、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』が注目されているが、単なる話題先行の『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』と比べると、『キューブ』の方が百倍おもしろく、百倍怖い。ちなみに、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』は、99年のワースト・ワン映画である。

 『スネーク・アイズ』は、惜しい映画だ。でも、デ・パルマらしさが、すごく出ていて、「ああ、久しぶりにデ・パルマらしい映画が見れたな」という感慨を味わう。
 『シュリ』は、一つの衝撃である。韓国映画がここまで来ていたとは。とにかく勢いのある映画だ。  
 『ユー・ガット・メール』は、好きだ。それは、メグ・ライアンが好きで、本屋さんが好きで、メールも好きだから、といってはたわいもないが、メグ・ライアン輝いていた。
 『ライフ・イズ・ビューティフル』は、せつな過ぎる映画だった。
 『メリーに首ったけ』は、ちょっとミーハーだが、今年見たコメディでは一番笑えたという印象です。キャメロン・ディアス最高。
 2000年も、良い映画が見れますように。