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 デザインが語るパルパティンの正体
 「悪魔像が語るパルパティンの正体」のパルバティンとアミダラ王女の会見シーンに、もう一つ重要な見所が隠されていた。
 窓の外に映し出される手すりである(図1、図2)。これと同じデザインの手すりを他のシーンで見ることができる。ダース・シディアスが、ダース・モールに逃亡したアミダラ王女の捜索に、タトゥイーンに向かうよう指令するシーンである(図3)。二人のシス卿は、コルサントの高層ビルが見える通路を歩いているが、その手すりのデザインを良く見てみよう(図4)。パルパティン邸の外に見えていた手すりと全く同じデザインである。
 すなわち、ダース・シディアスとダース・モールは、パルパティン邸の外のバルコニーを歩いていたということか。すなわち、パルパティンとダース・シディアスが同一人物であるという証拠が、こんな些細なデザインに隠されていたのだ。
 ただし、このデザインがパルパティン邸だけに使われている特殊なデザインなのか、あるいはコルサントで非常に一般的なデザインなのかは何とも言えない。コルサントでありふれたデザインであれば、その共通性は全く意味を持たないことになる。
 しかし、スター・ウォーズにおいて、ディテールでいろいろな描写をするというのがの常であることを考えると、このデザインの一致は、偶然のものとは考えにくいのだ。
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 図1 パルパティン邸での
アミダラ王子をとの面会シーン
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図2 図1の手すりのアップ
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図3 ダース・モールに指令を出す
ダース・シディアス
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図4 図3の手すりのアップ

  悪魔像が語るパルパティンの正体

 パルバティンとアミダラ王女の会見シーン。ナブーの侵略に対して元老院の助けを借りたいというアミダラに対して、バローラム最高議長の不信任案を提出するように勧めるパルパティン。トレードフェデレーションの侵攻を食い止める方法をたずねるが、パルパティンは「現実的に判断するなら、ひとまず連合に屈するほかないのでは?」と降伏を勧告する。
 その直後にアミダラの方を振り向くカットが右の写真である。アミダラは「それはできません」と断固とした態度で拒否する。

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図1 悪魔像と一緒に映り込む
パルパティン議員

(スクリーンサイズそのままの画像)

 このパルパティンが振り向くとき、画面の右下に像が映り込む。この像(図2)は一体何か? 耳が大きく、くちばしを持つこの像は、典型的な悪魔の像である。
 パルパティンは、アミダラを利用してバローラム最高議長の不信任案を提出させようとしていた。そして、あわよくばアミダラ女王の降伏を、期待していた。下心ありありのパルパティン。その心の裏側を暗示するのが、この悪魔像である。
 パルパティンの心の闇の映像的表現が、悪魔像の映り込みである。
 この映り込みは、偶然とは考えにくい。ビデオで見直せばわかるが、絶妙な間で、そして画面の右端10分の一に邪魔にならないように、ギリギリに悪魔像が入り込む。
 計算され尽くしたカメラワークと映像構成である。
 スター・ウォーズの世界に悪魔が存在するかどうかはわからないが、邪悪な悪魔像はダークなイメージを喚起する。すなわち、この悪魔像は、パルパティンがシスの暗黒卿ダース・シディアスであることをも暗示しているだろう。

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図2 悪魔像のアップ

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図3 悪魔像(全身)

 

 パルパティンは何を期待するのか

 ナブーに到着したパルパティン議員。それを出迎えるオビ=ワンとアナキン。パルパティンは、アナキンに「将来を期待しているぞ、スカイウォーカー」と言い、肩をぽんとたたく。
 コルサントでも、アナキンとパルパティンは近くにいたことはあったが、直接会話をするのは、このシーンが初めてである。ジェダイ評議会と同じ大型クルーザーでナブーを訪れたパルパティンはジェダイ評議員から、アナキンの噂を聞いていたのか。

 パルパティンとアナキンの初めての接触。映画では、一瞬の出来事として片付けられているが、『エピソード2』『エピソード3』の展開を考えると、この二人の出会いは非常に重要なものであることがわかる。アナキンをダーク・サイドに誘惑するのが、ダース・シディアス(おそらくパルパティン)なのであるから。

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 そこで一つの疑問が生じる。実質的な初めての会話。この瞬間に、パルパティンはアナキンの力量に気付いたのだろうか。アナキンは極めて高いミディクロリアン値を持っている。その潜在的なフォースの強さを、パルパティンは初対面にして気がついたのか、その辺が疑問である。映画を見る分には、単なる社交辞令的に「将来を期待しているぞ」と言ったに過ぎず、アナキンに気をとめる様子もなく、すぐにアナキンのもとを通り過ぎて、アミダラの方へ歩み寄っている。さすがのパルパティンも、ほんの一瞬では、アナキンの力量を見抜けなかったか。
 シナリオには、実はパルパティンとアナキンが会話をするシーンが描かれていない。クルーザーから降りたパルパティンは、最初にアミダラと言葉を交わすのである。シナリオにないにもかかわらず、付け足されたからにはそれなりの重要性があってのことだろう。アナキンとパルパティンが面識があったという事実が、『エピソード2』『エピソード3』で効いてくる可能性がある。
 そして、もう一つ問題となるのは、パルパティンが「将来を期待しているぞ」と言っているが、アナキンのどの将来を期待しているのかということである。この言葉の意味として、ほとんどの人は「君のジェダイ騎士としての将来を期待しているぞ」という意味にとるだろう。そして、裏読みとして「君のダーク・サイドとしての将来を期待しているぞ」という意味を考える人もいるだろう。「将来を期待しているぞ」には、二通りの意味が考えられる。
 しかし、ここに一つ大きな問題が存在している。それは、パルパティンとジェダイ評議会が、ナブーに到着した時点では、アナキンがパダワンとして認められることは、まだ決定されていないからである。


 クワイ=ガンの葬式の前に、ヨーダとオビ=ワンは会う。そこで、ヨーダはアナキンをジェダイとして訓練するのは危険だという。しかし、オビ=ワンはアナキンを彼のパタワンとすることがクワイ=ガンの遺言であると、ヨーダにくらいつく。最終的にヨーダは言う。「(アナキンをオビ=ワンのパタワンとすることを)評議会は賛成した」<字幕>と。しかし、この「評議会は賛成した」という字幕の訳は間違っている。日本語吹き替え版の、「皆はわしが説得しよう」が正しい。

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「評議会は賛成した」(字幕)は誤訳である

 シナリオでは、このヨーダのセリフは"Agree, the Council does."と書かれているが、
 実際には、"Agree with, the Council does."と発音されているように聞こえる(はっきりと聞き取れないので、間違っているかも)。現在形であるが、未来の確実な出来事を示している
  葬式の最中に、オビ=ワンはアナキンに言う。「評議会の許可が下りた」と。ヨーダとオビ=ワンの面会の後に、葬式の前に、臨時のジェダイ評議会がナブーで開かれたということである。つまり、パルパティンがアナキンに「将来を期待しているぞ」と言った時点で、アナキンがパダワンとなることは決まっていなかった。 
 それを理解した上で、パルパティンの「将来を期待しているぞ」というセリフを聞くと、非常に不気味なものを感じる。もし評議会でアナキンのパダワン認定が否決されたのなら、この少年はタトゥイーンに戻されるしかないのである。アナキンに将来などない。パルパティンはアナキンの将来を、ある程度見越していたことになる。少なくともパダワンとして認定される可能性を十分感じていたからこそ、「将来を期待しているぞ」と言ったのであろう。そして、ダブル・ミーニングとして映画的な意味として「(ダース・ヴェイダーとしての)将来を期待しているぞ」という意味にもとれる。
 シナリオにないにもかかわらず、映画の最終段階で追加された、パルパティンとアナキンの会話シーン。「将来を期待しているぞ」には、深い意味が隠されていることは間違いない。

 

敬称が示すパルパティンの異質性
 アミダラ王女は、人々から呼ばれる時に「ユア、ハイネス("Your highness.")」の敬称で呼ばれていた。
 パナカ隊長、シオ・ビブル、アミダラの侍女たちなど、アミダラの側近たちは、「ユア、ハイネス」と呼ぶ。クワイ=ガン、アナキンなどもそうであるアミダラ本人であるパドメが、アミダラの影武者(サーベ)を呼ぶときも、「ユア、ハイネス」である。元老院議会の最高位に位置するパローラム最高議長、そして敵対勢力である通商連合のヌート・ガンレイすら、「ユア、ハイネス」という敬称で呼んでいた。
 しかしただ一人だけ、アミダラ女王を「ユア、ハイネス」と呼ばない人物が『ファントム・メナス』に登場している。それは、パルパティン議員である。
 コルサントに到着したアミダラ女王を空中プラット・ホームで出迎えるパルパティン議員。彼の第一声が「ご無事でお会いできて光栄です、陛下("Your Majesty.")」である。パルパティンは、アミダラ女王を呼ぶときは、常に「ユア、マジェスティ("Your Majesty.")」という言葉を使っているのである。
 では、「ユア、ハイネス」と「ユア、マジェスティ」には、どのような違いがあるのか。「ハイネス」は「殿下」の意味であり皇族一般に用いる言葉である。一方、「マジェスティ」は「陛下」の意味であり、国王、女王に対して用いる。
 例をあげよう。日本の皇族の正式な英語訳名を見てみよう。
 天皇陛下は「His Majesty the Emperor」
 皇后陛下は「Her Majesty the Empress」
 皇太子殿下 は「His Imperial Highness the Crown Prince」
 秋篠宮殿下は「His Imperial Highness Prince Akishino」である。
 「マジェスティ」は「陛下」であり、「ハイネス」は「殿下」の訳が当てられている。そして、マジェスティが使われるのは「天皇」と「皇后」など最高位の者であることがわかる。
 ここで、スター・ウォーズに戻ろう。アミダラ女王は一般に「ハイネス」で呼ばれていた。これがまず、おかしい。女王であるから本来であれば「マジェスティ」を使うはずなのである。
 ナブーは民主国家であり、アミダラは選挙でばれた。その辺の事情から、最上級である「マジェスティ」が使われておらず、あくまでも「ハイネス」にとどめているのか。しかし、ナブー国民である、バナカ、侍女、シオ・ビブルがだけが、「ハイネス」を使うのならわかるが、アミダラ女王と初対面のクワイ=ガンや敵対勢力のヌート・ガンレイまでもが、「ハイネス」という言葉を使っている。ひょっとすると、共和制時代の当時の世界には「マジェスティ」という言葉は使わないならわしになっているのではないだろうか。なぜなら、共和制という民主主義で成立している銀河において、真に最高位である「陛下」は存在しないからである。ちなみに、旧三部作においてレイア姫は「ハイネス」の敬称で呼ばれていた。
 しかし、帝国軍の時代は共和制の時代と違う。帝国軍の皇帝パルパティンは、「マジェスティ」の敬称がふさわしい存在なのである。
 パルパティンがアミダラ女王を「マジェスティ」と呼んだとき、既にパルパティンには銀河の頂点に立とうという野望を抱いていたはずだ。つまり、自分が「マジェスティ」と呼ばれる存在になりたいという野望である。パルパティンのはやる気持ちが、「ハイネス」と「マジェスティ」の違いをあいまいにし、つい「マジェスティ」という言葉が口から出てしまったのだろうか。
 「ハイネス」と「マジェスティ」に注意して、『ファントム・メナス』を見なしていただきたい。パルパティンだけが「マジェスティ」という言葉を使っていることが、明らかに異質であることがわかる。たまたまシナリオで書き間違えたということではなく、ルーカスは意図的にパルパティンだけに「マジェスティ」という言葉を言わせているのである。その真意は、何だったのだろうか。
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 ただ一人「マジェスティ」の敬称を使う男

 

ジェダイ評議員がナブーに集結した理由
 ジェダイ評議会のメンバーのほとんどが、ナブーに集まった。なぜ、ヨーダやメイス・ウィンドゥをはじめとする有力なジェダイが、辺境惑星の一つにすぎないナブーに集まったのか。
 彼らはナブーの平和回復を祝福するためのパレードに出席するために戻ってきたわけではない。彼らは、クワイ=ガンの葬式に参列するために集結した。ジェダイ騎士は全銀河に1万人以上いる。危険なミッションに失敗して命を落とすジェダイ騎士も、時々いるであろう。ジェダイ騎士の死亡のたびに、ジェダイ評議会のメンバーが葬式に参列していては、身体がいくつあっても足りないだろう。
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 ナブーに集まった評議員
 
彼らは何をしにナブーに来たのか
 ジェダイ評議員のほとんどが葬式に参列したということは、クワイ=ガンが非常に重要なジェダイ騎士であったことを意味する。クワイ=ガンは、ジェダイ評議員に選ばれてもおかしくないほどのジェダイであり、実際評議員には選ばれなかったものの、彼のジェダイとしての資質を十分評価していたからこそ、葬式のためにわざわざコルサントから駆けつけたのである。この葬式のシーンは、クワイ=ガンの偉大さを改めて印象付けるものであった。
 他にも、評議員がナブーでしたことがある。それは、アナキンをジェダイするかどうかの最終決断である。小説では「ジェダイ評議員たちは、葬儀のために、そしてアナキンと再び話すためにナブーを訪れた」と書かれている。小説では、アナキンがジェダイ騎士にするべきかの最終判断をするために評議員が再度アナキンの面接をし、その結果を受けて、アナキンをジェダイ騎士とすることを決定するのである。これは、シナリオ初期稿の影響であろう。初期稿では、ナブーで行われた評議会によって、アナキンのジェダイ入りが決定され、パダワンの認定儀式が行われたことになっている。
 しかしながら。劇中のヨーダのセリフは、ヨーダがアナキンをパダワンとするよう説得するという内容であり、この時点でアナキンのパダワン入りの決定はなされていない。従って、評議員によるアナキンの面接も行われていなかった、と理解される。
 評議員たちが行った、もう一つの仕事として、シス卿の実況検分をするという意味もあったかもしれない。シスの暗黒卿の復活は、ジェダイ評議会にとって大事件であった。その戦場となった場所を検分することは、重要な意味を持つ。葬式の中での、ヨーダとメイス・ウィンドゥの会話で、メイスは「間違いありません。謎の男はシスでした。」と結論付けている。これは、メイスが、オビ=ワンから直接。ダース・モールについての詳細な情報を聞き、このような結論に達したと考えられる。

 従って、ヨーダとオビ=ワンの面会の後に、ジェダイ評議会がナブーで開かれ、その場でアナキンをオビ=ワンのパダワンとするかどうかの決議、そしてオビ=ワンからシス卿についての情報収集が行われたと考えられる。

 
シス・インフィルトレーターはどこに?
 ダース・モールの遺体は、溶解炉の中に落ちてしまい、物的証拠は何一つ残らなかった。ジェダイ評議員がナブーに来た理由の一つは、シス卿の検分をするためであったが、彼らは何一つ物的証拠を見出せなかったのか。
 いや、待て。一つだけ物的証拠が残されていたはずである。ダース・モールは、ナブーにどうやって来たか。おそらく、タトゥイーンに来たとき時と同じように、シス・インフィルトレーターで来たであろう。その、シス・インフィルトレーターは、一体どこへ行ったか。
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 ダース・モールが到着したときは、ナブーの宮殿は通商連合の制圧下にあったので、宮殿内のハンガーのどこかにとめられていたはずである。残されていた、シス・インフィルトレーターから、はたして評議員たちは重要な証拠を見つけ出すことが出来たか。多分、何も見つからなかったのだろうが。

ナブーに来なかった評議員
 ジェダイ評議員の大部分が、ナブーに集結した。しかし、評議会のメンバーの全員が集まったわけではなさそうだ。宇宙船から降りてくるシーン、葬式のシーン、パレードで整列しているシーンの三箇所で、評議員たちを見ることができるが、何人かの評議員の姿が見当たらない。ヤドル、ヤレアル・プーフ、オポー・ランシスの三人である。おそらく、ナブーに来なかったということであろう。
 では、なぜ彼らはナブーに来なかったのか。何らかの重要な任務があり、コルサントを離れることができなかったのか。
 裏話的になるが、彼らがナブーに来て、パレードに参列することは難しかった。ヤレアル・プーフはCGキャラであり、ヤドルはアニマトロクス(ロボット操作)、そしてオポー・ランシスは、メイクがでかすぎて歩行困難だからである。もちろん、ヨーダもアニマトロクスのキャラだが、ヨーダとヤドルを並べて、同時に二体のアニマトロクス・キャラを操作することは、相当の手間が必要とされた。
 この三人の評議員をナブーに登場させることは、ILMの技術をすれば不可能ではなかったが、相当の手間のいる作業になっただろう。さすがのILMも手抜きをしたということか。
 

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ナブーに集結した
ジェダイ評議員

12人のうち9人がナブーに集まった

 ナブーで見られなかった評議員たち
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ヤドル
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ヤレアル・プーフ
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オポー・ランシシス

 

ジェダイ評議員のネーミングの秘密
 オポー・ランシシス、デパ・ビラバなど奇妙な名前を持つジェダイ評議員の面々。彼らの名前の由来は、どこからきているのか? オポー・ランシシスはルーカスの師匠にあたるフランシス・コッポラと何となく響きが似ている。そう思い、Oppo Rancisisの綴りと、Francis Coppolaの綴りを見比べてみる。Francis Coppolaに含まれる文字を並べ替えると、Oppo Rancisisという名前が浮かび上がる。アルファベットの並び替え、すなわアナグラムであることがわかる。
 ジェダイ評議員の名前が、ルーカスの親交のある映画監督の名前のアナグラムであるという仮説をたてて、各評議員の名前を調べてみる。そうすると、デパ・ビラバ(Depa Billaba)は、ブライアン・デ・パルマ(Braian De Palma)。サシー・ティン(Saesee tiin)は、マーティン・スコセッシ(Martin Scorsese)、イーブン・ピープルはスティーブン・スピルバーグ(Steven Spielberg)のアナグラムになってた。その一致率は100%である。
 キ=アディ=ムンディ(Ki-adi-Mundi)はわかりずらいが、『ジェダイの復讐』の監督リチャード・マーカンド(Richard Marquand)であろう。その一致率は15文字中14文字で93%に留まった。唯一、「k」だけが当てはまらないが、「k」を「q」(同じ「ク」の発音)とみなせば、100%の一致率となる。

 一方、クワイ=ガン(Qui-Gon )はドン・キホーテ(Don Quixote)のアナラグラムではないかという説がある(「エピソード1 スクリーンプレイ」、ソニー・マガジンズ、「解説」欄に書かれている)。これは一致率では、5/6で83%である。この説に対して、ルーカスは「『ファントム・メナス』ではアナグラムは一切使っていない」とコメントしている。
 しかし、ジェダイ評議委員の4人の名前は、ルーカスと親交のあつい映画監督のアナグラムとして100%の一致率である。「アナグラムは一切使っていない」というのは、どうみても誤りである。

 「メイキング・オブ・エビソード1 ファントム・メナス」(ソニー・マガジンズ)P75-76には、ジェダイ評議委員の名前は美術部のクリーチャー・デザイン・イフェクツ・スーパーバイザーのニック・ダッドマンたちが中心になってつけたと書かれている。もちろん、アナグラムによって命名した事実は一切かかれていないが、プロ・クーン(Plo Koon)は、ニック・ダッドマンの息子の呼び名「Plon koon」に起因することが書かれている。ルーカスとダッドマンは相談して名前を決めており、映画監督のアナグラムについても当然ルーカスは知っているはずであるが・・・。
 
 他の、評議員に関して。ヨーダは日本の映画脚本家「依田義賢」をモデルにしているという説が濃厚である。しかし、これに関しても、ルーカスはインタビューで否定している(インタビューで否定したからといって、本当にそうでないとはいえないのは、上記の通り)。メイス・ウィンドゥは『新しき希望』の初期稿に登場する名前である。もともと、主役の名前、すなわちルーク・スカイウォーカーのキャラクターとして書かれていた。
 他の評議員、アデイ・ガリア、ヤドル、イース・コス、ヤレアル・フープについての語源は不明である。しかし、映画監督かルーカスの周囲の人物のアナグラムである可能性は高い。
 ここで、読者諸君の知恵を拝借したい。
 この四名の評議員が、誰のアナグラムであるかわかった人は、是非編集部まで連絡して欲しい(kzion@geocities.co.jp)。特に景品はないが、第一発見者としての栄誉とともに、このホームページ上に名前を掲載したい(もちろん、匿名、ハンドルネーム可)。さあ、一緒に考えてみよう。
 ただ見るだけではない。いろいろと考えてみる。それが、スター・ウォーズの楽しさである。

        一致率
Yoda ヨーダ 依田義賢   4/4 (100%)
Mace Windu メイス・ウィンドゥ 昔から命名されている    
Oppo Rancisis オポー・ランシシス フランシス・コッポラ Francis Coppola 12/12  (100%)
Depa Billaba デパ・ビラバ ブライアン・デ・パルマ Braian De Palma 11/11  (100%)
Saesee tiin サシー・ティン マーティン・スコセッシ Martin Scorsese 9/9  (100%)
Even Piell イーブン・ピール スティーブン・スピルバーグ Steven Spielberg 9/9  (100%)
Ki-adi-Mundi キ=アディ=ムンディ リチャード・マーカンド Richard Marquand 14/15  (93%)
Plo Koon プロ・クーン ニック・ダッドマンの子供の呼び名    
Adi Gallia アデイ・ガリア 不明    
Yaddle ヤドル 不明    
Eeth Koth イース・コス 不明    
Yarael Poof ヤレアル・フープ 不明