エイリアン編


 スター・ウォーズには、多くの見所がありますが、その中でもエイリアンは大きな見所の一つでしょう。スター・ウォーズには、多種多様な宇宙生物が登場し、中にはチューバッカやジャバ・ザ・ハット、ウーキー族のように、重要な役割を担っているものから、一瞬、ほんの一秒しか登場しないエイリアンまで様々です。そして、それらのエイリアンには、詳細な設定があり、スター・ウォーズの世界を奥深いものにしています。
 スター・ウォーズのエイリアンは、百種類以上が登場していますが、ここではその中でも登場頻度の多いもの、ストーリーに関係する代表的なエイリアンを紹介します。
 なおここでは、「エイリアン」という言葉は、ヒト(ヒューマノイド)以外の、種々な生物の総称として用いています。


 [解説]では、スター・ウォーズ・オフィシャル・ホームページの用語解説、「creature」と「alien」のコーナーを主に参考にしてまとめました。
 [ストーリー] では、各エイリアンの登場作品名と、登場箇所を記載し、ストーリーの流れの中での役割、意味について記載しました。個体名(個人の名前)が特定されているキャラクターについては、その名前も挙げて、簡単な説明を加えました。
 [コラム]では、各エイリアンについての若干のコメントと考察について書き加えた。また、ウター・ウォーズの中での、そのエイリアンの意味やテーマとの兼ね合いについても言及しました。
 生息地は、映画内で主に観察された場所です。スピンオフの設定とは、異なる場合があります。

惑星タトゥイーン
ジャワ
[Jawa]

生息地:タトゥイーン

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町で生活するジャワもいる

[解説] 
 狡猾だが悪臭を放つ砂漠のゴミ処理屋。げっ歯類のような生物で、タトゥイーン原産である。身長は約1mで、常に自分たちの言葉を発しつづけている。ジャワは、集団で生活する。
 タトゥイーンのさすような二重太陽の日差しから身を守るために、粗末で目の粗いフード付きの衣に全身を包み、彼らの輝く目だけしか見ることができない。
 移ジャワは巨大なキャタピラを持つ乗り物サンドクローラーに乗って移動する。サンドクローラーは動手段そして生活の場所である。サンドクローラーの中には、何十人ものジャワと、多数のドロイド、機械類が積まれている。ジャワはそれらのドロイドや機械を拾い集め、リサイクルしてタトゥイーンの水分農場などで売って生計を立てている。毎年一回、嵐の季節の前に、ジャワたちはデューン・シーの大きな池まで旅をする。その待ち合わせ場所で、情報や回収した品々の交換会が大々的に行われる。

[ストーリー] 
 『新しき希望』 砂漠の惑星タトゥイーンに不時着したC-3POとR2-D2は、砂漠でクズ鉄回収をするジャワに拾われます。そして、ボッチェの語の通訳ドロイドを探していたオーエン叔父さんのもとに売却され、そこでC-3POとR2-D2は、ルーク・スカイウォーカーと出会います。

[コラム]
 組織化された素早い団体行動をとること。機械の修理を得意としていることから、ジャワの知性はその外観とは異なり高いものと推測されます。
 スター・ウォーズでは、「臭い」に関する描写が、しばしば登場します(『帝国の逆襲』のトーン・トーンの内臓。『ファントム・メナス』のイオピーのおなら)。ドロイドであるC-3POが、ジャワの近くを、とても臭そうにしているのが印象的です。ドロイドにも嗅覚があるのでしょうか。

サンド・ピープル
[Sand people]
別名タスケン・レイダー
[Tusken Raider]

生息地:タトゥイーン

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[解説]
 放浪生活を送る凶暴な種属。惑星タトゥイーンにすむサンド・ピープルの性格は、その厳しい砂漠の環境と同様に、荒々しくどう猛である。タスケン・レイダー(牙を持つ襲撃者)として知られるように、その外見は(襲撃者として)必要な威圧的雰囲気を与える。薄でのローブと帯状の布に頭から足の先まで包まれ、顔は呼吸マスクと目を保護するためのゴーグルで覆われている。盗賊であるタスケン・レイダーの恫喝的な顔つきは、彼らの武器と同様に、人々を恐怖に陥れる。
 サンド・ピープルは、砂糖水で簡単に酔っ払う。青年期のサンド・ピープルは最も危険な存在である。なぜなら、彼らは大人になるために、クライト・ドラゴンを捕獲するといった宗教的通過儀礼を生き残らなければいけないからだ。タスケンの言葉に文字は存在しないので、タスケンの社会では、歴史の語り部が最も尊敬される。タスケン・レイダーの集団は、20から30人の集団で行動し、年に一度、ユンド・ランド荒野の一画にある昔ながらのニードルズの野営地へ帰って、危険な砂嵐のシーズンを過ぎるのを待つ。
 サンド・ピープルは、彼らの乗り物であるバンサと非常に象徴的な共生関係にある。 サンド・ピープルは、飼っていた自分のバンサを失うと不完全な存在とみなされ、彼らの集団から追放される。同様に飼い主のレイダーが死ぬとバンサは自滅的ともいえる狂乱状態に陥り、そのバンサは砂漠に放た、生きるも死ぬもバンサ次第となる。
 タスケンは、水分農夫たちと簡単ではない、そしてしばしば中断される平和関係の中で生活している。彼らはことあるごとに、ガダフィ(または「ガッフィ」)という、両刃の斧がついた、あるいは古いライフルがついた伝統的な武器を使って、集落を襲う。襲撃の対象は個人、または古物回収中のジャワたちのような砂漠をうろついていいる小集団である。
 
[ストーリー]
 

 『新しき希望』 タスケン・レイダーがルークたちを襲撃するシーンで登場します。ルークを倒し、ランドスピーダーを物色しているタスケンは、一斉に立ち去ります。それはオビ=ワンが、彼らにとって恐怖する存在であるクライト・ドラゴンの泣き真似をしたからです。
 『ファントム・メナス』 ポッド・レースのシーンで、レース中のポッドを狙撃し、妨害しようとします。タスケン・レイダーの勝利の高笑いも、『新しき希望』の高笑いと同じです。

[コラム]
 タスケンの武器であるカダフィには、いろいろなタイプがあります。タスケンたちがルークのランドスビーダーを物色するシーンを、注意深く見てみましょう。

バンサ
[Bantha]


生息地:タトゥイーン
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ポッド・レース場のバンサ

[解説] 巨大な四本足の動物で、通常荷物の運搬などに用いられる。がっしりとした計体型で、ねじれた角を持つバンサの姿は、印象深い。タトゥイーンを初めとしていくつもの惑星での、種々の天候に適応する能力を持っているが、この生物の原産惑星は未だ謎に包まれている。バンサは草食動物で、タトゥイーンでは生き残るために惑星表面にまばらにしか生えない植物、すなわちくぼみに隠れたり、丁度砂の下に生えているような植物を摂取しなくてはいけない。バンサはその大きな体格のため、体内に大量に蓄積することができ、食物や水分を一ヶ月摂取しなくても、生きのびることができる。
 バンサは通常ゆっくりとした速度で移動するが、必要が生じた場合は驚くほどの速さで走ることができる。バンサの危険なスタンピード(暴走)は、全銀河で有名な話である。バンサは一旦、飼いならされると、その主人との交流を糧として成長していく。例えばタトゥイーンのサンド・ピープルが自分のバンサに特別な絆を感じるように、バンサの飼い主はバンサに対して、しばしば特別な感情を抱く。バンサの肉は食用として、毛皮は衣料品として用いられる。その曲がった角の骨は、道具、装飾品、玩具として用いられる。タトゥイーンのような不毛な土地では、無駄は許されない。

[ストーリー]
 
 『新しき希望』 タスケン・レイダーがルークたちを襲撃するシーンで、タスケン・レイダーの乗り物として登場しています。タスケン・レイダーが乗用として使用している生物が、バンサです。
 オビワン宅を訪れたルークはその帰り道、襲撃されたジャワを発見します。その時に、現場から二股のバンサの足跡を発見し、タスケン・レイダーの仕業であると言います。しかし、オビワンはタスケン・レイダーは、。自分たちの数を隠すために常に、一列でバンサに乗っているのが、そうではないと指摘し、ストームトルパーの偽装工作であると見破ります。ストームトルパーは、タスケンレイダーの習性までは知らなかったというものです。ちょっとしたシーンですが、スター・ウォーズの設定の奥深さを示すシーンです。
 『ファントム・メナス』 モス・エスパの町の中で歩いているのが見られます。また、ポッド・レースの場内で、大きなポッドを引っ張っているバンサが見られます。

[コラム]
 厚さと日差しが厳しい砂漠の惑星タトゥイーンでは、バンサは非常に貴重な乗り物として重宝しています。機械が発達したスター・ウォーズの世界で、なぜバンサやデューバックのような動物が重宝されるのでしょうか? またスター・ウォーズの世界では、スピーダーなどの乗り物は、非常に高額なものとして取引されています。機械には故障がともないますが、少なくとも動物は故障しません。
 そして、スター・ウォーズの重要なテーマの一つが「共生」です。タスケン・レイイダーにとってはバンサが、サンド・トルーパーにとってはデューバックが、グンガン族にとってはイオピーが重要な乗り物として登場しています。動物と人間の協力、共生関係は、スター・ウォーズの中で繰り返し登場しています。
 
デューバック
[Dewback]

生息地:タトゥイーン
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[解説]
 デューバックは惑星タトゥイーン原産の、大な四本足の爬虫類で、しばしば厳しい荒地で観察される。デューバックは不毛の地においても、何とか生き延びる手段を見つけ出す。例えば、力強い四本足で、岩をひっくり返して、そこに生えている、とても食べられないような苔をはがして食べたりする。しかし、一度飼いならされると、一匹でも生きていくことができるようになる。デューバックは外敵をほとんど怖れないために、ほとんどのデューバックは長生きする。典型的な寿命は、数十年に及ぶ。
 デューバックは極端な高熱や、タトゥイーンでしばしば起きる砂嵐にも耐えられるため、多くの機械の乗り物よりもよっぽど信頼が置かれている。実際水分農夫は、荷物運搬用の動物としてデューバックを使用し、近隣の権力者やギャングの子分は、近、中距離用のパトロールに使用している。

[ストーリー] 
『新しき希望』 タトゥイーンに逃げたC-3POとR2-D2を捜索するさい、サンド・トルーパーがデューバックに乗っている。
 モス・アイズリー市街でも、デューバックは認められた。

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『ファントム・メナス』
群生するデューバック

『ファントム・メナス』 タトゥイーンに不時着したロイヤル・スターシップの横に、デューバックが群生するワンカットがあります。自然に棲息するデューバックでしょうか。非常に美しいカットです。ただ、『新しき希望』でトルーパーが乗っていた生物であるということを知らないで、このシーンを見ても、感動はないでしょう。 
[コラム]
 タトゥイーンの水分農場の農夫がモイスチャーバポレーター(水分凝結器)の見回りに使っていたので、パトロール・デューバック(デューバックは露戻しという意味)という名前がついたと考えられる。 

 

ローディアン
[Rodian]

出身惑星 ローディア

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グリード

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 ドーダ
ジャバ宮殿内の

バンドのメンバー

[解説]
 惑星ローディア出身の緑色の肌を持つエイリアン。

[ストーリー] 
『新しき希望』 グリード カンティーナでハン・ソロの命を狙おうとするが、逆に返り討ちにあう。
『新しき希望』 カンティーナの酒場にもう一体ローディアン(スークー、またはツーク: Thuku)が確認できるほか、モス・アイズリー市街でも見られる。
『ジェダイの復讐』 グリアータ ジャバの宮殿内にいたダンサー。
『ジェダイの復讐』 ドーダ ジャバの宮殿内で、楽器を演奏している。
『ファントム・メナス』 ウォルド アナキン・スカイウォーカーの遊び友達。
『ファントム・メナス』 その他、モス・エスパ市街、ポッド・レース場の観客など、随所に登場している。

[コラム]
 
惑星ローディア出身のローディアンが、惑星タトゥイーンで、非常に多く見られるのは、タトゥイーンの入植の初期に、ヒューマノイドとローディアンが多く入植したという設定のためであろう。
 『ファントム・メナス』のシナリオには、ポッド・レースに優勝したアナキンが、「ズルをした」といちゃもんをつけたクリードを殴るシーンがあり、実際に撮影されだか、本編ではカットされた。
 今後、『エピソード2』『エピソード3』で、またグリードが登場する可能性がありうるかもしれない。

 

サーラック
[Sarlacc]
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[解説] 
 針のように鋭い歯と大きな口を持つ雑食の多数の触手を持つ生物で、惑星タトゥイーンのデューン・シーンの荒野にあるカークーンの大穴と呼ばれる深い砂の穴の底に棲む。
 獲物を待ち受けるサーラックの大口は、ほぼ開口した状態で2.5メートル以上ある。鋭い尖った歯が三列に並び、獲物を内側に捕獲いるために、歯は全て内側に向いている。不運な犠牲者をその触手で捕えて、粘液におおわれた口に引きずり込む。
 その消化液が食物を完全に消化するのには1000年以上かかり、犠牲者はサーラックの体内でゆっくりと苦痛を味わいながら死ぬと、もっぱらの噂になっている。 
 暗闇のジャバ・ザ・ハットは、しばしば敵を始末するのにサーラックを使う。

[ストーリー] 
『ジェダイの復讐』 ジャバ・ザ・ハットに捕らわれた、ルーク、ハン・ソロ、チューバッカの三人は、サーラックにいるカークーンの大穴に突き落とされそうになる。ランド・カルリシアンの助けもあり、危機一髪のところを逃れ、レーアはジャバ・ザ・ハットを殺す。しかし戦闘のさなか、バウンティ・ハンターのボバ・フェットは、突き落とされてサーラックの大口に呑み込まれる。

[コラム]
 ボバ・フェットは、サーラックの大口に呑み込まれるが、ボバ・フェットはそれで死んでしまったのか?
 オフィシャル・ホーム・ページのボバ・フェットの項目を見ると、「サーラックの口に落ちる。」と書いてあるが、それで死んだとは書いていない。のみならざ、「Or is he?」と書かれている。これは、「Or is he alive?」の略であろう。すなわち、「ひょっしとて、彼は生きているかもしれない。」という意味になるだろう。
 ルーカス・フィルムの公式見解としては、サーラックにバボ・フェットは落ちたが、死んだかどうかはまでは不明であるということだ。ボバ・フェットのファンの方は、このシーンを見て、必ずしも落胆しなくても良いだろう。
 スピンオフ小説の世界では、ボバ・フェットはサーラックから脱出し、その後も数々の戦いを行っている。ボバ・フェットは後に、「サーラックも俺を消化かできないと思ったらしい」と、うそぶいたようだ。