放送を語る会

2008年11月20日

NHK経営委員候補者の推薦と「賛同者名簿」の提出にあたって

開かれたNHK経営委員会をめざす会(世話人代表:松田浩 桂敬一 野中章弘)
参加団体:NHK問題京都連絡会 NHK問題を考える会(兵庫)
NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
日本ジャーナリスト会議  放送を語る会 NHK問題大阪連絡会

 ○○議員におかれましては、日夜、国政にご精励のことと深く敬意を表します。
 私たち「開かれたNHK経営委員会をめざす会」は、4名のNHK経営委員が任期満了を迎えるのに伴い、さきに内閣総理大臣に対して視聴者主権のNHKをめざす立場からNHK経営委員の公募・推薦制と古森重隆氏の不再任を求め、また独自候補として桂敬一さん(マスコミ研究者、元東大教授)と湯山哲守さん(NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ共同代表・元京都大学人間環境学研究科専任講師)のお二人を、経営委員として推薦申し上げました。ここに賛同者の名簿を添えて、国会での慎重審議をお願いするものです。
 公共放送NHKが言論・報道機関として民主主義社会に果たす役割を考えるとき、私たちはその最高意思決定機関である経営委員会メンバーの選出手続きに、重大な関心を持たざるを得ません。求められるのは、選出プロセスにおける公開性と視聴者参加性であり、選出基準の明確化です。私たちは、その選出基準を、公共放送のジャーナリズム機能と文化的役割について高い見識を持ち、権力からの自主・自立を貫ける人物かどうかに置くべきだと考えます。

 伝えられるところによれば、政府は再任の2名(多賀谷一照、篠崎悦子両委員)などのほか、新たに前田晃伸・みずほフィナンシャルグループ社長と桑野和泉・湯布院温泉「玉の湯」社長を経営委員候補に指名し、衆参両院の同意を求める方針といいます。私たちは特定の経営委員ポストを財界人の指定席とするこうした視聴者不在の委員選考のあり方に強く反対します。
 今回の申入れの賛同者に、川口幹夫・元NHK会長をはじめ清水英夫、奥平康弘、石村善治、原寿雄の各氏ら日本を代表する憲法・言論法学者やマスコミ研究者、ジャーナリストが数多く名を連ねている事実は、とりもなおさず公共放送の経営委員選定をめぐって、日本でも先進諸外国なみに視聴者参加や民意反映の仕組みが工夫されるべき時機にきていることを物語ってはいないでしょうか。公募・推薦制を求める申入れに、1万1千筆を超える賛同署名が寄せられている事実にも注意を喚起したいと思います。

 国会におきましては、私たちの推薦候補を含めて経営委員選定のあり方に十分論議を尽くし、「自主・自立の砦」であるべき経営委員会の担い手に真にふさわしい委員を選任されることを強く期待するものです。