補足
・先頭車の屋根からものすごい熱が排出されていたのは? MLX01の車内電源は「誘導集電装置」という、地上コイルの高調波磁界を利用して、非接触で電力を取り入れる装置が搭載されているが、実験車両だし、何が起こっても不思議じゃないし、念の為かも知れないけど、 「ガスタービン発電機」を搭載いしている車両があるとの事。Mc2からの排熱は、これだったのだろう。 近くで聞いたら「ヒュンヒュン」って音が聞こえたのかなぁ(笑)
・ 「磁気浮上方式」について 俗に「磁気浮上式」っていうのにもいろいろなやり方がある。 MAGLEVは「反発式」。反発式は約10cm浮上する事が可能で、軌道の勾配とかにも柔軟に対応できる。 別の方法で「吸引式」がある。レールの下にもぐりこんだように設置されている電磁石でレールに吸い付く力で車体を浮かせる。 約1cm程度浮上する。 この2つの方式、大きく違うのは「吸引式は最初から浮いている」点。 代表的なのが、ドイツが開発した「トランスラピッド」。 2003/12に開業した「上海リニア」は、磁気浮上式鉄道(高速タイプ)として世界初の営業運行を開始したが、その方式はトランスラピッドだ。430km/h運転は一度乗ってみたい。 ・ 「HSST」について トランスラピッド技術を元に「日本航空」が開発したのが「HSST」。High Speed Surface Transport. 東京と成田を結ぶ高速鉄道を航空会社が企画したのだ。 最初から磁力で浮いているので、HSSTは1人の大人の力で余裕で動く。 実験車両「HSST-01」の場合、ゆっくり歩く速度で押しただけで、約30m進んだ(と記憶している)。 1985年に開催された「つくば万博」では、HSST-03がお客さんを乗せて走ったそうだ。 で、今はなぜか愛知県岡崎市の公園に保存されてるとか。 その後HSSTは開発拠点を愛知に移し、名古屋鉄道の築港支線(昔は東名古屋港線)に沿って実験線が作られたそうだ。 この頃、日本航空はHSST開発を「中部HSST開発」へ譲渡し、手を引いた。 この実験線は東名古屋港駅-名鉄大江駅間約1.5kmに急勾配(70‰)や曲線区間(R25m)とかを設定、山梨実験線同様、試乗会が開催されていたようだ。 2005年に開催された「愛知万博」に合わせて、愛知高速交通株式会社 により「東部丘陵線『リニモ』」が開業。 日本初の本格的営業運行が開始された。このリニモこそ、HSSTである。 どうやら愛知は、磁気浮上式鉄道に縁があるようだ。 リニモ開業により、大江実験線はその役目を終え、既に撤去されてしまったようだ。 ところで、リニモを作った「中部エイチ・エス・エス・ティ開発株式会社」のホームページには不思議な言葉が書かれている。 「常電導磁気浮上システム」って、何?すげー紛らわしいんですけど。 簡単に言ってしまえば、「超電導」じゃない、「超電導」じゃなくてもいい、って感じ? 超電導より安価に導入、運用コストが安い、らしい。 そういえば、私が高校生の頃、東名古屋港線で企画された旧型電車と旧型電気機関車となぜか貨車の混合列車撮影会ってのに行ったの思い出した。いわゆる工業地帯だった。 ・リニアモーターカーについて 多分、ほとんどの人が「間違った知識」を持ってると思う。 リニアモーターカーは「浮いて走る速い車両」・・・ではありません。 正解は「リニアモーターで走る車両」です。そのままですが・・・。 浮いて走るのは、磁気などの力を利用した「磁気浮上式鉄道」であり、その推進にリニアモーターが使用される事が多い、という事。 MAGLEVも、トランスラピッドも、HSSTも、リニアモーターで推進する、磁気浮上式鉄道だ。 1972年に超電導磁気浮上リニアインダクションモーター推進実験車「ML100」による浮上走行に成功した時、 「リニアモーターカー」として報道され、以来 「磁気浮上式鉄道=リニアモーターカー」となったのだろう。 じゃ、浮上しない鉄道は・・・あります。 従来の車輪式鉄道でリニアモーターで推進する、代表的路線は、都営地下鉄「大江戸線」。この車両はリニアモーターカーだ。 つまり、必ずしも「速い」わけではない。 逆に、磁気浮上式でありながら、リニアモーター以外で推進すれば、リニアモーターカーじゃない。 例えば、ジェットエンジンとか、ロケットの噴射で推進したら、「ジェットカー」とか「ロケットカー」と呼ばれるだろう(かな?)。 |
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