ブラッシングの方法を、このページで何とか皆さんにお伝えしたいと思います。ブラッシング指導は、皆さんも歯科医院で受けられたことがおありだと思いますが、もし患者さんにブラッシング指導を一度もしないような歯科医院があったとしたら、それは「是非また病気をつくって、いらっしゃいね!」と患者さんに言っているのと同じだと、私は思います。 

全 体 図

@

骨と歯茎の

健康な状態

A

歯茎が腫れ、

歯周ポケット(仮性)が

でき始めた状態

B

骨までが溶け始め、

真性ポケットのできた状態

 さて、上の図の右3枚は左図内部分の拡大図で、歯周病の進行過程を示しています。@は健康な状態ですが、A一旦歯ぐきが腫れると歯と歯ぐきとの間にポケットというものができ始め、Bこれを放置すれば骨まで溶け始めて雪だるま式に状態は悪くなってゆき、歯が揺れ始め、最後には抜け落ちることになるのです。

 一度腫れさせると厄介な歯ぐきですが、健康な状態さえ常に保っていれば何の問題もないのです。そして正しいブラッシング法であれば、少々強いブラッシング圧をかけても痛くも痒くもなく、もちろん出血なども全く伴わない・・・それが健康な歯ぐきというものなのです。

 さて、そのブラッシング法ですが・・・これには、皆さんよくご存知の「ローリング法」などというものに始まり、いくつもの方法があります。しかし、ここではそのようなブラッシング法の分類的なことは書きせん。なぜなら、私共の診療室では患者さんお一人お一人のお口の状態に応じて、「その方に合ったブラッシングの仕方」をお教えしようとしているからです。

 「指紋以上に、同じ口をもつ人はいない」といわれ、一人一人が違う歯並びと噛み合わせ、違う環境の口を持っているのに、ブラッシングの方法が同じでいいはずがありませんね。年齢や歯ぐきの状態によってだけではなく、歯並びによっても汚れの残る場所は違いますし、お口の中にブリッジが入っていたり、部分入れ歯が入っていたり・・・となってくると、これまた大きく違ってきます。ですからこの項は、「○○法」というような説明ではなく、「あなたのお口の、このような場所に気をつけてブラッシングをして下さい。」というスタンスで書いてゆくことに致しますので、以下の“ INDEX ”の順番にお読み頂きたいと思います。

 また、歯のブラッシングと共にとても重要なのが舌の汚れ(舌苔)落としで、ブラッシングと同時にこの舌苔も1日に1回は落としていて頂きたいと思います。

 尚、この落とし方につきましてては「口臭について」の項に書かせて頂いております。