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ザ・インタビューズ 「書き出し文を質問し、それに続く文を書く。」
「要するにそれは紫陽花だったわけだが」
緊張の所為で言葉が硬くなっている。
まるで気付かない様子で、手元の紙を一心不乱に眺め、
次の言葉を探している。
「校庭の土壌酸度は、紫陽花の色が紫色に近いので」
よりアルカリ性に近い。
彼の説明を聞いている誰もが、そのことを知っている。
それでも一言も発せず、神妙な面持ちで聞き続けている。
なぜなら、聞いている私達も、彼と同じように緊張していたから。
新入部員が必ず通る発表会。化学部の伝統行事。
去年の自分を重ねるように、ただただ静かに聞き続ける。
少しは私も成長したのだろうか。
2014.06.29 
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