地中暗渠化された河川の復元プロジェクトの評価−バークレー市ブラックベリー川を事例として
Evaluation of the Blackberry Creek daylighting project, Berkeley





Imanishi, J. 2000. Evaluation of the Blackberry Creek daylighting project, Berkeley. UCB Water Resources Center Archives MS 96/2 83. pp.1-31. 2000.12.

摘要

 都市域の暗渠化された小川の復元事業の先進的事例として、米国カリフォルニア州バークレー市内のブラックベリー川復元事業を取り上げ、植生、水路の形状と容量、デザインの観点から施工5年後の評価を行った。河畔植生はSalix lasiolepisとCornus stoloniferaがよく定着しており、施工当初から種数も増加していた。水路形状は10年確率降雨後も安定しており、水路容量は、植生の摩擦係数が増え計画洪水量を下回っていることが懸念されたが、流入水を流すだけの性能が保たれていた。成功を示唆する結果の一方で、植生の繁茂によって視界が遮られ、小川が流れる公園の安全性と魅力が減衰していること、定着が期待された在来種Aesculus californicaとAquilegia formosaは枯死し、代わりに周辺住宅地から侵入したと思われる外来種が増加していることがわかった。将来、同様の河川復元事業を行う場合、(1)川の安全性と魅力に関わる視界を確保すること、(2) Salix sp.と一緒に挿し木する場合は、初期成長が速いか、被陰に耐える種を使うこと、(3)周辺からの侵入を避けられない外来種の駆除プログラムを用意しておくことが推薦事項とされた。








Copyright by Junichi Imanishi.
Last updated on May 20, 2002