【山行名】  :白馬雪倉ツアー
【日程】   :2012年5月4−6日  
【山域】   :白馬
【メンバー】 :伊能さん、アウターさん、PINEさん、くりさん、ごましお。
【行程】   :   
5月4日  午前中曇り晴れ、午後ガス、強風
猿倉 6:50 〜 白馬尻 8:15 〜 大雪渓上部10:20,10:40 〜 葱平2550m 12:20,12:50 〜 白馬山荘 14:00
5月5日  晴れ、稜線烈風
白馬山荘 8:45 〜 稜線 9:05 〜 鉢ヶ岳鞍部 10:20 〜 雪倉避難小屋11:10,11:40 〜 雪倉山頂 12:20,13:10 〜スノーブリッジ14:10 〜蓮華温泉15:45
5月6日 小雨、次第にガス、雷雨
蓮華温泉 5:00 〜 振り子沢平坦部 6:00 〜 稜線下部 7:20 〜天狗原 8:20,8:40 〜栂池ゴンドラ 9:30

この2年間、まともな山スキーをしてなかったので、出発前は装備と体力が心配だった。
特に経年劣化が心配されるビンディングは、白い粉が出始め余命幾ばくも無いのが明らかなので、出発前に針金を購入して応急処置だけは出来る体制をとって家を出た。

今年の連休後半は、天気が崩れる予報で1日順延したにも関わらず、低気圧の通過が遅くて回復が見込めそうにないまま白馬に向かった。
途中の道の駅で仮眠をとり、猿倉に着いたのは6時頃。タクシーの人によれば、今年は周辺の雪が残っているらしい。身支度を整え駐車場から動き始めた。
最初に猿倉山荘を訪れたのは10年前になる。懐かしいが、これから始まる長丁場に、体が保つか不安が高まってくる。登山届けを出し、山荘横から歩き始めた。

林道を歩いて先行者に付いていったら鑓温泉方面の稜線に向かっており、伊能さんに指摘され林道に戻る。



前後して大学生のパーティと歩調が合い、最初の徒渉地点まできた。未だ雪が繋がり問題なく渡れる。
彼らはここで水を補給していたようだ。その上にはテントを張った高年者の集団がゆったりしていた。



林道沿いに歩くと、金山沢が現れる。見れば中央に大きく滝が出現しており向かって左側のラインしか降りれそうにない。下山のコースなのに大丈夫やろか?



直ぐに、白馬主稜線の山並みが現れ、取り付いている登山者がアリの様に見えている。恐そうです。



白馬尻らしき台地に上がるとテントが設営出来そうだ。振り返ると大テントを設営中だった。



前方にはデブリの山が待ち受ける。その横を通り大雪渓の核心に入って行く。未だ晴れ間が覗いたが、見上げればガスが漂っている。



辺り一面、主稜線からの雪崩で雪原が波打っている。昨年事故が遭ったのもこの辺りだろうか?



やっと大雪渓の上部に辿り着き、ここから急斜面が始まるので大休止だ。久々の歩きで疲れ始めた。
無事登れるだろうか心配だ。



振り返ると大雪渓下部はガスが漂い始めていた。気温も下がってきたので真冬の服装に替えた。



後続を待ち、急登に取りかかる。前日の雨の所為か、板が滑り思うに歩けない。一旦滑ると復帰するのに体力を使い急に疲れを感じ始めた。振り返ると登ってきた大雪渓が見渡せ長年の夢の一つを達成できて嬉しい。
しかし、体力が続かず限界を感じ始めたのだ。

やっと平坦部に出たら雨とガスが出て見通しが悪い。風も出始め直ぐに手袋が冷たくなったので、休憩した時替えようとしたら手袋のインナーの裏地が濡れた手に付いて離れなくなり、無理に出したら今度は入らなくなり焦った。
一面真っ白なので、そろそろ村営宿舎が現れないかと、それを励みに歩くが、なかなか視界に入らないので一番辛い時間帯だった。
それでも歩いてると、ガスの中にうっすらと宿舎が現れた時は嬉しかった。
もう残り僅かなので、少し元気が出始めた。でも疲れきって牛歩には変わらない。

稜線に近づくに連れ風が強まり、稜線に上がると体が流されそうな突風に負けそうになる。



ガスの中に突然白馬山荘が現れた時は嬉しかった。ようやく到着。雪の壁が出迎えてくれる。



後続を待つとガスの中から現れてきた。14時到着、お疲れ様でした。

到着後は、濡れた衣類を乾かすのに追われていると、直ぐに時間が経ってしまった。
寒い山荘の中でストーブを囲んでると、夕刻になってもまだ到着しないパーティがいるらしく、小屋番さんが盛んに連絡を取っていると情報を耳にする。
大雪渓を上がってきた後続の人達は、稜線の風で飛ばされそうになったと話してくれ、風の音から外は荒れ始めていることが分かる。

ストーブで乾かしながら談笑してると、意外に初心者の方が雪山に入っているので驚いてしまった。
夜になり、風が益々強くなり小屋もガタガタ至る所で音がし始めた。だが、夕食後は直ぐに疲れと寝不足で全員が沈没。私は一度夜半に目が覚め、風の音でしばらく寝付けなかった。


5月5日 曇り、晴れ、稜線は強風

朝食後、それぞれ山荘を出始めたが、我々は、天気の回復を待ってゆっくり支度する。辺りが明るくなり、晴れ間も見え始めたので、おおよそ最後に山荘を出た。
稜線は強風で、一段下がった所で柳又谷に入ろうとするが、強風で中々準備が出来ず、やっと9時に滑り始めた。



雪面はカリカリのアイスバーンで、久々の私は緊張する。
一瞬の晴れ間があったので山荘を撮影した。



柳又谷の滑り出し、もう少し緩むと絶好の斜面になるだろう。



鉢ヶ岳の後にガスが掛かった雪倉山が、遙か彼方に望めた。本当に行けるやろか?



昨夜の冷え込みで発達した氷柱が、陽を浴びてキラキラ輝き美しかった。



旭岳を後に快適斜面を滑走し気持ちよい。



昨夜から心配されていた遭難現場に遭遇する。数機の救助ヘリと報道ヘリが上空を飛び交い、事の大きさが伺えた。この時点では我々はどうなったか知らぬまま救助活動を見つめていた。旭岳のガスが強風で横に流れている。



鞍部にシール登高し立つと前方に雪倉岳が見えてきた。夏道に沿ってトラバース中の先行者集団が見える。


振り返ると、白馬から三国境にかけて稜線が望めた。次回は白馬山頂から滑降したいものだ。



鉢ヶ岳から雪倉の稜線は強風で体が吹き飛ばされそうになった。後方は三国境から白馬岳。



7年ぶりの避難小屋は、当時と変わった様に思えたが気のせいか。でも懐かしい。
周辺は烈風が吹き荒れ、板をザックに固定するのにも難儀する。先行者達が稜線を歩いているが、前に進み難そうだ。



避難小屋を出ると、烈風でザックごと飛ばされそうになった。ベテランのPINEさんくりさんも滅多に経験した事がない風だと話していた。
耐風体勢をとりながら息を切らしつつ、一歩づつ足を運び標高差200mを登ると、そこは3度目の山頂、今回も風の中だ。



山頂は烈風で立ち止まっているのも辛いので、20mほど降りて後続を待つ。
前方には妙高山から火打山、焼山の稜線が望めた。次回火打山に登った際は雪倉の稜線を探すことにしよう。
直ぐに蓮華温泉から登ってきたスキーヤーとボーダーが現れてきた。時間は13時前。我々が登った時より遅いようだ。
スノーブリッジの様子は、クラックが入って長くは保たないらしい。でも今日は大丈夫と聞き安心する。



2度目の大雪原は今回も雪が適度に締まって滑りやすく、快適に滑走できた。振り返るとシュプールに納得できる。



まだまだ大雪原が続く。



スノーブリッジに亀裂が入り、流れている水流を見ると、渡るのにも気合いがいる。今年は融雪が早くて後数日で落ちるでしょう。
前回は何処でも渡れたので、年によって大きく違うと再確認する。



瀬戸川から登高するルートを眺める。
ここから再度シールを付け、蓮華温泉までほぼ水平にトラバースしてゆく。これがなかなか難しく、最短距離を進のに何度か迷った。
前回のトラックを参考に歩き、16時前に宿にたどり着いた。ここで宿の写真を撮り忘れてしまいました。
蓮華温泉は内風呂が有り、一風呂入って汗を流したものの、再び同じシャツを着るのは悲しい、でも有り難い。
暖房装置が無いにも関わらず暖かい室内で、私には暑すぎた。


5月6日 雨、曇り、雷雨
3時半に起床し、5時出発を目指して準備を始めた。
宿の電気は点かず、室内でヘッ電を点け支度するのも初めてです。予報では雷雨が通り過ぎるようで、早めの行動にしたものの、出発する時には雨が降り始め雷も鳴った。
当初は天狗の庭から白馬乗鞍を登る予定であったが、この天気では不確定要素が多いので、振り子沢から天狗原に変更した。


振り子沢を登り、平坦部にでた所で休憩。前回はこの先でルートを間違え際どいトラバースをしたことを思い出した。
前回より格段に増えた蛍光テープに沿って登り、急登の手前で大きく左にトラバースして左端の稜線に出ると、なだらかな稜線を登ることが出来た。
あちこちで沢に亀裂が入って下の水流が速い、ここでも雪解けの早さを感じました。



天狗原に近づくと、ヘリが飛来し、数名の人を降ろしている。どうやらパトロールの人達で、へりスキールートの確認をするようだ。
予報通りガスが出始め、雨も降り出して白馬乗鞍方面の視界が無くなってきた。雷鳴も聞こえてくる。
天気図を確認しても、雨雲が架かったままで回復するのも遅くなっている様子であり、期待が持てそうに無いと判断して下山することにした。
下山中ガスが切れて未練も残ったが、直ぐにガスが架かり大きな雷鳴も鳴り始めたので、納得して今回のツアーを終えることが出来た。
ゴンドラが動いてなかったので歩いて下山かと思ったが、伊能さんが連絡を取ると係員を呼び出してくれた。
栂池ヒュッテのお客も下山するので、一緒に降りられることが分かり一同胸を撫で下ろす、下のゴンドラ乗り場には、報道関係の人達が待ち構えており、一日前の遭難現場の状況を登山者から聞き取っていた。
相当大きな報道だったと帰宅後知りました。

残念ながら、今回は金山沢を滑れなかったが、念願の大雪渓をスキーで登れたし、雪倉まで繋がったので満足です。
いつか金山沢を登って白馬乗鞍を滑りに行きたいと思ってます。何時になるやろ?

黄色が今回、赤色は2005年春の軌跡。