コアイベント「幻獣共生派」


001【遠坂/初対面】

「…こんにちは。
 遠坂 圭吾(とおさか けいご)と言います。」
 遠坂は、微笑んで手を出した。
「…あ、失礼。
 …悪く、思わないでください。
 少し変わった境遇でしてね。
 握手とか、食事のマナーとか、ちょっとしたところで、戸惑うときがあります。
 おかげで、少し浮き気味で…ほんとは、布団を干したりするのが好きな、ただの男なんですけれど…ね。」
 (布団干すのが趣味の普通の男って…。)
「よろしく。」


002【遠坂/執事の才能】

 遠坂は上着を着るところだ。
 手伝いますか?

[選択1-1]
 (手伝う。)
「…ああ、ありがとう。」
 遠坂は自然な動作で、袖を通してもらった。
 しばらく考えている。
「…すみません。つい…癖で…すみません。
 痛恨でした。」
 (ひょっとしたら、…このひとってすごいお金持ちなのかな。)
「あー、その、そうですね。あなたには天性の執事の才能を感じます。
 …変なこと言ってしまいましたか。
 ひょっとして…。
 痛恨でした。…すみません。
 …僕は、あなたの前ではミスばかりですね。
 …普段はもう少し…
 たとえば、布団を干したりするときは立派なんですが。」

[選択1-2]
 (ほっとく。)
 遠坂は、ひどく苦労しながら上着を着た。
 実は不器用かもしれない。


003【遠坂/フルセン殿下】 []内、「信じる。」選択時のみ追加

「どうしました?
 …それにしても、最近はお互い、よく話しますね」
 着信音が聞こえる。遠坂の携帯電話かな?
「…失礼。」
 遠坂は、携帯電話をとった。
「私です。
 …学校にはかけてこないでくださいと、言っているはずですが。
 …はい。
 フルセン殿下の件は了解しています。
 きちんと、時間までには帰宅して、お相手をつとめますよ。
 …ええ、はい。スピーチの草案は英語で、私のデスクの右引出しの一番上に入ってますから。見たければどうぞ。
 それから、その下の帳簿はまだチェックしてませんから、手をつけないでください。
 チェックしたら第二執事の方に。…はい。
 言っておきますが、今度そういうことを言ったら、私は怒ります。
 …はい。それでは。
 …。
 すみません。
 …あー、ええと、実はフルセン殿下というのは、うちの犬、そう、犬でしてね。
 スピーチっていう英国のドッグフードしか食べないんです。
 あー、その。
 まいったな。…本当です。信じてください。」

[選択1]
 (信じる。) / (信じない)
[…そうですか。
 よかった…。
 ほんとうによかった。]

 …。
 …。
 …僕は、家が嫌いなんです。
 同じ年頃の皆が戦っているのに…。
 家が違うだけで、僕だけが戦場から離れることも…。
 金儲けと権力しか考えてない人のことも、気に入らない。
 …。
 すみません。…もう、あなたにはなるべく話しかけませんから…許してください。」


004【遠坂/幻獣派弾圧について】

「最近、新聞はどこを見ても、幻獣派弾圧、許せないのキャンペーンですね。
 幻獣派狩りに関しては、私は、反対です。
 いくら戦争中だからと言っても、基本的人権は守られてもいいと思っています。
 だいたい…親が幻獣派だからといって、その子供の進学にまで影響があるのはおかしいはずです。
 子供のあっせん先を子供が選べない以上、悪いのは親であって子供ではないはずです。
 …まったく。」


005【遠坂/花を出す】

 遠坂は、手を振ると、なにもないところから花束を出現させた。
「これをどうぞ。
 フッ……ああ、魔法ですよ。
 超常能力…超能力です。
 本来人間が普通に持っている能力です。
 同調と言ってね、何かと何かを結ぶ技能です。
 今は、どこかの花畑と私の手を同調させたんですよ。
 プログラムでも、同じようなことが出来ます。
 あっちは直接、別の場所に飛ぶ能力ですが…。
 幻獣派や、あるいは昔の技術を保っているところでは、今でも使う人がいます。
 もう少し高位になれば、それこそおとぎ話のように、姫君にドレスをプレゼントすることが出来るんですが。
 …。
 …人は、訓練さえすれば、こんな能力ですら持っているのに、楽をしたいと言う理由でこの星を汚染している…。
 …人間とは、つくづく度しがたい愚かな存在ですね。」


006【遠坂/幻獣派の本】

「…最近、幻獣の本を読んでいるんですよ。
 僕の家には、発禁処分になった幻獣の本が結構あってね。
 父が、若いとき警官で、押収して、研究の為に読んでいた書物なんですが…。
 幻獣派は、別に人類絶滅なんて唱えてませんよ。
 それどころか、この惑星の浄化と再生を謳っている。人は、もう一度自然と向き合うべきだと。
 …敵意を持たねば幻獣は襲ってこないと…。
 …そんな内容で…なんで、弾圧されるのか、分からないな。」


007【遠坂/幻獣は地球を守るもの】

「やあ。
 …。
 最近、幻獣派について良く考えるんですよ。
 彼らは、いや、幻獣は本当に悪なのかって。
 本当は我々が悪で、彼らが善ではないか、と。
 …幻獣派は、幻獣をこの惑星の意志と見ています。
 幻獣が破壊した後には、自然がすごい速度で回復するでしょう。
 それに幻獣には口がない。
 つまり、食べない。あれはある目的のために短時間だけ生み出される生体機械だと。
 ある目的というのは、もちろん、母なるこの惑星の再生です。
 …そうなると、生み出す母は地球自身ですよ。
 …幻獣は人間を襲っているんじゃなくて、母なる地球を蝕む文明を攻撃しているんです。
 まったく、なんでこんな簡単なことにみんな気付かないんだろう。
 いや、わざと気付きたくないのか。
 文明を壊されて一番困るのは、先進国。
 それも、金持ちですからね。
 …我々は金持ちや権力者を守るために、戦わなくてもいい敵と戦っているかもしれませんよ。」


008【遠坂/狩谷について】 PC狩谷以外

「聞いてください。この部隊に幻獣共生派が居ました。
 彼と話をして、僕はますます幻獣共生派の正義を確信しましたよ。
 彼、ですか? いや、非常に用心深い人なんで、名前は言えませんけど、いや、あなたならいいか。狩谷くんです。彼は幹部ですよ。
 今度、もう少し詳しく話を聞いてみようと思います。…まったく清廉潔白な人だ。
 それにしても最近の父の、遠坂家の動きは面白くありませんね。幻獣共生派弾圧を叫ぶ政府に協力して、議員を目指している。
 …いや、すみません。
 少し、興奮してたかもしれません。」


009【遠坂/妹】 PC狩谷以外

「僕には、妹が居るんですよ。
 14になるんですが、かわいくてね。
 化学物質アレルギーで身体が弱いんですが、花を育てるのが好きなんですよ。
 あと、小さな猫を飼っていてね…。」

[選択1-1]
 (妹が、好きなの?)
「ええ、そりゃもちろん。
 これで化学物質が減れば、部屋に閉じ込めずに、自由に学校に行かせたり、遊ばせたり…。
 人類が文明に頼って幻獣と戦争する間は、だめでしょうけどね。」

[選択1-2]
 (何で急に?)
「…あ、いや、そういう話じゃなくて、今度、妹と会ってくれませんか。
 あなたの話をしたら、興味をもってね。
 お兄様がお友達なんて、珍しい。
 聡子も会いたいなって。
 …そ、そのよろしかったらですが、今度会ってくれませんか。
 妹は、お兄様が好きになるなら、きっと私も好きになると思いますって言っていて。
 ああ、いや、それで家族みたいなひとが増えたら…なに言ってるんでしょうね、私は。
 どんなスピーチでも交渉でも、こんな気分にはならないんですが。いや、だから、お願いします。今度、妹と会ってください。
 あー、ええと。いや、いいです。やっぱり。
 …返事は、今度聞きますよ。
 そちらの気持ちもあるでしょうし。
 …そんなにあせってませんから。」


010【遠坂/詩の発表】 PC狩谷以外

「今度、幻獣派の地下集会があるんです。
 そこで、自然とその復活をテーマにした詩を発表する予定なんですよ。
 …場所、ですか。ここの近くですが。
 地図でも書きましょうか。」

[選択1-1]
 (書いてもらって先生に届ける)
「はい。興味があったら、来てください。
 それでは…。」[イベント終了、011に接続]

[選択1-2]
 (いや、いいよ。それよりも気をつけて。)
「ええ、
 分かってますよ。それよりも詩の成功を祈ってください。」[イベント終了]


011【坂上/遠坂はいい】 PC狩谷以外

[職員室]
「…ああ、遠坂くんですか。
 あれはね、いいんですよ。
 あれは、準竜師の飼い犬ですよ。
 あなたより、ずっと役に立つ、ね。
 彼の親は彼が幻獣派であるという事実で、もう、芝村一族のいいなりですよ。
 愉快なぼっちゃんだ。
 自分は人助けしていると、いい気になって、家族を熊本でも有数な一門を崩壊させている。
 人類優勢なら、最後に狩ればよし。
 幻獣優勢なら、講和のための平和の使者。
 どちらも、芝村には悪くない話です。
 …底の浅いヒューマニストは、一人を助けて家族を殺す。近々、準竜師と彼の妹あたりの結婚でも決まるのではないですかね…。
 …それはともかく…。
 ごくろう、これは少ないが、今後の工作費です。仕事にはげみなさい。」
 所持金が200000円増えました。


その他


012【遠坂/幻獣はそれほど悪くはない】

「僕は思うんですけど、幻獣というのは、それほど悪くはないんじゃないでしょうか。
 いや、その、ただそう思っただけなんですが…」


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