魔法使いハウルと火の悪魔

宮崎駿のアニメ映画「ハウルの動く城」が、いよいよ今年11月20日劇場公開になります。
原作は、イギリスのファンタジー作家ダイアナ・ウィン・ジョーンズの「 魔法使いハウルと火の悪魔」です。
魔法で九十歳の老婆の姿にされた帽子屋の娘と、動く城に住む魔法使いハウルや火の悪魔たちが、織り成す冒険ファンタジーです。

宮崎作品で、児童書の映画化は、「魔女の宅急便」に続いて2作目となります。
「魔女の宅急便」では、原作にオリジナルのストーリーが随分加えられていましたが、今回はどうでしょうか。

さて、原作の「魔法使いハウルと火の悪魔」ですが、映画を見に行く前に1度読んでおくことにしました。
そこで、娘に図書室で借りてきてもらいました。(余り人気がないので、すぐ借りれたそうです)

魔法と科学の世界の描写は、小物にいたるまで、実に細かく表現されていましたが、頭の中で全部、ジブリ映画のイメージに置き換わってしまいました。
物語の内容は、恋愛をメインに据えたドタバタ喜劇という感じが強かったです。
登場人物たちに、危機感があまりなかったので、そう思ったのかもしれません。
ですが、映画を見て比較するのが、とても楽しみになりました。

娘に感想を聞いたら、よく解からなかったみたいです・・・難しかったのかな?(04/10/26)

【追記】 「ハウルの動く城」見てきました。
やはり原作とは、かなり内容が異なっていましたが、期待どおりの面白さでした。
原作を先に読んだ方は、美しいインガリーの国を再現した映像に、きっと驚嘆されると思います。(04/11/24)

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D・W・ジョーンズ 作
西村 醇子 訳
魔法使いハウルと火の悪魔

インガリーの国の帽子屋にソフィーという娘がいました。
ソフィーは三人姉妹の長女で、帽子屋を引き継ぐことになりました。
ある日、ソフィーは店を訪れた荒地の魔女に呪いをかけられます。
九十歳の老婆の姿にされたソフィーは、家を出て、ハウルの城のある丘に向かうのでした。

火の悪魔カルシファーや、かぶ頭のかかし等、不思議な脇役達も魅力たっぷりに描かれています。
特にカルシファーは、生意気な態度の中にも愛嬌があり、何とも憎みきれないキャラクターになっています。

本書を読んで、魔法と科学が混在した世界で、一度は生活してみたいと感じてしまうのは、私だけではないでしょうね。

徳間書店 310ページ 漢 児

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D・W・ジョーンズ 作
西村 醇子 訳
アブダラと空飛ぶ絨毯

ラシュプート国で絨毯商を営むアブダラは、商売の傍ら、空想に夢を膨らませる毎日を送っていました。
ある日、謎の男から魔法の絨毯を手に入れ、夢の中の王女「夜咲花」と密会をかさねます。
しかし、駆け落ちを決意したアブダラの目の前で、王女は、魔神にさらわれてしまうのです。

「魔法使いハウルと火の悪魔」の姉妹編です。
姉妹編というからには、ハウルやソフィーなど前作でお馴染みの面々も登場します。
でも、今回の主人公は絨毯商人のアブダラです。

アブダラは、出会う人ごとにお世辞を振りまくのですが、歯の浮くようなセリフばかりで、とても笑えます。
アラビアンナイトの世界のように盗賊や魔神が登場するので、ハラハラする場面が随所にあり、最後まで楽しく読むことができました。
先が読めない展開で、前作以上に面白かったです。

徳間書店 278ページ 漢 児

【関連リンク】

映画『ハウルの動く城』 オフィシャルサイト (終了)

魔女の宅急便 福音館書店 272ページ 漢 児

「魔法使いハウルと火の悪魔」「アブダラと空飛ぶ絨毯」2冊セット

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