Debian GNU/Hurd の現在の目標は、 i386 アーキテクチャ向けのバイナリ・ディストリビューションを作ることです。 これは、 Intel 80386、 80486、 Pentium、 Pentium Pro、 および、 AMD、 Cyrix、 その他の企業から出されている互換プロセッサを含む、 Intel 互換プロセッサをベースとする PC が対象となっています。
Hurd を実行するようになると期待されるマシンに第1に必要となるものは、 Mach 3.0 の移植です。 最新の "comp.os.mach" FAQ (これは 1994 年 2 月以降更新されていません) によると、 以下のチップには、 再配布可能な Mach マイクロカーネルとデバイス・ドライバがあります。
IBM は、 PowerPC チップ (RS/6000 と緊密な関係があります) において Mach 3.0 上で (OS/2 の後継である) WorkplaceOS を実行させる計画を持っています。 したがって、 まもなくこのリストに PowerPC が追加されることでしょう。 ユタ大学(University of Utah)が HP700 に Mach 4.0 を移植しましたが、 これはまだ安定していません。
Sun の Sparc マシンにも再配布可能な Mach マイクロカーネルがありますが、 そのデバイス・ドライバは SunOS 4.1.1 のソース・ライセンスを必要とします。
第2に、 Hurd を実行するようになると期待されるマシンでは、 GNU C ライブラリの移植が必要になります。 このライブラリのバージョン 1.07.4 は、 以下のチップを処理することができます。
したがって、 次の Hurd スナップショットが自立的(self-hosting)なものになれば、 (理論上は) Intel 80x86、 Motorola 68000、 MIPS R4000、 DEC Alpha の上でそれを動かすことができるようになります。
Mach マイクロカーネルを新しいアーキテクチャに移植することができる人は、 是非そのような移植作業を行ってください。 GNU C ライブラリを新しいチップ(より大きなグループ)へ移植することができる人も、 是非そのような移植作業を行ってください。 この分野では、 Mach について何も知らなくても、 また、 特殊なマシンを持っていなくても、 貢献することができます。 新しいチップ用の GNU C ライブラリがひとたび完成すれば、 それがどの OS 用のものであれ、 後に Hurd を移植するのが簡単になる (さらに、 他のチップへの移植もまたより簡単になる。 すなわち、 その効果は蓄積されていく) ということを心に留めておいてください。
現在の状況からすると、 その他のハードウェア要件 (RAM、 ディスク容量など) は、 BSD 4.4 に対するハードウェア要件とほぼ同じになるでしょう。