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非 戦

坂本龍一+sustainability for peace 監修   (幻冬舎)     

紹介

非 戦

9月11日の同時多発テロ事件は、21世紀を迎えた人類社会の深層に大きな亀裂を走らせました。そして、限りなく報復に近い米英軍のアフガニスタン攻撃は、その亀裂の深さと広がりをあらためて浮き彫りにしつつあります。

本書は、近現代史の転換点を理解するために、マスコミとは別な視点から幅広い声を集め、〈非戦=戦わない〉ことによる平和な世界の実現について考える材料を提供する試みです。内外から50人以上の論考と、本書ならではの情報を盛り込んでいます。

本書の印税は、最低限の事務経費を差し引いたのち、賛同いただける著者の印税分が9.11の被害者とアフガン難民・国内被災民への支援にあてられます。

坂本龍一「あとがき」より

事件以降、大手メディアの流す報道は、一部質の高い論評などもあったが、多くはアメリカ寄りの一方的なものが多いと感じられ、残念ながらそこからはテロと戦争の真実が見えてこなかった。このような非常事態の中で、いかにぼくたちが「真実」から遠ざけられているか、改めて気づかされる。

一方、ネットには様々な陰謀説も含めて、多種多様な論考や意見がとびかっていた。そこでぼくは、二、三人の友人たちと、お互いに重要だと思われる論考や記事を発見しては、メールで送り合うことを自然発生的に始めていた。そして煩雑さを避けるため、この情報交換はメーリングリストへと発展した。そして、このメーリングリストに、次々と新たな友人たちが加わり、交換される情報も増していった。

お互いに情報を送り合う中で、いつしかそれらの論考や記事をまとめた本を出版しようという話しがもちあがった。一般のメディアではあまり目にすることのない、こうした声を少しでもたくさんの人に読んでもらいたいとの思いからだ。

主な執筆者

「非戦」が生まれるまで

この<sustainability for peace>という10人ちょっとのグループの母体であり、舞台となったMLを私が設定したのは、10月7日のことでした。MLでの情報交換の中から、「出版して広く読んでほしいね」という声が出たのが10月16日。それから、どの論考を載せるか、だれに執筆を依頼するかという議論が展開して(MLメール数約200通/日)、10月末に、翻訳や掲載許可の依頼など、本格的な作業がスタートしました(MLメール数300通/日)。

年内に出したい!ということで、11月10日が原稿締切。10日間でほとんどすべての原稿の準備をしたことになります。そして、校正をしながら、細かな詰めを行い、印刷所に回しました。これほどの「短期決戦型出版プロジェクト」はあまりないので、編集者も大変だったと思います。

忙しかったけれど、とてもおもしろいプロジェクトでした。ほとんどお互いに会ったこともないメンバーのグループなのですが、うまく専門を活かした役割分担が自然にできて、励まし合いながら進められたこともよかった。

私は主に海外執筆者を担当しましたが、「思いは通じる!」という体験を何度もしました。私のHPにも載せさせてもらっている手紙や論考もいくつか本に含まれていますが、ネットメディアで流れていた情報がほとんどだったので、本に掲載する許可をもらうために、執筆者を突き止めるのにいちばん苦労しました。

メールニュースの[No.557] に掲載させてもらったロドリゲス夫妻(ワールドトレードセンターのテロで息子さんを亡くされたご両親)に連絡を取るためには、最初に夫妻の手紙が載っていたニュースレターの事務局に連絡をし(私のニュースやHPへの掲載はこの事務局の許可を得ました)、「ここには○○さんから送ってもらったから」と紹介してもらい、その方から「私のところには△△さんから来たのよ」と紹介してもらい、またその方にメールを書いて送ったものの、「果たして、たどり着けるのだろうか・・・?」と不安になりました。〆切はすぐそこだし!

そうしたら、ご夫妻の友人という方から、「夫妻に聞いてあげたわよ。とっても喜んでいたわ。アメリカにもあなた方のようなジャーナリストがもっといてくれたらいいのに。ぜひがんばってね。応援しています」とうれしいメール。

また、今回の件で存在を知って連絡をした Oriononline や MiddleeastRealities というオンラインでいろいろな著者の論考が読めるサイトの編集長からは、「そういう本を出すなら、こういうのもあるよ。よかったら著者に連絡して許可を取ってあげるよ」とうれしいオファーも。「キャー、また翻訳するものが増えた〜」と叫びつつ、着実に本の中身が濃くなっていきました。

今回の本を進めるにあたって、「できるだけ多様な立場の人々の見地を紹介したい」という思いが強かったので、欧米の知識人だけではなく、さまざまな現場で活動している人々、インド、スリランカ、ネパール、レバノンなどからの声も、小学生や高校生の声も収められています。

自分が担当した執筆者とのやりとりはそれぞれが小さなストーリーで、私にとって忘れられないものとなりました。特にアメリカ在住の方々から、「そういう戦争反対の声を出したいのだけど、出しにくいの。だからぜひがんばってほしい」という思いが伝わってくるメールもあります。

まさに怒濤のような1ヶ月。しかも11月は通訳・講演のハイシーズンでしたから、ほとんどスケジュールに空きがない中での作業・・・ということで、ニュースが犠牲?になったのでした。ご心配をかけた方々、すみませんでした。m(_ _)m

その間にもご紹介したい情報や話がたくさん溜まってしまったので、次はニュースの怒濤かなぁ?(^^;

枝廣淳子 2001年11月26日


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