ニセコアンヌプリ

1999年7月18日に、ニセコアンヌプリに登山してきました。こちらでは、そのときの様子を報告します。ニセコアンヌプリはニセコ連峰の最高峰で、標高は1308mですが、五色温泉側から登ると標高差は560m程度で、比較的簡単に登ることができます。登り約1時間半、下り約1時間です。


午前10時過ぎに登山口に到着、管理小屋でアンヌプリ登山であることを告げると、登山名簿への記入とゴミの持ち帰り協力について簡単に説明を受ける。両側をチシマザサに囲まれた登山道を登りはじめるが、前日までの雨のため非常に滑りやすくなっている。湿度も非常に高いようで、5分も歩かないうちに汗が噴き出してきた。しばらく歩いていると、登山道脇に小さな赤い実を発見、よく見るとノウゴウイチゴという、いちごの一種である。(帰ってきて図鑑で調べると、市販されている食用いちごの一種で、食べられるとのこと。食べてみれば良かった・・・。)これから出会う花々を楽しみに、蒸し風呂のような登山道を登っていく。


ノウゴウイチゴ

標高900m弱のところで目の前の視界が開け、霧とともに涼しい風に当たることができる。標高920mのコブで一休みし、水分を補給する。ここからは尾根沿いに登山して行く。この辺りから、登山道脇にハイオトギリの黄色い花やシロバナニガナの白い花が目立つようになってくる。時折、アカオモ、ゴゼンタチバナ、ホツツジなどの白い花も見かける。

ハイオトギリ ホツツジ

標高1000mを越えた辺りから、急斜面のつづら折りが続くようになり、斜度もきつくなってくる。この辺りからは岩が多くなり植物の種類も変わってくる。ハイマツ、コケモモ、エゾキスゲ、チシマフウロなどがよく見られるようになる。つづら折りを登り切ると後は尾根沿いに平坦な道を行くと山頂に着く。晴れていれば、山頂からは羊蹄山、ニセコ連峰の山々、日本海等を望むことができるが、当日はあいにくの雲の中、ほとんど景色を楽しむことができなかった。

チシマフウロ エゾキスゲ

昼食をとり終え、下山する人が多い中、山頂北東側斜面にて、エゾキスゲやチシマフウロの写真を撮っていると、一瞬雲が晴れる。ニセコアンヌプリ南峰や、ニセコひらふスキー場、羊蹄山、鏡沼が眼下に見えてくる。景色は諦めかけて、カメラの標準ズームをマクロレンズに交換していたが、再度標準ズームを取り出して、雲の晴れ間から見える景色を撮影する。そこには冬のニセコアンヌプリとは違う世界が広がっていた。

ニセコひらふスキー場(花園側) ニセコひらふスキー場(高原側)

コヒオドシ

晴れ間も長続きはせず、数分でまた真っ白な世界になる。登山途中で見かけた花や、花と花の間を飛び交う蝶を撮影しながら、ニセコアンヌプリを後にする。このあと、ニセコアンヌプリ山頂から見えた鏡沼まで往復約1時間のトレッキングをした。

鏡沼 ヒメシジミ

タチギボウシ

約30分ほど歩くと目の前に鏡沼が現れた。10年前と変わらない自然な姿がそこにあった。訪れる人がほとんどいない鏡沼は静寂の中にあり、ただ、小鳥のさえずりとカメラのシャッターの音だけが響いている。湿原の初夏を思う存分撮影できる。まるでこの自然が自分だけの庭のようである。(前ページへ)

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