スパイス・その他

スパイスと燻製に必要な物を私なりに説明します
もちろん一般的な説明は参考書を見てください


スパイス

昔に比べて手にはいらないスパイスはないほど普及してきました。また現在はハーブの流行で解説書にもことかきませんし、もちろん燻製の参考書にも詳しい解説がみられます。
私は原則として多種類のスパイスをつかうことはありません。べつにシンプルイズザベストというわけではなく、私の能力では複雑な組成の最良点がつかめないからです。ですからスパイスについて私がかたることは特にありません。
しかし、ほとんどの燻製で使用する黒コショウ(ホールタイプ)についてだけ一言申し上げるとぜひ1Kg単位で買うことをおすすめします。とにかく安いので惜しみなく大量に使えます。真空密閉容器に保存すれば2年近くは保存できます。
コショウ以外では、鮭にローリエ、生ハムにジェニパービーンズ、肉類にはナツメグ、シナモンやオールスパイス、スパイスとはいえませんが玉ねぎやショウガ、ニンニク、鷹の爪、せいぜいこんなものでしょうか。

日本の有名なメーカーのプロ用と称する胡椒を買って、その香りの無さにビックリして以来、自分の感性だけを信じて選択しています。ただし2003年末の現状は悲惨です。
2005年になってなんとなく風向きが変わったのか札幌でもGABANの製品が手に入りやすくなって胡椒問題は一段落しました。しかしまだ満足していません。
最近経験したのですが、某スパイス加工会社の胡椒の袋を開けて匂いを確かめたところかすかにカビの匂いがしました。何回も嗅ぎなおしたのですが、たしかにカビの匂いです。触ってみると湿度を感じました。
いままでは漠然と「スパイスは防腐効果がある」と思いこんでいた認識の甘さに愕然としました。多くのスパイスは畑で作られ、人工的にまたは自然に乾燥させたものですから当然細菌の汚染があっても不思議ではありません。
芽胞菌以外は乾燥で死滅するはずですが、流通・加工で芽胞菌が繁殖したり多湿な日本での加工でカビが生えてしまうこともありえることに気がつきました。
スパイスの殺菌法には臭化メチル(2005年禁止)、気流式殺菌、放射線照射(日本では未認可 業界は申請中  消費者団体は反対意見を提出)などがあるようです。ただし原料を殺菌しただけでは不十分であり、挽いたり割ったりする工程での衛生管理が重要ですが、「スパイスは防腐効果がある」との認識は加工会社にもあるようです。もしこのように細菌数の多いスパイスを使えば風味も落ち、保存性も悪くなります。注意が必要です。
2013/02/14 追加
最近は札幌市内のデパートでもスパイスを扱わなくなったり、品種を絞ってくる傾向にあります。またメーカーも統合・系列化や小売を廃止する傾向にある半面、ネットでの販売は無数といってよいほど増加しています。特にネット販売が増えることによって多種多様な、また産地の異なるスパイスを購入できることは利点とも言えるが、私のような素人にはこの傾向に困惑しています。つまり、取扱店や産地ごとに比較する基準と味覚を持ち合わせていないし、また手間も金にも限界があるからです。
世界一の味よりも、何時購入しても一定以上の品質を保っているものを購入したい。これが私の希望です。
そのためには、下記のように考えています。
1. ある程度の規模をもつ専門メーカーのものを購入する。
2. 包装はガラス瓶であること。
3. 同一のスパイスでホールとパウダーの両方を販売している頻度が高いメーカー。
4. ホールの品種がそろっていること。
5. 包装量が少ない方が便利であるがそれには拘らず、捨てることを躊躇しない。
現時点では、上記の希望に沿ったナツメグのホールが入手できません。


調味料

塩は現在どこにでも売っている天然塩を使用しますが、どこのものが良いのかわかりませんし特に銘柄を指定して買うことはありませんが概ね「赤穂の塩」を使用しています。
砂糖は三温糖とザラメ。みりんは純正みりん。日本酒は酒のうまさがわからないのでとくに銘柄を選びません。醤油は濃口醤油。あとは豆板醤を使うぐらいです。

美味しくなるならば無害な添加物を加えることに抵抗はありませんが、グルタミンソーダ(味の素)は使用していません。メーカーの場合は他のアミノ酸や核酸生成物などを複雑に入れるのでかなり大量に使用してもわかりずらいのですが、私が作る単純な燻製に使用するとモロに味の素そのものの味がして風味をだいなしにしてしまいます。自家製の燻製を食べた後にメーカーの製品をたべると「うまいぐあいにいろいろ加工しているな」と関心させられます。

燻材

煙を発生するには3つの方法があります。

1.チップ

材料の木材を小さく刻んだものです。経済的ですが、長時間一定量の煙を作り出すには名人芸が必要です。着火源として豆炭などを使用しますのでおもいがけなく箱の中の温度があがることがあります。
使用は難しいのですが加工しない木そのもののフレーバーが得られると思います。何度か挑戦したのですが、残念ながら私には使いこなせませんでした。輸入品を含め数多くの製品が売られています。

2・スモークウッド

微粉末の木材を結着材(糊?)で固めたもの。火が消えず安全です。釣具店で売っています。箱内の温度も少ししか上昇しません。箱内の温度によって燃える速度が若干違います。二本いっぺんに燃やしたり、分割して使用すると煙りの量を簡単に変えられます。

3.おがくず

製材時の鋸屑。入手経路の確保が大変ですが私の次のチャレンジ目標です。ぜひ使用してみたいと思います。
下の写真は友人が旋盤を使って細かく削ってくれた桜・楢材です。火は着くのですが、全部が燃える前に消えることが多く、豆炭のような補助材が必要なようです。
もうすこし試したいと思います。
おがくず燻材


そのほかにメスキート材でつくられた木炭が売られており、バーベキューに煙りの匂いをつけるのに使用できます。
材料の木にはいろいろあります。桜は肉、クルミやリンゴは鶏肉や帆立、クヌギは魚などと使い分けるように言われていますが、仕上がりに違いがあるのか実験したことはありません。


ケーシング

ソーセージやサラミに使います。


1.生腸

ウインナソーセージは羊腸、フランクフルトは豚腸を使います。これらは皮ごとプツリと噛み切るところに旨味がありますから生腸をつかうことをおすすめします。値段は安いものです。前もって肉屋に予約するとよいでしょう。腸膜が薄くて丈夫なことには驚かされます。
塩蔵品もみかけますが食感はいまひとつでした。

2.人工

いろいろな種類が売られているようですが、店頭ではあまり見掛ません。可食のものもあるようですが大部分非可食です。

以前は東急ハンズ渋谷店で販売していたサラミ用(直径45mm*35cm)が良かったのですが2004年の時点では札幌ハンズではすでに取り扱っていないようです。
ソーセージ用ケーシング(L)リング型#43 1M も試してみました。HOMEの写真で少し曲線を描いているものがそれです。残念ながら乾燥とともに肉とケーシングの間に隙間が出来てサラミにはむきませんでした。サラミは乾燥して完成しますから、収縮しても肉に密着するような素材でなくてはダメです。表題のように乾燥しないソーセージ用には良好と思います。

それからナチュルダ通商さんから「サラミ用ケーシング No43 折幅5.5cm 20m」を買ってサラミに使用しました。20mで2500円ですから、上記の東急ハンズ販売に比べお徳です。東急ハンズより細く、色も薄茶色です。

No43も2004年末には私の在庫はなくなりナチュルダでも販売していませんでした。しかしメールを出して問い合わせると折幅7cm,10cm,13.2cmがあることがわかり、7cmを1m250円で50m購入しました。
50mは数年分に当たりますが、経験的にこのような製品はいつ品切れまたは取扱い中止になるかわからないのでとりあえず購入しておくことにしたのです。
折幅5.5cmは直径3.5cm,折幅7cmは直径4.5cmのサラミができます。以前からより太いサラミを作りたかったので理想的な買い物でした。
折幅7cmのものはNo43よりも白い色です。2005年末に使用します。

No43 折幅7cm
ケーシングNo43 ケーシング幅7cm