バッグを選定する

脱気装置は決まった
それではどのバッグを購入すべきか考えましょう


1.脱気バッグの大きさ
SQ−202は幅30cmまでのバッグを封入できる。長さは無制限である。しかしバッグは大きくなれば高価になるので燻製に適合する大きさのものを選択する必要がある。そのため旭化成パックスには多数のサイズが用意されている。
ベーコンを例にとれば、幅25cmのベーコンの両端を2.5cmづつ切断したものを入れるためには下図のようなバッグが必要だ。



ベーコンには W240 H180以上のサイズが必要だがこのような横長のバッグは販売されていない。、バッグは概ね縦長に作られているからバッグの上端をシールして横の一辺を開放して使用することになる。そうするとW190 H240のバッグを購入すれば良い。「飛竜」シリーズではギリギリで180×260または200×300が適合する。
それではこのようにして自分が作る種々の燻製にあわせて大きさの違うバッグを購入すればよいのか?
シロ産業
さんのHPを見ると一サイズ1000枚から3000枚単位で発売しています。これでは数種類のバッグを取りそろえるのは趣味の世界としては行過ぎです。方針としては使用する最大のバッグを一種類購入して切ったりシールしたりして燻製の大きさに合わせることにします。バッグにはMagicCut加工がされており手で簡単に開封できます。切ったりシールしたりしても少なくとも一辺にはMagicCut加工が残っているので目的は達せます。
結論としては200×300のサイズを購入することにします。



2.耐熱性
燻製は冷蔵することこそあれ過熱する必要があるのか?レトルト食品も作るのか?
私の燻製でもほとんどは非加熱ですがホタテだけはシールした後で95℃〜98℃で60分殺菌する作業があります。保存性を高めるためです。ホタテは一度油に漬けていますので耐油性もなければなりません。「飛竜」シリーズ等で調べると下記のようになります。

Nタイプ BNタイプ HNタイプ KNタイプ M211SX-A M211SX-B
85℃ 90℃ 100℃ 85℃ 90℃ 100℃
70℃ 90℃ 100℃ 70℃ 90℃ 100℃

もしホタテの燻製を作らない、または作ってから1ケ月以内に消費するので殺菌しない人は上記のすべてが購入対象になります。私はHNタイプかM211SX-Bを購入する必要があります。



3.酸素透過性
「脱気装置を買う」のページで述べたとおりフードセーバーの指定バッグはポリ塩化ビニリデンを使用していないので酸素透過率が高くてカビが生えやすく脱酸素剤も使えないと書きました。ではどれほどの酸素透過率なら許容されるのか。橘屋商事さん包装材料を選ぶには透過率20ml/m^2・atm・24Hr以下のものを選べと書いてあります(橘屋商事さんのHPはバッグのシール方法や脱酸素剤の使い方などが詳しく乗っていますので一読に値します)。
酸素透過率が低ければ例え脱酸素剤を使わなくとも保存には有利となります。これも「竜飛」シリーズ等で比較すると下記のようになります。


Nタイプ BNタイプ HNタイプ KNタイプ M211SX-A M211SX-B
ml/m^2・atm・24Hr 45 44 45 14 18.4 18.5

このように比較するとシールした後加熱殺菌を必要としない人はKNタイプ、加熱殺菌する人はM211SX-Bを使用します。私はM211SX-Bです。



4.価格
シロ産業さんのHPから各タイプの20×30の価格を比較した。それぞれ1000枚の税別の価格である(2005/12調べ)。


Nタイプ BNタイプ HNタイプ KNタイプ M211SX-A M211SX-B
1000枚税別円 13,600 14,700 15,500 15,000 14,700 16,500


価格をベーコンに限定して比較します。
一番高価なM211SX-Bでは一枚16.5円かかります。KNタイプでは15円。
以前使用していたフードセーバーのバッグは幅30cmで長さが600cmで税抜き1,140円。このロールバッグを16cm使用すると30.4円となります。
1000枚も一度に購入しなければならないという不便はありますがM211SX-Bがお得です。おまけに酸素透過率が低いことを考え合わせると、コストダウンと保存性の向上の両方を満足させる選択となり、高い脱気装置を買ったことが無駄でなかったと安心しました。



5.脱酸素剤
脱酸素剤はいくつかのメーカーで製造しています。三菱ガス化学株式会社のエージレスが一番有名でしょうか。多種性でも優れています。また酸素検出のための「エージレスアイ」もあります。しかし脱酸素剤の使用方法についての情報量が少なく購入・使用にはいたっていません。
林ケミカルさんでは水分依存型も自力反応型も両方そろっているので便利と思います。橘屋商事さんでも売っています。

エージレスと酸素透過度の低いバッグを組み合わせると特に強い脱気をせずとも燻製を酸化やカビ発生から守ることが可能になります。ただしシールには細心の注意が必要になります。

おねがい:脱酸素剤の使用方法等についてより詳しい情報をお持ちの方はメールください。