●トールキンは『指輪物語』のその後の話を考えていた。時代はエルダリオン(アラゴルンの息子)の治世で、まず登場するのはベレゴンドの末の息子ボルラス(Borlas)である。
どびっくり。いやー、まじで驚きました。ベレゴンドファンの皆さん、どうです?! いやはや。
ベレゴンドにはご存知ベアギル君という息子がおりますね。ベレゴンドに何人子供がいたかはわかりませんが、ボルラスは「younger
son」だそうなので、息子の中では一番下のようです。
この指輪物語の続編とでもいうような話には「THE NEW SHADOW」という題がつけられています。指輪戦争の記憶が人々から薄れた時代、歳をとった老ボルラスがアンデュインのほとり近く(彼の家もこの辺にある)に座って「時代の雲行きが怪しくなってきた」といったような話を、息子の友人サエロン(Saelon)に話すところから始まります。(というかトールキンが死んでしまったので、このシーンしか書かれてない。)
サエロンという名前に不吉なものを感じますね。実際、息子の友人で、見た目はフツー(?)でも、かなり油断ならない不気味な存在として描かれています。
なお、ボルラスの息子(=ベレゴンドの孫)は王の船の船乗りらしく、名前はベルラッハ(berlach)。以前は船がハルロンドの船着場(大河アンドュインにある港。ベレンノール野を囲む外壁・ランマス・エホールの側にある。イシリエンに比較的近い。『指輪物語』8巻22ページ。)に停泊するときは父のもとをよく訪れてくれたのですが、3年前になにか特別な使命を受け、遠くに旅立ってしまって以後ボルロスは一人でさびしく暮らしている…という設定のようです。そんな彼のもとに足しげく(多分)通って親切にしてくれる謎の「息子の友人」が、サエロンなわけです。
さらに、ボルラスの息子の名前ですが、初期の下書きでは、「ベルシル(Berthil)」だったそうな。その後今度はボルラスの兄の名前と同じ「ベアギル」に変更し、最終的にはベルラッハにしたようです。
ちなみに、この「THE NEW SHADOW」の続きはこうです。
ボルラスは、サエロンとの会話で一層何かまがまがしい世の中になりつつあるのではないかという感を強め、家路につきます。あたりは変わらず美しく、何もないかのような気がします。しかし、彼は家の中から異変を感じます。暗闇と死のような静けさ。用心しながら家に入り、誰かいるのかと声をあげても返事はありません。不意に彼は古(いにしえ)の悪が、彼が知っている禍々しいものがそこにある気配を感じます…。
ここで終わりです。ボルラスは一体何を見るのか? 「新しい影」とは何なのか? そしてサエロンの正体は…? トールキン亡き今、それらは永遠の謎になってしまったわけですね…。
このちょっとゾクッとするような余韻も含め、「THE NEW SHADOW」ネタをめでたく「金の脳」にチョイスいたしました。いやあほんとびっくりした。
●ファラミアとエオウィンの息子の名前はエルボロン(Elboron)
これは掲示板で教えてくださった方がいらした(いち様、大感謝!)ので、そのときびっくりしつくしてしまった感が…。しつこいようですが、名前の意味は「不朽の星」とでもいうようなもの。ボロミアと同じ「Boron」が使われておりまする。うふ。
*補足トリビア*… Elboronは、もともとエルロンドの双子の息子の、一方の名前だったよう。初期の下書きでは、幼名(なのだろうか)がElboronとElberethで、そのうち例のエルラダンとエルロヒアになるもよう。
●ファラミアの享年は120歳【8へぇ〜】
普通の人間にしては長命ですな。彼にはやはりヌメノールの血が流れておったか…。ちなみにエオウィンの享年は不明。計算があってればエオメルの享年が93歳なので、エオウィンも多分これくらいの寿命でしょう。
エオウィンはファラミアより12歳年下ですが、この差を考えてもおそらくはファラミアの死よりちょっと前に亡くなっている可能性高し。う〜む、このあたりで何か物語りが作れそう…。
*補足トリビア*…なお、ファラミアの叔父イムラヒル大公は享年99歳。ファラミアの死ぬ50年前に死んでます。
●エオメルとロシリエルの年齢差は8歳。【5へぇ〜】
つまりはエオウィンよりも4歳下ってことなんですね。へぇ〜。
*補足トリビア*…エオメルとロシリエルの結婚は、ファラミアとエオウィンの2年後でした。
●アラゴルンの恋人の名前は、初期では「フィンドュイラス」。【5へぇ〜】
すいません。最初、このサイトのトップで、「初期ではエオウィン」と大うそを書いてしまいました。「馬」って意味が入ってるエオウィンなわけないよな。ローハンとは言葉の系列が違うし…。
フィンドュイラスの家系にはエルフの血が入っていて、ドル・アムロス大公家はエルフ的名前(っていうのか)を多くしてあるので、なるほどという感じです。
●ファラミアとエオウィンの住むエミン・アルネンの館の庭は、レゴラスが考案・設計する【5へぇ〜】
まあ、レゴラスはイシリアンに住むことになるので自然といえば自然ですが、具体的に庭を考案というか設計(「Devised」という言葉が出てくる)するっていうのがなんかおかしいですね。「レゴラス、ここにベンチが欲しいな」「ファラミアの旦那、そばに噴水を作ると気持ちいいですだ」…違うか。
●「ゴンドール」は当初「オンドール(Ondor)」だった【3へぇ〜】
あっそうてな感じです。言葉の意味としてはGが入るか入らないかでかなり違ってくるのかもしれませんが。
…ということで、とりあえずは以上です。今後もっと真面目に読めば、きっともっと面白〜いことがうじゃうじゃ出てくるに違いない…。すごいネタはまた随時できる範囲(注・すごく狭い)でご報告しまする〜。