ここでは,内蔵のE-IDEを増設する方法を説明します.
用意するもの.
★PC98で生のハードディスクを使う際の注意
秋葉原のショップでは,PC98では生ドライブは使えない,といわれることがあります.(私もあるショップでそのようにいわれ非常に迷った)しかしPC-9821Xa7eに関していえばほぼ問題無く使えます.ただ次のことを守ってください.
1.については各機種で上限が決まっていますので各自調べてください.4.3GBが限界の機種が多いようです.比較的新しいPC-98(たぶんMMX Pentium搭載機種,Oh-PC 99年1月号に載っていた.)においては8.4GBまで認識できる機種があります.ちなみにWindowsの新しいディスク管理フォーマットであるFAT32を導入しても4.3GBを越えるHDDを認識させることはできません.これはハードウェアのレベル(BIOS)で認識できないためです.FAT32では4.3GB全部を1パテーションで確保できるだけです.
もし4.3GBを越えるハードディスクを取り付けた場合,ハードディスクとして認識しない可能性があります.ちなみに私にメールをくれた人でWestern Digitalの6.4GBのHDDをジャンパ設定で認識させた人がいます.でも2.1GBまでしか認識できなかったそうです.
2. Western Digitalのドライブをお勧めします.
3. しかし最近のドライブを購入する意味はやはりあると思います.まず第一に古いドライブよりも回転数が速いこと,第二にキャッシュメモリーが多い,またはより最適化されているので,この二つの理由で有利であると考えられます.しかしそれほど速い回転数のドライブを購入する必要はパフォーマンスとコストの両方の面で得策でない,と考えます.例えば10000rpm越える回転数を誇る高価なIBM製のドライブは,Ultra-DMA/33転送をサポートしていないPC98においては十分に性能を発揮できないと考えられます.やはり5400rpmの廉価なWestern
Digitalのドライブが適当と考えます.
◎IDEハードディスクの取り付け方
それでは,実際に内蔵ハードディスクを交換してみましょう.
カバーを固定しているネジを取り外します.パソコンの左右側に4本,後ろ側に1本あります.カバーは後ろ側に少しずらしてから上に持ち上げてください.
電源ケーブルと信号ケーブルを配線します.ドライブユニットを取付金具から外すと作業がしやすくなります.まず標準装備のハードディスクの信号ケーブルを取り外します.そこに増設キットの中にはいっている信号ケーブル(3つまたのやつ)の端のコネクタ1を標準のハードディスクに取り付けます.また増設金具を2台目のハードディスクに取り付けます.2台目のハードディスクに信号ケーブル(3つまたのやつ)の真ん中のコネクタ2を差し込みます.信号ケーブル(3つまたのやつ)のもう一端のコネクタ3をマザーボードからでているコネクタに接続します.
ネジで固定してください.
パソコンのスイッチを入れて動作を確認します.Tabキーを押しながら起動させると固定ディスク起動メニューが立ち上がります.無事認識されていれば2つ内蔵ハードディスクが現れるはずです.
CD-ROMが搭載されている98に2台目のIDEハードディスクを増設した際に,IDEハードディスクアクセス中にハングアップすることがあります.このような時はスタンダードIDEハードディスクコントローラーを更新する必要があります.更新するドライバはWindows\system\iosubsysのESDI_506.PDRです.新しいドライバはWindows95セットアップCD-ROM内の\Driver\Strage\NECに用意されています.ファイル名は同じです.更新方法は簡単.現在のドライバを削除して,エクスプローラなどで同じ場所に新しいファイルをコピーすればO.K.です.Windows98ではバグフィックスされています.
IDEハードディスクは,SCSIハードディスクより若い番号が割り振られます.つまりマスターに設定した方が,Aドライブ,スレーブに設定した方がBドライブになります.
◎初期化・領域作成・フォーマット
システムインストールディスクを用い再起動します.f・1キーを押してHDFORMATコマンドを実行.(MS-DOSモードで起動し,DISKINITコマンドでもO.Kです.)初期化するドライブを選択したら,よーく確認して初期化を開始してください.装置番号1が1台目のハードディスク,装置番号2が2台目(新しい)のハードディスクです.ここでは2を選択してください.かなり時間がかかると思いますが,途中で絶対に電源を切らないように.私はパソコンを買ったばかりのころ,よく電源を切ってました.1回,2回は大丈夫でしたが,そのうち壊れました.(^^;
まずWindows95をMS-DOSモードで再起動します.そしたらfdiskコマンドを実行します.現在のディスクを2に変更します.次にMS-DOS領域を作成します.領域確保するMS-DOS領域のサイズを指定します.ここで指定できるサイズの最大値は2047MBです.これがMS-DOSが管理できるサイズの限界です.したがって.2GBを超えるハードディスクを使用した場合,必ず2パテーション以上に分割しなければなりません.領域確保が終了したら再起動してください.
MS-DOS領域の作成は,パテーション分割しかできないので,Windows95からフォーマットする必要があります.MS-DOSからもフォーマットできますが,Windows95から行った方が簡単です.まずマイコンピュータを開きます.増設したIDEハードディスクのアイコンがあるか確認してください.確認したらそのハードディスクを選択,右クリックしてフォーマットを選択します.通常のフォーマットを選択してください.所用時間は1分ぐらいです.終了すると結果が表示されます.エラーがでなければ大丈夫.以上の作業で増設したIDEハードディスクが使用できます.
◎データの移行
せっかく大容量のハードディスクに交換したのだから,新しいハードディスクから起動したいでしょう.ここでは新しいハードディスクに以前の環境を引き継ぐ方法を説明します.
環境をまるまる受け継ぐ方法は簡単明瞭,以前のハードディスクの内容を全部コピーするだけです.ただSwapファイルだけはコピーできませんので,除いてください.そのファイルはWindowsフォルダの中にあるWin386.swpです(デフォルト時).全ファイル選択後,これをコントロールキーを押しながらクリックして除いてください.あとはドラッグして新しいハードディスクにコピーしてください.
ここがみそです.まずジャンパピンの設定を変えます.増設したハードディスクをスレーブからマスターに,一台目のハードディスクをマスターからスレーブに変更します.この後,増設したハードディスクと標準装備のハードディスクとを入れ替えます.これで新しいハードディスクをAドライブとして起動できます.
★MS-DOSフォーマットについて
MS-DOSフォーマットを行うとハードディスクの容量が目減りすることがあります.これは物理フォーマットとMS-DOSフォーマットが異なるために起こります.一般にハードディスクは物理フォーマットで1Kバイト=1000バイトとして計算してあります.それに対しMS-DOSフォーマットは1Kバイト=1024バイトです.従ってMS-DOSフォーマットでは,1Mバイト=1024*1024バイト=1048576バイトとなります.例えば,物理フォーマット4300MバイトのハードディスクをMS-DOSフォーマットすると,4300*106/10242=4100.79Mバイトとなります.メーカーは容量が少ないことでクレームが付くのを避けるために,表示されている容量より幾分多いディスクを使っています.ですから,おそらくこの計算結果より幾分多くなるはずです.もしこの計算結果より小さければ,その時は堂々とショップに文句を言いにいきましょう.
★E-IDEハードディスク増設時のトラブル
2台IDEのハードディスクを接続時,再起動したときに,たまに,HDDがビ ジーになって,"システムインストールディスクを入れてください"とメッセージがで
て,内蔵のIDEのHDDを認識しなくなるときがあります. 解決策は簡単で,主電源を切って,10数えてから電源を再投入するのです.これでた
いがいの場合,回避できています. でもほとんどの場合,こんなふうなトラブルには遭いません.Windowsがおかしくなっ
て,無理矢理,再起動した場合とかに本当に稀に起きます.