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「広角レンズで実像に迫る」 |
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「何が何でも相手と向かい合って自分の目で見、新しい発見をし
たい」とポートレート専門に撮り続けている写真家の蛭田有一さ
んが、さまざまな分野で活躍する百三人の日本人を撮影した写真
集「人間燦々(さんさん)」(求龍堂)を刊行した。
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登場するのは俳優、画家、音楽家、作家、建築家、政治家・・・
・と忙しい人ばかりだが、いづれも体当たりで本人に会って撮影
の許可を得た。「ポートレートはその人をどの場所に置くかが重
要なポイント」であるため、相手から日常生活とかかわりの深い
場所を聞き、一か所に絞り込むまで粘り強くロケハンとカメラテ
ストを繰り返す。 |
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例えば漫画家の赤塚不二夫さんは、行きつけの銭湯。脱衣所に大
きな紙を広げて漫画を描いてもらい、赤塚さんはセーラー服を着
て、空を飛んでいるようなポーズを。
「赤塚さんから『何でもするから』と言われ、剣先をのど元に突
きつけられたような気持になった。二ヵ月間どうやって撮ろうか
と毎日考えた。
ポートレートというのは撮る側と撮られる側の緊張感を伴った共
同作業だと痛感 した。」
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四半世紀以上フリーで肖像を撮り続け、代表作は四十三人のスペ
インを代表する芸術家を撮影した「スペインの巨匠たち」。
広角レンズでぎりぎりまで迫り、「カメラを意識させて相手に複
雑な心理の動揺を起こし、実像があぶり出されたところを自然
光で撮る」のが手法。それにインタビューで印象に残った言葉
を付けているのが特徴だ。 |
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六年間かけた今回の企画も撮影後に写真集への収録を断られたこ
とはほとんどなかったという。「撮影を通して、それぞれの人が違
った価値観をもっていて、そういう自由で独立した生きざまが、
人間にとって輝く瞬間なのだとあらためて感じた」
「世紀末の日本人」を記録する仕事をあと五年は続けるという。 |
| (紙面の記事のみ掲載) |
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