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| 2002.9.29 鳥取県立フラワーパークとっとり花回廊 |
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俳句を作るうえで大切なことは
『 自然というものを、よく知るということですね。それによって、
自分も豊かな気持ちになっていくということ。
自然から学ばなくなったら人間はお終いですよ。』
自然から学ぶというのは
『 自然から学ぶというのは、自然からのメッセージをこちらで受
け止めるということですね。それを一句にする。
だから下手な俳句を作っている人は、それが上手くいってないわ
けよ。』
つまりよく観察するということですね
『 そうです。よーく見るということですね。「見るより観るへ」
って私は言っているんですよ。表面的に見るんじゃなくて、しっ
かりと見ているうちに見えなかったものが見えてくるんですね』
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自分自身を誇りに思っていることは
『 自分を知っていること。自分はたいした人間じゃないことを知
っている。
私が今、何をしてきたかといったが、私一人でしたんじゃないと
いうことを知っていること。
大勢の協力をいただいたというのは、私の誇りですよ。一人では
何もできゃしませんよ。』
自分の中で、ここは直したいというところはありますか
『 はっきりものを言うのは自分では誇りに思ってますからね。
しゃべっていることは、全部私自身だから。
もうちょっとだけ痩せたい。そんなには痩せたくないのよ。昔は
痩せてたもんだから、太りたい太りたいと思って、やっとここま
で太れたわけだけど、そしたら止まんなくなっちゃった。』
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| 2003.2.15 句碑除幕式 和歌山県中辺路町野中 |
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花鳥諷詠を簡単に説明すると
『 芭蕉が「しかも風雅におけるもの、造化にしたがひて四時を友
とする。
見る處、花にあらずといふことなし、おもふ所、月にあらずとい
ふ事なし」と「笈の小文」で言ってますね。それを短く言ったの
が花鳥諷詠である。
花鳥諷詠とは宇宙のすべての運行に関わっている人間の生活とか、
人間に関わる自然の四季の移り変わりとかそういう全てが花鳥で
あり、それを賛美し諷詠していくということですね。』
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| 2002.6.20 句碑除幕式 於長野県善光寺 ホトトギス俳人たちと挨拶 |
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俳人になって本当によかったなと思う瞬間は
『 それは思いますよ。瞬間じゃなく年中思っている。
それはもう俳句を作るっていうことは、どんなに幸せなことかわ
かんないですよ。俳句を作ることで人生が楽しいし、つらいこと
もない。なんでも俳句によって救われますね。極楽の文学です』
俳句を作るのに行きづまるってことはありますか
『 行きづまんない人いますか、芸術の世界で。毎日行きづまって
いますよ。毎日行きづまって、それをいかに乗り越えるか努力す
るわけでしょう。それしかない。』
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| 2002.7.17 夏潮句会 於兵庫県芦屋の稲畑邸 |
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稲畑さんは自身を熱心なクリスチャンと思っていますか
『 思っています。なかなか教会に行く暇がなくてね。
でも芦屋の家にいるときは、必ず行きますよ。自分の信仰は、
しっかり持ってますけどね。何かあると祈るわね。
自分が試練に耐えられるっていうのは、自分が耐えたんじゃなく
て、自分に与えられたお恵みによって耐えられると思っているわ
けです。
私の祖父がね、祖父はカトリックじゃないですけども、花鳥諷詠
南無阿弥陀仏と言ったが、宇宙の大きな力によって、自然に、
あるがままにって言ってるのは、私の気持ちと同じですよ。
辛い時は、辛いことに耐えられる力を与えられると私は思ってま
すからね。それが信仰でしょう。だけど私はくさい信仰はいやな
のね。
自分がカトリックだからといって、それを表面に出すよりも自分
の中で消化して、自分のものにしていかないとね。だから信仰を
表に出した俳句は作らないの。』
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| 2003.1.25 老柳山荘のある山中湖からの富士山 |
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あります、あります。超えたいと思ってます。それはそうですよ。
昨日は圓通寺に行ってね。圓通寺に虚子の句碑があるんです。
圓通寺のお坊さんが、虚子先生を超える人は、これからも絶対に
ないだろうと言ってね。』
カチンときましたか
『 カチンとこないわよ。そりゃあ誰だって虚子を超える人は出な
いと思う。
だけど超えようと思うのは、自分を磨こうと思ってるわけで、超
えられるか超えられないかは、何も言ってない。
結果じゃなくて努力ですよ。だから努力するだけですよって言っ
たら、そうそうと言ってね。』
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虚子が日本の俳句界に残した功績とは
『 文化勲章をもらってますよ。俳句の世界に尽くしてきた人って
虚子しかいないと思いますよ。だけど遅かったくらいですね。
反対する人が一杯いたから。俳句に対する理解がない人が一杯い
たからね。』
どういう理由で反対したんですか
『 俳句は文学じゃないと言った人がいたんです。そりゃあ自分の
名前を売るために反対する人も一杯いますよ。
だけどその人達はやっぱりそれだけよね。自分の作品を見て御覧
なさい。お粗末なもんですよ。やっぱり作品で勝負しなきゃ。
作品を残していかないとダメね。』
勲章の他にどんな功績がありますか
『 そりゃあ大きいですよ。俳句は大衆の文芸であると言ってます
ね。だから誰もが俳句を作って自然に親しんできたわけですから
ね。それは大きな功績です。
やっぱり、あるがままにということや、俳句は極楽の文学であり、
存問の詩であるということを広めたっていうことは、大きいと思
うわね。俳句を作ることによって幸せになった人がたくさんいる。
辛い立場にある人も俳句によって救われるということですね。』
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| 2003.1.12 汀子氏が宿泊したホテルから見た下田の日の出 |
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初心者のためのスピード上達法ってありますか
『 ありますよ。やっぱりまねごとです。
これは非常に上達が早い。芸術は人まねから入りますからね。
でもね、今度その人まねから脱出していくのがとても苦しい。
一方、初めからなんともいえない変な句を作る人がいるんですよ。
個性の強いその人が、ある日突然いい句を作るようになるわけね。
だから俳句を作る上達法としては、個性のあるまま作る場合と、
まねする場合のふた通りあるわけね。
どっちがいいかは、自分で選ばなきゃしょうがないですね。』
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今の俳句界を見て特に気になることは
『 本当に雨後の竹の子のように、いろんな人が一杯先生になっち
ゃっているからね。しっかりと勉強した立派な先生がたくさん出
て欲
しいと思いますね。
今は、ちょっとやたら先生みたいな人が一杯いますもの、冗談じ
ゃない。やっぱり自然を見て、自然からいろんなことを学んで、
謙虚な
心になってはじめてね、自に分というものが分かるわけで
しょう。
私だって思い上がっているところはいくらでもあるけど、自然に
対したら、あーダメだなあと思うこと一杯ありますよ。』
(おわり)
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