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「記者手帳」 |
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その情報収集力で「カミソリ」の異名をとり、昨年九月に九十一歳で
亡くなった後藤田正晴元副総理をしのぶ写真展が東京の日中友好
会館美術館で十四日から始まる。
撮影は写真家の蛭田有一氏(64、写真)。一九九四年、芸術家の肖
像写真を集めた作品集を出版する際、唯一、取り上げた政治家が後
藤田氏だった。
「表現者の自由な活動を守るのは政治の仕事。ハト派の重鎮、後藤
田氏を撮りたい」。
議員会館を訪ね緊張した面持ちで主旨を説明。後藤田氏は一枚一
枚「この人は知ってるよ」「この人の作品は持ってる」と丁寧に感想を
語った後、「こんな顔で良かったら」と快諾したという。
「責任を重んじ、恥を知る古武士のようだ」とほれこんだ蛭田氏は、
政治活動から自宅や別荘での私生活まで十年以上、密着。写真展
では六十点余りが語録とともに展示される。
「日本の平和と日中友好に寄与するのが私の仕事」ー自衛隊海外派
遣や小泉純一郎首相の靖国神社参拝に批判的であった後藤田氏が
晩年、厳しい表情で日本の行く末を案じる姿を、蛭田氏は今も忘れら
れない。
(紙面の記事のみ掲載) |
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