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「政界語る50人の肖像」 |
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日本政治に影響力のある政治家やジャーナリスト、政治評論家
らの姿を収めた写真展「政界華肖像」が10日から、港区赤坂9
丁目のミッドタウンで開かれる。
昨年秋の政権交代を挟み、大田区在住の人物写真家、蛭田有
一さん(68)が50人の肖像写真を撮影した。
同時に行ったインタビューから抜粋した印象的な言葉を写真に
添える。16日まで。
国会議事堂近くで、自宅アパートや書斎で、おなじみの政治家
らがまっすぐ前を見据える。モノクロ写真の中の50人は、ほと
んどが無表情だ。
「政治家は被写体として魅力的だが、撮りづらい。どう見られる
か常に意識しているから、カメラの前で素顔を見せない。
特に笑顔は最悪だ。だから、無意識に無表情の写真を撮ってし
まう。そこから様々な表情を想像してほしい」。
2007年夏の参院選で、与野党の議席が逆転、「政治の大変動
が起きる」と感じ、50人を目標に撮り始めた。
「政治家だけだと似通ってしまう」 とジャーナリストや評論家、学
者も対象に加えた。
撮影は短い。シャッターを切るのは冒頭の10分ほど。だが、
その後に何倍もの時間をインタビューに充て、発した言葉を作品
の一部として写真展で紹介する。
「見る人が自由に鑑賞できるのが写真の魅力。だが、被写体が
何を考え、どう生きていこうとしているのかまでは伝わらない。
人物写真家として、そうした部分まで伝えたかった」。
1994年に発表した写真集「人間燦々」で後藤田正晴・元副総
理を撮影したのが、政治家を取り上げるきっかけになった。
国内の著名人103人を扱ったが、最後に出会った後藤田氏の
「古武士のような風格」に圧倒された。その後も撮影を続け、
写真集「後藤田正晴」を発表。
99年には中曽根康弘元首相、02年には鳩山由紀夫前首相の
写真集をそれぞれ出版した。
私生活など「素顔」を収めた写真集と違い、今回の写真展に出
すのは「予備知識がないまま人間対人間のぶつかり合いで生ま
れた肖像写真」。
強烈な思想や哲学を持つ人たちだけに、好き嫌いはあったが、
表情には出さずにシャッターを切った。
党派や政治理念、世代などに偏らない幅広い人選を心がけた。
「僕はそのままの姿をお伝えするメッセンジャー。見る人に判断
してもらえばいい」
若手政治家では、「庶民性と義憤を持っている政治家だと感じ
た」という名古屋市長の河村たかし氏、「政治家としての熱意と
誠実さが際立っていた」 という総務相の原口一博氏が、印象に
残ったという。
今回の写真展には民主党代表選で注目される2人は登場しな
い。小沢一郎前幹事長には、事務所を通じて申し込んだが返事
はなく、菅直人氏側からは了解を得られたものの、首相に就任
し、機会を逸してしまったという。
(紙面の記事のみ掲載) |
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