1998.11  於公演中の伊東市ハトヤホテルの舞台裏
引田天功 イリュージョニスト
 
『 わたし、人の深層心理を考えるのが好きなんです。
 アガサ・クリスティーの「人は騙されることは好まないけれど
 少しだまされるのなら心地よい」っていう言葉を、いつも心に
 とめているんです。
 この少しっていう部分と、トリックをどう結びつけるか・・・・
 これがわたしのマジックです。』
(撮影後、インタビューした中から印象的な言葉を抜粋)
 Copyright (C) 2006 YUICHI HIRUTA. All rights reserved.
1989.11  於東京都調布市の自宅
 水木しげる 漫画家
『 妖怪は範囲が広いんですよ。神秘的な力を持っている。
 たたりもあるし、恐ろしい存在。ですけどもカッパとか愛嬌
 のあるのもいるわけですよ。 
 妖怪としてはですよ、そういう存在を人間に知ってもらいた
 いんですよ。
 それを真面目に伝達する人に対して多少援助するっていう 
 ことはあるんじゃないですか。
 向こうの援助の仕方ってのは幸運しかないですよね。
 運命を左右することでしょうね。』
(撮影後、インタビューした中から印象的な言葉を抜粋)
 Copyright (C) 2006 YUICHI HIRUTA. All rights reserved.
水木
1993.3  於世田谷区砧公園に作品を並べる
 舟越 桂 彫刻家 
 
『 1ヶ月以上かかって彫刻は育っていくわけですね、仕事場で。
 僕がいいっていうところまでやっていくわけですから。
 ある意味じゃ、協力し合ってたっていうこともあるんじゃないかな。
 特に女性の彫刻の場合には、彫っていくうちにだんだん擬似恋愛
 みたいになりますからね。
 いとおしい顔だなと思えるようなところまで迫っていきますから。
 そのようにできたらやっぱり手放したくないですね。大金持ちだっ
 たら売らないですよ、僕 』
(撮影後、インタビューした中から印象的な言葉を抜粋)
 Copyright (C) 2006 YUICHI HIRUTA. All rights reserved.
1990.5  於港区南青山のアトリエ
 岡本太郎 画家
 
『 「芸術は爆発」とは無条件に世界に向かってパーッと開いて
 いくことですね。
 とにかく自分自身を貫くんです。自分自身にも妥協しないし、
 他に向かっても妥協しない。
 普通の絵かきさんは、人に好かれることを前提としているけど
 も、そういうことを考えないでね、全く無条件で爆発していく。
 なんだこれは、と問題をぶつけていく。それが本当の芸術だと
 思いますね。』
(撮影後、インタビューした中から印象的な言葉を抜粋)
 Copyright (C) 2006 YUICHI HIRUTA. All rights reserved.
1990.4  於渋谷区代々木、文化服装学院のマネキン室
 井上道義 指揮者
 
『指揮者っていうのは自分のことを、時には棚にあげても
 いろんなことをしなきゃいけない人ね。それだからこそ、
 なんとしても理想だけは高くないといけない。
 アイデアだけは常にもってないといけない。
 そういう点では、湧き出るエネルギーってのは絶対に必要
 ですね。疲れてたら絶対ダメなんです。』
(撮影後、インタビューした中から印象的な言葉を抜粋)
 Copyright (C) 2006 YUICHI HIRUTA. All rights reserved.
1990.11  於港区、高輪プリンスホテル貴賓館
 井上陽水 シンガーソングライター
 
『 幸せだなと思ってることは時々あるんですよね。
 でも僕は幸せだなと感じてるときにすぐね、いつ終るのか
 なって感じちゃうんですよね。
 ステージに上がるとき、すごく緊張してて、考えることは、
 なんでこんな仕事やっているんだろうとかイヤだなとかね。
 それから緊張してることを、どうやったら周りの人に伝えな
 いようにできるだろうとかね。
 それがかけがえのない時間でもあるんですけどね』
(撮影後、インタビューした中から印象的な言葉を抜粋)
 Copyright (C) 2006 YUICHI HIRUTA. All rights reserved.
1993.9  於八ヶ岳高原音楽堂
 武満 徹 作曲家
 
『 自然の環境が僕の音楽には大変大事なんですね。
 ある大きな宇宙的な法則と音楽のいろんな仕組みが非常に
 近いもののように思いますね。
 人間の中にある自然の感情が今、どんどん失われてると思
 うんですよ。
 音楽っていうのはそういう人間の内面にある自然の感情を
 回復させるものがあると思うしもちろん今、大きな政治権力
 の犠牲になっている人たちに対して、ある祈りの感情を表せ
 るのも、僕は音楽だと思いますね。』
(撮影後、インタビューした中から印象的な言葉を抜粋)
 Copyright (C) 2006 YUICHI HIRUTA. All rights reserved.
1990.6  於目黒区の自宅アトリエ
 泉谷しげる シンガーソングライター
 
『 やった方が面白いんじゃないかなと思うんだよね。
 やり得というか、加害者でいたいということ。
 被害者にまわらないということだな。
 この時代に全うしたほうがよいんじゃないかなと思うね、
 これが自分の時代だと思ってね。
 徹底的に犯罪的にやりたいですね。』
(撮影後、インタビューした中から印象的な言葉を抜粋)
 Copyright (C) 2006 YUICHI HIRUTA. All rights reserved.
1990.5  於世田谷区の自宅寝室
 木の実ナナ 女優
 
『 チャレンジしてない自分は考えられないんですね。
半歩でも一歩でも前進してないといやな性分、江戸っ子ですから。
少しでも前に、常に高いところが好きなんですね。
女優をやってよかったなと思う瞬間は、やっぱりカーテンコールですね。
カーテンコールは役じゃなくて木の実ナナとして出ますから。
そのときの拍手、もう自分が天下を取ったというかね、もう最高、全てが。
すごい快感だし、やっぱり舞台ですね、舞台、舞台ががやっぱり一番 』
(撮影後、インタビューした中から印象的な言葉を抜粋)
 Copyright (C) 2006 YUICHI HIRUTA. All rights reserved.
1993.8  於世田谷区、無名塾
 仲代達矢 役者 
 
『 役者っていまが華ですからね。なまの舞台はその一瞬が勝負
 ですから。もう通り過ぎたら幻ですからね。
 だからいまの華をおっかけてるわけです。ただ残念なことに、
 肉体はどんどん年と共に衰えていきますから ね、悲しいかな。
 それだけに、いまの一本が大事ですね。今日も大事だし、いま
 の一瞬が大事だとすごく思うんですけどね。』
(撮影後、インタビューした中から印象的な言葉を抜粋)
 Copyright (C) 2006 YUICHI HIRUTA. All rights reserved.
1993.11  於鎌倉市、大船撮影所
 山田洋次 映画監督 
 
『 映画館で観客がいっぱい入って、みんなが大笑いしている
 ときね、苦労した甲斐があったなと思うな。
 でも、10人笑っていると1人か2人泣いているっていうこと
 もあるような気がする。
 身につまされるというかほんとにそういうことあるんだよなと
 いうとき、うれしくなって笑う人となぜか悲しくなる人もいる
 んですね。
 映画館だから、大勢で見るからこそ、そんな興奮があるんです
 よ、きっと。』
(撮影後、インタビューした中から印象的な言葉を抜粋)
 
 Copyright (C) 2006 YUICHI HIRUTA. All rights reserved.
1992.6  於神奈川県茅ヶ崎海岸
 笠 智衆 俳優 
 
『 僕のカットになると、ライトマンたちはお茶飲みに行っちゃう
 んですよ。小津先生のOKがなかなか出ないのを、みんな知って
 いますからね。
 先生は僕のをじっと見ているだけです。「笠さん、いろいろやって
 くれるのもいいけどねえ、一番いいのをひとつだけ見せてくれよ」
 なんて言われたことがありますね。
 試写を見ると自分の欠点ばかりが目について、拳闘でポカポカ殴ら
 れてるような気になるんですよ。
 60年俳優やっていて、自分が上手いと思ったことないですね。』
(撮影後、インタビューした中から印象的な言葉を抜粋)
 Copyright (C) 2006 YUICHI HIRUTA. All rights reserved.
1991.3  於新宿区、パナソニック・グローブ座ロビー
 蜷川幸雄 演出家
 
『 この世で誰も創ったことないものを創ってるような気がする
 ときあるよ。
 世界中でこんな演劇観たことあるかなんていってるもんね俺。
 そういうとき、もうワクワクするね。
 演劇の場合、ひとり客席の側にいるのが演出家なんだよ。
 俳優はみんな客席見て仕事してるでしょう。だけど僕だけは
 客席にいるんだよ。だからいちばん初めの観客なのね。
 そのいちばん初めの観客がね、いつでもスリリングでワク
 ワクするような芝居を観たいんだよ。』
(撮影後、インタビューした中から印象的な言葉を抜粋)
 
 Copyright (C) 2006 YUICHI HIRUTA. All rights reserved.
1993.1  於渋谷区の自宅
 市川 崑 映画監督
 
『 真実を真実のように見せるんじゃなくて、この中の真実を解き
 明かしてくださいっていうような作り方が、大変巧緻な映画だ
 と思います。
 あとでよく考えてみると、悲しみだとか喜びだとか、人間って
 いうのはこんなものだっていう真実がボロボロ浮かび上がって
 くる、そういうものを作りたいと思って勉強してるわけですけどね。
 なかなか巧妙にウソはつけないですよ。』
(撮影後インタビューした中から印象的な言葉を抜粋)
 Copyright (C) 2006 YUICHI HIRUTA. All rights reserved.
1993.11  於文京区本駒込、富士神社
 春風亭小朝 落語家 
 
『 落語家には太陽型と月型があって、僕は太陽型でいきたい。
 月型っていうのは、通の人だけが気がついてくれればいいや
 ってことですけど、太陽型はそうじゃないんですよ。
 気がつかない人も振り向かないわけにはいかない明るさとか
 芸の艶とか色気とか、そういうものが必要なわけですよ。
 そのためには相当前向きの努力、研鑽、それから頭脳が必要
 でしょうね。』
(撮影後、インタビューした中から印象的な言葉を抜粋)
 
 Copyright (C) 2006 YUICHI HIRUTA. All rights reserved.
1993.7  於江東区、フジテレビギャラリ-青海倉庫
 草間彌生 画家
 
『 自分でもおかしいと思うくらい、イメージがあとからあとから
 出てくるわけですよ、幻覚を交えて。幻覚とか幻聴だとか今で
 もあるわけです。
 あまりにもイメージがたくさん出てきて、それを鎮静化するの
 に大変ですね。
 今、歴史的な仕事をしていきたいです。後世、100人観て、
 たったひとりの人がこれはすばらしいと言ってくれるような作
 品を残していきたいですね。そのほかは目じゃないです。
(撮影後、インタビューした中から印象的な言葉を抜粋)
 
 Copyright (C) 2006 YUICHI HIRUTA. All rights reserved.
1993.3  於諏訪市上川
 原田泰治 画家
 
 『 俺、無器用なやつだと思うな。調子よく生きれる画家じゃないと思う。
  自分に正直に生きてる画家だと思う好きだな俺が。俺が惚れてる。
  絵にも惚れてる。いい絵だなと思うもん、自分で。
  ふっと会場に行って、久しぶりに恋人に会ったみたいに、会うたび
  に違うような感じ受けるもん、俺。
  人がどう評価しようといい。まず自分の絵に惚れられないようだっ
  たら、人の魂なんか動かせないんじゃないかな。』
 (撮影後、インタビューした中から印象的な言葉を抜粋)
 
 Copyright (C) 2006 YUICHI HIRUTA. All rights reserved.
1992.9  於西麻布スタジオ
   山本耀司 ファッションデザイナー
 
『 どんなことを知ってようと、自分の着るものに対する教養のない奴は
 ダメだっていうことです。
 果物みたいなものです。リンゴは皮むいて実だけ食べるでしょう。
 ところがファッションって皮です。その皮っていうのは、果物の本質が
 そこに色となって皮となって現れてる。  
 日本では伝統的にうわべを装うって卑下しますけどうわべこそ教養である。
 うわべこそがすべてで、見りゃ判る人間の顔と一緒ですね。  
 どう見られたい、どう見せたい、その中で自分の着るものに教養を感じ
 させる人に会うと僕は感激する。』
(撮影後、インタビューした中から印象的な言葉を抜粋)
 
 Copyright (C) 2006 YUICHI HIRUTA. All rights reserved.
1988.12  於横浜市の自宅スタジオ
 大野一雄 舞踏家
 
『 魂の触れ合いの中で感動して、生きててよかったって感ずるような
  踊りでなければダメだと思うんですよね。
  感動のない踊りっていうのは私には考えられない。私にとって、魂
  と魂の触れ合いっていうのは絶対ですよ。
  魂の踊りに関しては、みんな世界共通語のようなもので壁なんか全く
  ないんですよ。
(撮影後、インタビューした中から印象的な言葉を抜粋)
 
 Copyright (C) 2006 YUICHI HIRUTA. All rights reserved.
1993.4  於新宿区中落合、自宅近くの銭湯脱衣所
 赤塚不二夫 漫画家 
 
『 今、人間ってさ、先へ先へ行ってるじゃない。ハイテクの
 時代って言われてさ。
 みんなワープロで打つとか、文字を書くこと忘れちゃって、
 交通の便だってそうだしね。
 のんびりやってきたことを全部捨てていくのが日本人なんだよ。
 昔のよき時代ってあったじゃない。
 今、僕がテーマに取り上げようと思ってるものは、ずーっと
 昔に忘れてきた日本人の心、これをね、やってみたい。』
(撮影後、インタビューした中から印象的な言葉を抜粋)
 Copyright (C) 2006 YUICHI HIRUTA. All rights reserved.