水の楽園 〜Wasserspiel〜


 ザルツブルク2日目。聖アンドレー教会の前の大きな道路を挟んで向かい側にあるバス停からバスに乗ること15分足らずにあるヘルブルン宮殿(Schloss Hellbrunn)。ここに水の楽園と呼ばれる面白い庭園があるというので、朝から早速行ってみた我々。この宮殿の中に入るには必ずガイドツアーに参加することになっているので、入口で料金を払って、ガイドの始まる時間を確かめる。「宮殿と水の楽園の両方をまわるコース」とか「水の楽園だけをまわるコース」などと区別されているので、どのコースにするか選んで買うことになる。どちらも、たしか20〜30分くらいの間隔で入場できる。我々はまず庭園の方へ。
 40人くらいが1つのグループになって中に入った。すると、まず綺麗な池のある小道を通って左の写真にある場所へ。だいたい、なんでここは「水の楽園」と呼ばれているのか? それは単に「王様がイタズラ好きだったから。」 王様はまずゲストを食事に招待して、テーブルの席につかせる。そして、さあ召し上がれとなったその時! 裏にいる家来に目くばせすると、家来がスイッチをON。テーブルから、お尻の下から、背中の方から、噴水がピューーーッ!(左の写真) それを見て王様が大笑いするっていう寸法。王様よぉ、お尻の下からってのはちょっとたまりませんぜ?
 中央の写真は、イタズラテーブルを入場口側から見たところ。ここで入場者全員で記念撮影をした。
 右の写真は、庭園内にある展示室の出口。「はぁ〜、珍しいものがあったな〜」なんてノン気に出てきてると、出口の真横から勢いよく噴水がビューーーッ! これもイタズラ仕掛けのひとつ。油断も隙もあったもんじゃない。



 左の写真は、水車の力を利用して動く人形たち。横幅が5〜6mはあって、なかなかダイナミックな造りになっている。「へぇ〜、すごいね、これは。」なんて見とれてると、また後ろからドシューーーーッ! 僕の横に座っていたオバチャンはもろに噴水の直撃を受けた。僕は間一髪セーフ。おいおい、これ、ホントに濡れるぞ? 面白いけど。しっかし、こんなところにも仕掛けがあったとは・・・・ 恐るべし、王様。
 他にも水の力を利用した仕掛けはいっぱい。その1つがこれ(中央の写真)。王冠が水の噴き出す力で天井を突くまで浮き上がるというもの。ほえ〜。
 そして、そこを出るときにも、ドシャーーッと水攻めに(右の写真)。徹底してイタズラにあう。濡れてもいい格好で行くことをお勧めします。


 水の楽園を一通りガイド付きで見てまわると、最後はこの庭園(左の写真)に出るところで解散になる。広くて綺麗で、森も池もあるし、ひなたぼっこするには絶好の場所。そこから再び宮殿の正面玄関(右の写真)にまわって、今度は宮殿内のガイドツアーが始まるのを待つ。その間、正面玄関に向かって右側にあるテラスで、天気も良いことだし軽〜くビールをば。そして宮殿の中へ。中は特別に何があるという訳ではないが、有田焼や、日本から贈られてきた書簡のようなものも展示されていて、なかなか興味深い。半日観光にはもってこいの美しい宮殿&庭園だった。


 ヘルブルン宮殿から再び市街地行きのバスに乗り、バスの運転手さんに頼んで、レオポルズクローン城(Schloss Leopoldskron)の近くのバス停で降ろして貰った。そこから歩いて10分、映画の中で"船遊び"の場面に使われたこの湖(左の写真)を見ながら、その湖畔のイタリアンレストランで昼食。ここの料理がまた美味かった。岸沿いをゾロゾロと団体が歩いていたが、そのお付きのガイドさんが「ここのレストランは美味しいので有名です」と説明してたくらいだから、ホントなんだろう。場所は、お城の入口を入らずに右に折れて、湖沿いに歩いていくと2〜3分。ちなみに、このお城は個人所有になっているので、観光客は立入禁止。
 で、このお城は、映画でマリア達の家の裏側の風景を撮るのに使われたのだが、どうしても表側が見たくなり、さっきの団体客のバスにその場所まで乗せて貰えるように頼み込んだ。偶然、昨日利用したパノラマツアーの英語ツアーバージョンだったので、昨日の日本語ツアーのチケットを見せたら、なんだかわからないが乗せてくれて超ラッキー。で、まず連れていってくれたのが、さっきのヘルブルン宮殿の庭園の南側にあるお堂(中央の写真)。おお! これは、トラップ家の長女と郵便配達の兄ちゃんがデートする場所ではないの! なんだ、こんな近くにこんな場所があったのか〜。やっぱ、ツアー会社はよく知ってるなぁ。もうけた。
 そのあと、ツアー団体と別れて、トラップ家の正面玄関に使われた家を探す旅が始まる。どれくらい歩いただろう? 迷って通行人のおばちゃんなどに尋ねながらようやくたどり着いたんだが、ここでは正解のみを記す。ヘルブルン宮殿のバス停から外の道に出るとバス通りから横に入る並木道がすぐそばにあるので、そこを数100m歩いていくと、右側に現在は学生寮として使われている建物がある(右の写真)。パノラマツアーの観光ツアーではこの家には立ち寄らないので、自力でいくしかないんだけど、それもまた楽し。


 トラップ家の正面玄関からさらに並木道沿いに30分ほど歩くと、再び市街地が見えてくる。正面には小高い丘があり、その頂上付近にホーエンザルツブルク城が。そしてそのやや下に見える教会が、マリアがいた修道院として使われたノンベルク修道院(Stift Nonnberg)。中央の写真にあるのが入口で、ここで「マリアに会いたいよぉ〜。マリアに会わせて〜。」と柵にはりついていた子供達のことが思い出される。


 そして、最後にトラップ一家がナチスの追っ手から逃れるために隠れた墓地。墓石の配置など、映画の中に出てきた風景がほぼそのまま残っていた。



△▲▽▼◇◆□■ ザルツブルクの総括 ■□◆◇▼▽▲△

 モーツァルトの街、また、映画「サウンド・オブ・ミュージック」の街として知られるザルツブルク。まさにその名の通りで、天候にも恵まれ、実に良い印象をもった。お城であった夜の音楽会も満喫できたし、街に適度に配置された花や緑も綺麗だったし、是非、みなさんにもお勧めの街といったカンジ。

 たった1泊2日のザルツブルクにも関わらず大満足であった我々2人は、夕方から電車に乗って、いよいよ首都・ウィーンへ!


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