ザルツブルク 〜Salzburg〜


 夜、午前0時過ぎ、我々2人はハノーファー駅から夜行でザルツブルクへと出発した。オーストリアで少しでも長い時間を過ごしたいので、今回は朝早くから旅先で動けるよう、夜行列車を利用した。
 夜行というと狭っくるしい客室のイメージがあるが、今回はシュラーフヴァーゲン(Schlafwagen)というデラックスな部屋に宿泊した。なんと、2人部屋のそれぞれにシャワーとトイレがついている(左の写真)。これには驚いた。朝6時前に車掌さんが起こしに来てくれて、食堂車で朝食をとることが出来る(中央の写真)。朝食代はあらかじめチケットに含まれているので、食堂車に行ってチケットを見せ、乗車した際に預けていたパスポートを返して貰えば、あとはビュッフェ形式。テーブルについている人々を見渡すと、ネクタイをした人もチラホラ。夜行とはいえ、みんなけっこう上品な格好だ。客室も快適そのもので、部屋には果物なんかも最初から置いてあるし(右の写真)、さしずめ移動ホテルといったところか。乗車賃はツインのホテル1泊分くらい。お金に余裕があれば、次も是非利用してみたい。

 ハノーファーから夜行でミュンヘンについたのが朝7時ごろ。それから普通列車に乗り換えてオーストリアに入国し、午前9時すぎ、いよいよザルツブルク駅に到着。駅構内をメインの出口の方向へ歩いていくと、街の中心地とは反対側へ出たので、駅から出たあと少し道に迷う羽目に。街の中心へ向かうには、ホームへ降りて陸橋を登ったあと、一見さびれて何もなさそうな方の出口へと向かうのが、どうも近道のようだ。

 今回宿泊したホテルの名前は「マルクス・シティックス(Markus Sittikus)」。(道に迷わなければ)駅から10分ほど街の中心に向かって歩いたところにあり、旧市街地へも歩いていけるので超オススメ。きれいなツインルームが一泊1万4千円くらい。チェックインをすませて荷物を部屋に置き、フロントに置いてある地図やパンフレットをゲット。さあ、いよいよザルツブルク観光へGO!



 ホテルから2分ほど歩くと、まずは新市街へ出る。まず目に入ってくるのが、聖アンドレー教会(上段中央)。この教会の前に広場があり、そこにあるバス停から、市内のいろんなところに行ける。また、広場には"パノラマツアーズ"という旅行会社がスタンドを開いていて、そこでザルツブルク市内ツアーや周辺をまわる一日or半日ツアーに参加することが出来る。我々も、午後からまわるザルツカンマーグートへ行く半日ツアーを予約した。日本語ツアーは2人で1100シリングだったが、ガイドブックの定番「地球の歩き方」を見せると、1000シリングになった。ちょっと得した気分。

 さて、ザルツブルクと言えば! 映画サウンド・オブ・ミュージックでしょう! マリアと子供達がスクリーンの中で「ドレミの歌」を歌いながら駆け回るのが、このミラベル庭園。青空の下で噴水と花壇が映えに映え、思わずよしこも調子に乗って、「ドォ〜レェ〜ミィ〜〜〜!!」 ベンチに腰掛けて現地の人達がやっているようにひなたぼっこしながら、家で作ってきたお弁当を食べた。

「うん、もう、これを味わったから、俺、ここで帰っても満足・・・・」

 旅もまだ初日だというのに、こんな愚かなことをつぶやいていた。このあと、もっともっと楽しい出来事がたくさん待っていたとも知らず・・・・



 ミラベル庭園を堪能したあと、ザルツァッハ川を渡って旧市街地へと歩き出す。平日にも関わらず観光客でごった返していた。まず、モーツァルトの生家(Mozarts Geburtshaus←そのまんまのネーミング)を見物(上段・左)。それから、ザルツブルクで一番大きな大聖堂・ドーム(上段・中央)。正面入口の前にあるマリアの噴水を、ある決まった角度から眺めると、ドームの壁に描かれている天使がマリアに冠をかぶせているように見えるということから、多くの観光客がここで写真撮影をしている。中に入る(上段・右)と、ヨーロッパ最大と言われる6000本のパイプを使ったオルガンが。

 下段はレジデンツ広場。日本人観光客もいっぱい。左がレジデンツの泉。中央はモーツァルト像。右はドームを横から見たもの。やっぱりこの街は、どこもかしこもモーツァルトづくし。でも歴史的には、モーツァルトは大司教と喧嘩してこの街を出ていったので、大人になってからはあまり寄りつかなかったみたいね。


 旧市街から再び新市街へ戻る際にわたったのが、モーツァルト小橋(Mozartsteg)。モーツァルトも渡っていたっていうけど、ほんとかな? でも、綺麗な眺めだったのは確か。映画の中では、マリアが子供達を連れて遠足に行くシーンに使われた。橋の向こうの小高い丘の上(右の写真)にあるのは、ホーエンザルツブルク城(Festung Hohensalzburg)


 今回の旅は、題してオーストリア音楽行脚。実は、ホテルを電話で予約したときに、お城で開かれるモーツァルトコンサートがあることを聞いていて、そのチケットも2人分キープしてもらっていた。というわけで、我々、夕方からドレスアップして出かけました、ホーエンザルツブルク城へ。左の写真は、コンサート会場であるお城の中に入る直前のよしこ。チケットにはディナーの料金も含まれていて、ワインを飲みながら早くもいい気分の僕(右の写真)。中央の写真は、レストランから撮ったザルツブルクの山々。


 コンサートは1時間程度。モーツァルトの曲を中心に、弦楽4重奏に途中からピアノも加わって、美しい調べを奏でる演奏者たち。終わった頃にはもうすっかり暗くなっていた。こうやって、オーストリア1日目の夜は、夢見心地のまま過ぎていったのであった。


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