九大の仲間達とのひととき


 5月11日、久しぶりに母校に顔を出そうと思ったら、ちょうどその日は大学の開学記念日で休みだった。その日はつまり、2年前にボクが卒業した九大工学部物質科学工学科応用化学コースの学生及び職員にとっては、年に1度のソフトボール大会のある日のことを意味する。これはちょうどいい。グラウンドに行けば、他の研究室の先生や後輩たちにもいっぺんに会えるってわけだ。
 というわけで、九大の箱崎キャンパスに行く前に、春日市にある九大総合理工研究施設へと立ち寄った。

  

 毎年ソフトボール大会の会場となる、総理工グラウンドにて。左の写真、よしこの後ろに隠れてシャイなフリをしているのは、今任研(お隣の研究室)の華・城之園助手。そして、奥にいるのは今任研のM2トリオ(島田は含まず)の2人・タムジュン&ソネジュン。ボクの在学中はまだ4年生だった彼等も、既に最終学年に。もう1人のタケキチは就職活動で大会不参加。そうか、お前達も、もう卒業か。時の流れは速いな〜。島田みたいにゆっくりしててもいいんだぞ?
 真ん中は我が今坂研軍団。ボクがいた5年間の最初の4年は、常に準決勝以上まで進みながら、優勝まで1歩届かなかった。そして、最後の年にやっと、決勝で引き分け・2チーム同時優勝なるものを達成したわけだが、今年はついに単独優勝! お前ら、ホントによくやった!
 右の写真は、博士号を貰ったときの副査をしていただいた今任先生。ボクが4年生で研究室に入った当時は今坂研の助教授をされていて、ボクがM2になったときに、ついに教授となって独立した研究室を持たれた。独立される前もされた後も、5年間ずっとお世話になりっぱなしでした。最後は、学位審査の副査までしていただいた。ホントに感謝感謝であります。ちなみに、ボクがデジカメで先生を写そうとすると、即座に「おっ! ソニーのサイバーショットですね?! ボクもそれ、興味あるんですよ〜。」 いや〜、先生、あの時の写真、バッチリこのページに使わせて頂きました。

 グラウンドでは、我がバスケの師・金田助教授にもご挨拶した。金田さんには4年生のころから、バスケットボールの初歩から実戦でのテクニックまで、いろんなことを正に手取り足取り教えていただいた。40度はあったであろう真夏の体育館で、何千回、何万回と1on1を鍛えられた。いてつく寒さにもめげず、延々とシュート練習を繰り返した。実戦ゴール下の争いでは何度もボールを下からかすめ取られ、速攻の時には老獪なフェイントディフェンスで何度もパスをカットされ、大人のズルさを教えて貰った(笑)。日本からドイツまで、わざわざ食料品の仕送りまでしていただいたこともある。ボクにとっては、まさにキン肉マン・グレートである。
 その金田助教授に、この度めでたくご長男が誕生。名前は高廣くん。金田さん、これからは"お父さん"ですね。本当におめでとうございます。卒業してからも失礼なことばっかりやらかしておりまして、ホントにすみません。これからもどうぞ可愛がって下さいね。そして、高廣くんと将来のボクの息子とで、1on1対決させましょう。

 

 この日本一時帰国が決定してから、まず真っ先に頭をよぎった言葉。それは、

長浜ラーメンが食える(幸)。

 ドイツで食べるのは、日本から仕送りして貰うインスタントラーメンばかり。ドイツに来てからは、デュッセルドルフで初めて「インスタントではないラーメン」を食べたが、味は「うまかっちゃん」の方が上だった(涙)。  で、春日キャンパスを出た後、昼食はラーメン!とばかりに、那の津通り沿いにある「元祖・長浜ラーメン」に直行。美味かった〜〜! ほんと久しぶりで、一杯400円は数年前よりちょっと値上がりしたけど、替玉50円、替肉50円はまだまだ健在。もともとこの店は一杯の量が多いんだよね。替玉、替肉を一回ずつの500円で超満腹。これ、日本に帰って埼玉に行っても、やっぱ500円でこの味と量は手に入らないんだろうなぁ。ああ、もっかい行きたいぃぃぃぃぃぃぃ。



J&Nな後輩達と夜研会場にて
最後列左から JでもNでもない一匹狼なヨゴレ・三木
この野獣共をとりしきる猛獣使い・ドクトル河野
二列目左から N'sとJ'sの両方に属する希有な存在・Nジモ
楽勝河野研の幻の一期生・Nヤマ
彼もN'sとJ'sをかけもちのカーブレイカー・のりジュン
最前列左から イギリス帰りのランニングバック・Jグリーン
中洲のお風呂が大好きなオフェンスガード・Nハメ
J's広報部長で事実上の現J's首領・松本潤一

 母校訪問最大の目的。それは「夜研」。思えば、学生時代の最後の半年、ずっと研究室に泊まり込んでいて、「住民票を大牟田の自宅から九大の研究室に移そうかな?」と本気で考えたほどだったあの頃。先生達がみな帰って、学生だけになった後のあの甘美な時間。そんな時、ボクのいつもの一言、
「ん? 今日、夜研?」
で、その全ては始まるのであった。
 後輩達と共に、ビールや酒、つまみ、ときには、ホカ弁なども買ってくる。そして、集まってくるのは、NやJな後輩達。「夜研」とは"夜の検討会"の短縮名称。検討会とは、今坂研で毎週土曜日に行われていた「学生の最近の研究成果の報告会」のこと。言い換えると、一人の学生を"お前最近全然やってねえじゃねえか"と突き上げる場である。しかし、我々ダメ学生が独自に開く夜の検討会の趣旨は、全く別の所にある。議題に上るのは、プライベートなこと、人間関係のこと、バスケのこと、テニスのこと、そして極々まれに、研究のこと。要は、あれこれ自分の言いたいことを言って飲んで騒ぐのである。ここでは書けない反社会的行為(軽犯罪法違反など)なども、特にNな人間達を中心にたまに行われることもある。
 ここで「JだのNだの何なんだ一体!?」という疑問が一般読者の方々にはおありでしょうから、軽く説明すると、

教祖(グルともいう)下原潤治を頂点とするアンダーグラウンドな反社会的組織・J's(ジェイズ)の構成員を表現するときに使う今坂研内特有の文字。要は、ダメダメな人々。名前のどこかにJというアルファベットが入るからすぐにわかる。1993年3月、Jの始祖である下原潤治が今坂研に入って以来、各学年毎年1人以上のJな人間が加入しており、その後のOB、OGを加えると、すでに結構な人数になっている。「う〜ん、こいつはどうしようもないな。」そんな人があなたの身の回りにいたとしたら、その人はJ'sのメンバーである可能性大です。気を付けましょう。
1997年4月に今坂研に入ってきたグループの中で、特殊な人格と生活スタイルをもった集団の構成員を端的に指すときに用いる今坂研内特有の文字。Jに支配されていた研究室に新風を吹き込んだ、もう1つの反社会的組織・N's。彼等の平均年齢は、J'sのそれに比べて若く、また幸か不幸か大きな体躯と優れた身体能力を有しているのが特徴で、そのため、Jな人々が化学兵器や心理作戦を得意とするのに対し、N'sのメンバーは、より物理的な直接攻撃を好む。

 彼等を何とかとりまとめて、スムーズに社会復帰出来るようにリードしてあげるのが、ボクの役目だったわけ。まあ、夜研はカウンセリングの場で、ボクはカウンセラーみたいなもんだったんですな。

 それにしても、久々の夜研は楽しかった。次の職場では、もうあんなハチャメチャは出来ないだろうな。もうみんな卒業しちゃうし。とりあえず、学生時代の最後の楽しかった時を、再び味わうことが出来た。集まってくれた後輩達に、ホントに感謝、感謝である。