− 1999年1月の旅 −

 ハンブルクの旅  by ひろゆき 

 今回の旅の目的、それは「パスポートの更新!」 う〜ん、なんか今いちグッとくるテーマじゃないなぁ・・・ でも、僕のパスポートの有効期限が1999年7月で終わるのは確かだし、それやんないと、ビザの延長手続きだって出来ないし。ああ、そしたら、国外追放・・・・ いかん。それは避けねば。というわけで、1月の旅の行く先は、我がハノーファーから最も近くの日本総領事館があるハンブルクに決定!
 ハンブルクは、北ドイツの中でも北部に位置し、あと100km足らずで北海にだって面してしまうというドイツ第一の港町。そして、人口はドイツで2番目に多い大都市。もっと言うと、ヨーロッパで一番多くの橋が架かるロマンティックな街。ブラームスが生まれ、ビートルズがデビューし、ヨーロッパ大陸で初めてミュージカルが上演されたエンターテイメント・シティ。
 さてさて、このヨーロッパ有数の巨大都市・ハンブルクでの日帰り旅行、どんな出来事がひろちゃん&よしこを待っているのか?


ペトリ教会より観光開始

 ハノーファーは暖かかったけど、ハンブルクは寒かった。街中の温度計によると、ハノーファーより3度ほど低く、摂氏2〜3度くらい。でも、気温よりもずっと寒く感じる。
 ところで、ハンブルクの街は、建物一つとってみても、とにかく垢抜けてる! やはりハノーファーとは全然違う。首都ベルリンよりも、さらに豊かさを感じさせる街だ。ガイドブックには、「ドイツの若者が最も訪れたがる都市」とある。う〜ん、納得。
 写真は、ハンブルク中央駅から日本総領事館のある市庁舎前まで徒歩で向かうところ。途中、大きな教会がドデーン、ドデーンと建っている。その中の一つ、ペトリ教会をビデオに納めているのは、ご近所の宗倉さん。今回、近場の日帰り旅行ということで、一緒に旅することになった。
 う〜ん、それにしても、なんだかな〜。街全体のムードが違う。大都会と古い建物の融合。これがハンブルクか・・・ なんにせよ、いよいよ観光のスタートであ〜る。


美しい街並み

 ここはハンブルク市庁舎前にある運河・クライネアルスター。この運河を北に辿っていくと、街の中心とは思えないほど広々としたたたずまいのアルスター湖に行き着く。この運河のほとりに、鳥たちがたくさん戯れていた。実にのどか。こんな大きな都市に、こんなのどかな風景が溶け込んでいるとは。すでにハンブルクの魅力にとらわれ気味の我々3人。
 総領事館でパスポートの更新申し込みを済ませた後、いよいよ本格的に市内をプラプラすることに。


本屋さん

 市庁舎前広場から西へ歩くと、ルイヴィトンやバーバリーなどの有名店が建ち並ぶ、ドイツで最も魅惑的な高級ショッピング街"Neuer Wall"。よしこがショーウィンドーの前に立ち止まらないよう祈りながらこの通りを南に抜けると、また運河に出る。そこを右折すると、本屋さん。そう、看板も正に""屋さん! 写真でも分かるとおり、ここは日本の書物専門の本屋さんだぁ〜っ!! はぁ〜〜〜、やっぱあるとこにはあるんだな〜。日本の本や雑誌なんて、僕が知っている限り、ハノーファーでは手に入んないもんな〜。中に入ると、あるあるある! 小説やマンガから図鑑、辞書まで、ありとあらゆるジャンルが揃ってる。僕の好きなスポーツ雑誌"Number"なんかもちゃ〜んと。しかも最新号が! しかし、やっぱり大きな問題が。た・か・い!! 例を挙げると、日本で500円ちょっとのマンガも、ここでは約20マルク(1400円くらい)。ま、航空便だから当然だけどね。ん? マンガや小説なんかも航空便なのか? 船便でいいじゃんか、船便で。


ラッツケラーでハンブルク料理

 ここは、市庁舎からちょっと離れた橋の上。市庁舎はあまりにデカイので、近くからは写真に入んなかったのよね。だから、こんな離れたトコまで来て記念のツーショット。とにかく大きくて迫力がある。ハノーファーの市庁舎もなかなか好きだけど、ハンブルクのは圧倒されちゃうな〜。
 昼食は、市庁舎の中にあるレストラン(ラッツケラー)で。店内は天井から帆船模型なんかがぶら下げられていて、いかにも船乗りの街といった雰囲気。そう! ハンブルクと言えば港町。魚(うお)だ魚(うお)だ〜い!  というわけで、新鮮な魚料理が食べられるはず。宗倉さんとよしこは、大の魚好き。僕は魚はあんまり。で、コレとコレとコレという具合に、ウェイターのおじさんに典型的なハンブルク料理というものを教えて貰いながら注文。で、出てきたのが・・・・
宗倉さん:魚と豚肉を合わせたミンチ風のものに目玉焼きが乗ったヤツ(名物・ラプスカオス)
よしこ	:ニシンのマリネ
僕	:サーモンを焼いたヤツ
二人は「なぬ〜?」 期待していたのとはちょっと違ったみたいね。で、僕だけ「あったり〜!」とばかりに、バクバクいただく。かっかっかっ。無欲の勝利。でも、あまりに二人の落胆ぶりがひどかったので、二人に僕のサーモンを全部あげて、あとの二つのほとんどを僕が食べることに。でも・・・・ あとの二つも美味しいよ? あ、単に僕が味に無頓着なだけか(笑)。もとい。包容力豊かな味覚を持ってると、こんな時、得だね〜!


路上の一風景

 街を歩いていると、最新型のVW(フォルクスワーゲン)ビートルが。営業車みたいだったけど、かっこよかったので、ちょっと一枚。僕は滅茶苦茶ミーハーなので、こんな車には目がない。最近、ドイツ車にも目が慣れてきて刺激を欲していたので、こんなおニュー(死語?)な車に出会うと、つい、はしゃいでしまう。


夜のアルスター湖

 ハンブルクはショッピングの街として名高い。我々3人は、いろんなお店、主に陶磁器の店を中心に見てまわった。さすがに品揃えが豊富で目移りしてしまう。よしこは約900マルク(約7万円)のマイセン陶器に釘づけ。宗倉さんは約2000マルク(約15万円)のこれまたマイセン陶器に釘づけ。・・・・・・・・しかし、高い。3000マルクくらいの出費覚悟で来ないと、買えんわぁ〜。
 そんなこんなで日も暮れて、再びアルスター湖へ。総面積184ヘクタール、"ハンブルクの真珠"と呼ばれる(らしい)この美しい湖。春は満開の桜で湖畔がピンク色に染まり、夏はヨットやウィンドサーフィンの帆が風にたなびき、秋は輝く紅葉で彩られ、そして冬は氷が厚く張ればスケートリンクに早変わりする。この日は氷が張るほどの寒さではなかったが、しっぽりとした夜景の雰囲気に酔いながら、湖畔を散歩する我ら三人。


回転寿司レストランで夕食

 晩ごはんは、日本人が握っているという寿司屋へ。と言っても、回転寿司。中に入ってみると、いるいる、日本人の職人さんが。すぐ近くの席に座って話しかけてみる。バリバリの大阪弁。おもろい人やったな〜。とにかく出るわ出るわ、ドイツでの小咄(こばなし)が。こっちで何年も握っている人らしく、いろんな体験をもっておられる様だった。途中から握るのもそこそこに話に夢中になってたからね。でも、寿司は確かに美味しかった。ハノーファーの寿司屋とは桁違い。何が違うのかと聞いたら、どうも"酢"のようだった。魚の質は、今の世の中、ドイツ国内の大きな都市だったら、あまりどこも変わらないらしい。米もカリフォルニア米とのこと。ま、他の店はスペイン米とかかも知んないけど。でも、"酢"だけは、きっちり日本から取り寄せてるって。ヨーロッパの酢って、いわゆるワインビネガーとかあの辺(どの辺だ)のものだから、やっぱり日本の味ってヤツは出ないらしい。とにかく、久しぶりに美味しい寿司を食べた。ヨーロッパでここまでの味を出しているんだから、よくやっていると言うべきでしょう。ここは、オススメです。


歓楽街・レーパーバーン

 例えば、ハンブルクを知ってる人間に、誰でもいいからこう聞いてみる。
「ねえ、ハンブルクの見所ってなに? なんかいい場所ある?」
すると、彼等はこぞってこう答える。
「レーパーバーンへ行くがいい!」
 ここは悪名高きレーパーバーン。"最も罪深き1マイル"と呼ばれている大歓楽街。はっきり言って、日本ではこんな場所が街中に公然とあるなんて、PTAが許しちゃおきません。マジでひどいです。もう、宗倉さんとあたくしは、大通りにギッシリひしめく「ある特別な種類の商店街」の中を歩きながら、店内がチラリと見えてはウハウハ、どぎついショーウィンドーを目の当たりにしてはギャーギャー言って行軍を続けるのでありました。
「うお!? 宗倉さん、これ、いいんですかね〜。こんな公衆の面前で。」
「な!? ちょっと、ちょっと。これ見てよ、これ! いかがわしいね〜。」
正直言って、我々、端から見たら完全に"おのぼりアジア人コンビ"でありました。よしこは、終始、他人の振り。おいおい、無理だって。お前もどう見たって連れの日本人観光客じゃんか。よしこもしっかり呼び込みのおっちゃんに攻撃されまくりでした。
 レーパーバーンに行ったという証拠を何とか学生A(わたくしの同僚)に見せたくて、また、皆様にも紹介いたしたく、どうしても通りに面するショーウィンドーの中を写真に納めたいと妻にお伺いをたてたが、「絶対にならん! こんなん、ホームページに載せられん!」ということだったので、申し訳程度に、この通りの公衆トイレをば撮影。でも、このトイレの雰囲気からして、この通りがいかにいかがわしい場所かがわかるでしょ? だって、この近辺の横町には、「危険のため女性立入禁止(冗談抜き)」という通りだってあるんだから。結構、怖い場所でもあるね。


いざ帰路へ

 今日の目的はおおむね達成し、いざ、我らがホームタウン、ハノーファーへの帰路に就く我々3人。写真はハンブルク中央駅構内。さすがにメチャ広い。
 まあ、今回は、ほんのさわりだけをかいつまんで味わったというところか。書くのが遅れたが、我々は今回、往路復路共に、IR(インターレギオ・地域急行)を利用した。これでも片道約1時間半。ハンブルクまでは近い近い。いつでも来れる。帰りの車内では、今回の旅の感想を述べ合うと共に、また次回訪れるであろうハンブルクへと思いを馳せるのであった。宗倉さんも大満足。国内旅行とは言え、一人で旅するのはちとエネルギーがいるとのこと。旅は道連れ。宗倉さん、ハノーファー駅に着いて一言。
「その方達、これより二人だけで国内旅行することは、まかりならんぞ?」
ははぁ〜っ。次回もお供させていただきまする。


あとがき&次回予告

 一日かけてハンブルク市内をいろいろまわったけど、こんなんでハンブルクの魅力を全部堪能しきれたはずがない。てなわけで、「2月の旅」は再びハンブルク。だって、今回はパスポートの更新手続きをしただけだから、またもう一度、今度は新しいパスポートを取りに行かなきゃなんないんだもん。で、次回はせっかくだから1泊2日にして、ハンブルク周辺の地域も探検してこようかと思います。では、次回まで、お楽しみに。

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