ここがお目当ての靴屋さん。ここで、ひろちゃんは、「来てよかった〜」という気分を味わうことになる。
 店の前にあるショーウィンドーを覗いていると、普通の(観光客相手の)アテネのお店なら、必ず中から呼び込みの係が飛んでくる。でも、この店には呼び込みなどおらず、店の外に知らん顔で煙草を吸っているおじいさんが一人立っているだけ。下手すると、店の人とはわからない。でも、こちらが「この靴に興味があるんだけど」と声をかけると、「そうかそうか、じゃあ入んなさい。」(という感じ。ギリシャ語だから、よくわからない。)と、満面の笑顔で迎えてくれた。
 こじんまりとした店の壁一面にシューズボックスが並んでいた。コレを眺めるだけでもかなりの年季を感じる。店全体に「職人さんの店」を感じた。「これもいいよ、あれもいいよ。」と、シューズボックスの中からいろんな靴を出してくれた。普通ならどんどん値段がつりあがっていくのに、このおじいさんは似たような値段の靴しか出してこない。しかも、おじいさんが勧めてくれるのは、みんな安くておじいさんの手作りのものばかり。値段は街の中心で買うのに比べて半分以下。でも、パッとみただけで素人にもその質の良さがわかるし、手触りもいい。なんといっても、このおじいさんが気に入った。ギリシャ語しか話せないけど、身振り手振りで親切に応対してくれた。ここで、ギリシャ語で"大きい"が「メガロ」と言うこともわかった。ひろちゃんは自分の足にピッタリの靴を選んで貰い、大喜び。ひろちゃん&よしこは、とってもいい気分になったので、「おつりはいりませんよ。」と言ってお金を差し出したら、おじいさんもとても喜んでくれて、なんとおつりを余計にくれた。とにかく、ホントに安くて良い靴を置いている店でした。