念願のパルテノン神殿も見ることが出来て、かなり興奮気味のひろちゃん&よしこ。日も暮れてきて、さて、昨日閉まっていたタベルナへと足を向けた。が・・・・またもや閉まっている。年末の休暇かしら? そこはあきらめて、グルメブックに載っていたプラカ地区にあるタベルナへ行くことにした。プラカ地区をくるくる回りながらその店を見つけた。でも、おじさんがかなりしつこい客引きをしている。「本当にここ?」と不安に思い、外においてあったメニューをみたが、まぁまぁの値段だし、入ってみようということになった。

 ボーイさんは案の定、これもおいしいよ、あれもおいしいよと高いものから薦めてくる。日本語で。よしこが「タコ」が食べたい。と言うと、「タコのマリネがあるよ。でも、タコとエビのマリネがおいしいよ。」とボーイさんが言った。エビは高いだろうなぁと思って、「エビはいらない。タコのマリネをください。」と言って注文した。いろいろ薦めてくるボーイさんを「とりあえず、これだけで。」と振り切って、なんとか注文終了。

 いろいろと料理が出てきたのだが、グルメブックに書いていた通り、確かに、おいしい。「怪しい店かと思ったけど、そうでもないやん。」なんていいながら、食事もおわり、さ、そろそろ、お勘定しようかという時に、ボーイさんがグリルした魚を2皿もってきた。「え? これ、僕たちのですか?」と聞くと、「そうです。」と言う。私たちは全く頼んだ覚えはない。「いや、頼んでませんよ。」と「いや、頼んだ。」の押し問答。「だって、これ、タコですよ。」とボーイさんが言い出した。「え? タコはこれでしょ?」とマリネの皿をさすと、「それは、オクトパス(英語でタコの意)だよ。この魚がギリシャ語でタコと言うんだよ!」と答えた。これは、あやしい。だって、「タコとエビ」としっかり日本語で言ったんだから。ここでちょっとカチンときたひろちゃん&よしこは「でも、これの分を払うお金、持ってないし、頼んでないんだからいらない。」と強気に出た。すると、ボーイさんは「ひとつでもいいから食べてくれない?」とお願いモードで言ってきた。「いや、お金持ってないから。」とひろちゃん&よしこはお勘定を済ませ、店を出た。

 「注文したと思った」とか言うなら、言葉の行き違いだったかもと思うけど、あの「タコ」は絶対うそだよね。と話しながらホテルへと向かった。やっぱり、大抵の日本人は英語は苦手だし、お人好しな部分もあるから、ターゲットになるのかなぁ。だけど、確かに、やっぱり、ひろちゃん&よしこもお人好し。「本当にタコって魚あったんなら、ちょっと、悪かったね。」と思い、ホテルの人に「タコっていう魚、ありますか?」と聞いちゃった。答えは「ないよ、そんなの。」だった。