− 1998年10月の旅 −

ドイツ統一記念日・ベルリンの旅
  by ひろゆき

 僕にとって「10月の旅」の訪問先というのは、実はずっと前から決まっていた。ドイツの秋といえば、Oktoberfest! ちがう、ちがう。確かにオクトーバーフェストもいい。みんなビールを片手に大・お祭り騒ぎだ。特にミュンヘンのものが有名で、テレビのニュースでやたら報道してた。来年は是非ミュンヘンに行きたい。ただ、その前に、ドイツで10月と言ったときに、思い浮かぶものがあるだろう! そう、それは「10月3日・東西ドイツ統一記念日」。これ、これ。これですがな。
 今でこそ、この国は"ドイツ連邦共和国"という名前でヨーロッパの中心として君臨しているけど、ほんの8年ほど前までは、この世には東と西に2つのドイツが存在していた。そして、1989年11月9日、世界は震撼していた。永遠に存在し続けるかのように思われていた「ベルリンの壁」。東西冷戦、イデオロギー対決のシンボル。それが突然、自由を求める市民たちの手によりボコボコに壊されるシーンが、テレビを通じて目に飛び込んできたのだ。当時、成人式もまだ迎えていないポケーッとした若者だった僕には、何がどうなって壁が取り壊されることになったのか知る由もなかったが、その歴史的大イベントを境に、世界の構図がガラガラと音を立てて作り直されていった。なんてったって2年後の1991年には、"あの"共産主義国家群の総本山・ソヴィエト連邦が消滅しちゃったんだから。
 まあ、10月3日は"1990年、正式に東西ドイツが1つの国になった日"なんだけど、とにかく、統一記念日と言えば僕は、誰がなんと言おうと、衛兵の機銃掃射をくぐり抜けながら壁を乗り越えて命がけの亡命を敢行するのではなく、全世界注視の中、満面の笑顔で堂々とブランデンブルグ門を通って東から西へやってくる人々の歓喜の姿しか思い浮かばないのであ〜る! というわけで、今回の旅のテーマ。

自分も、あの"ブランデンブルク門"の下をくぐりた〜い!
そして、全部消えちゃう前に、あの"ベルリンの壁"に、
一度でいいから触っておきたぁ〜〜い!


この「進め! 電波少年」的なノリで、僕は、かねてから抱いていたその2つの想いを胸に、妻と二人分のベルリン行きの切符を買ったのであった。

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10月3日(土)

10月4日(日)


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