第50期 王将戦・前夜祭

〜あこがれの棋士達との夕べ〜


 何度も言うが、ボクは将棋が大好きである。自分で指すのもヘボながら大好きであるが、プロの将棋を見るのも大好きだ。そして、現在のプロ将棋における7つのタイトル、竜王、名人、王将、王座、王位、棋聖、棋王。この全てが、ボクと同じ歳の棋士達で独占されていることも誇りに思っているわけである。
 そんな将棋好きのボクであるが、この度ついに、その7つのうちの1つ、王将戦の第三局前夜祭に出席する機会を得た。しかも、対局者は、あの羽生谷川である。プロ野球で言うなら俺の秀喜vsイチローである。ボクの「あこがれの2人」である。しかも対局場は、あの伝説の「陣屋」。ぬおおお! それでは突撃レポート開始!



 1月28日の日曜日。道はスキスキだったので、朝霞の自宅から車で1時間半。神奈川県秦野(はだの)市鶴巻温泉の陣屋にて。この旅館は、将棋や囲碁の対局場としては、いわゆる「メッカ」である。まさか自分もここを訪れることになろうとは・・・ 感激。陣屋は老舗にも関わらず、とても親切なホームページを持っているので、詳しくはそこを参照されたし。



 昼食は陣屋の中にある「お狩場レストラン」にて。予約していたので入り口の看板に「河野様」の文字が。またもや感激。お狩場炭火焼コース・3500円。刺身が美味かった。



 昼飯を食った後、温泉でひとっ風呂あびた。入湯料1人800円。もちろん何度入ってもOK。左は男湯で右が女湯。午後1時すぎの昼めし時だったので、独占状態。それをいいことに女湯をタオル一枚の姿で撮影しに行った。そしたら、撮影を終えてカメラを片手に女湯を出た瞬間、従業員のおっちゃんにめっかった。危うくのぞき魔と間違えられそうに。どこへ行っても綱渡りの人生である。



 温泉につかった後は、写真にある軽食レストランで、池の鯉を眺めながら生ビールを1杯。昼さがりのささやかな贅沢である。よしこはニンプなのでほとんど飲めないから、ボクの分はさらに倍! おお! 篠沢教授、あんた今週も20倍かよ!みたいな☆ たまに飲むと、少ない量でも酔えるものである。



 前夜祭が始まるまでまだ少し時間があったので、秦野市を散歩してみた。陣屋の女将さんが地図をくれて周辺の名所を詳しく紹介してくれた。前夜祭の準備でお忙しいのに。嬉しかった。
 名所は、小田急線・秦野駅の周辺に点在している。左は赤門。どうもこのあたりは武家がしきっていたようで、この門はその武家の子孫の方個人の家の玄関になっている。自宅が市の名所だってんだから、相当の名士なのだろう。
 右は、延命地蔵。あ、さっきの赤門の表札にあった名前が、ここの柱にも刻んである。やっぱ名士なんだ。



 延命地蔵から200mくらい離れたところにある、大きなけやきの木。両手を伸ばして周囲を測ったら、1周するのに9回手を伸ばした。よしこが黒いセーターを着て木の麓に立っているのがわかるだろうか? でかい。
 それからさらに歩いていくと、道ばたに無人の売店が。オレンジのかごの中に、さといもが1袋100円ですと。はい、ちゃんとお金を貯金箱に入れて買いました。でも、牛フンは買いませんでした。のどかなり。
 散歩が終わったと、夢の舞台へ上がる前に、もう1度お風呂に。ああ、緊張!!



 そしていよいよ! 午後6時から前夜祭の始まりである。ああ、もう何から話してよいやら! ともかく美味そうな料理が並んでいるが、それどころではない。いきなりであるが、両対局者とツーショット。何たる幸せ・・・・ 現在の将棋界の第一人者・羽生善治五冠はボクと同じ30歳。そう話すと、快く握手してくれた。いや、誰とでも快く握手するのだろうが。しかし、あまりに緊張して、聞きたいことを十分聞けなかったのが残念だ。羽生さんは人気者だから、ボクの後ろにも話したい人の行列が出来ていたし。また、翌日から対局があるので、第二局まで1勝1敗ということもあり、少しナーバスになっていたのだろうか・・・
 一方、谷川浩司九段は、めちゃめちゃ気さくに話してくれた。実に大人であった。よしこのおなかを見て、子供の話もしてくれた。谷川さんは、史上最年少の21歳で名人になった天才である。現在38歳。羽生さんがプロになろうと奨励会へ入門した時の名人が谷川さんであった。以来、彼らは100局以上も対局している。宿命のライバルといったところだ。



 今回一番収穫だったのは、左の中村修八段(本対局の副立会人)と出会えたことである。TVで見る中村さんは非常に面白い人柄であるが、生の中村さんもそのままの人だった。冗談を交えて、最近生まれたご自分のお子さんのことなど、たくさん話をしてくれた。トップ棋士なのになんてファンに優しい人なのだろう。よしこも一気に中村八段ファンになった。
 右は大御所・中原誠永世十段(正立会人)。かつては棋界の太陽と呼ばれた大名人である。あのスキャンダル以来だいぶ斜陽ムードがただよったが、まだまだ実力はトップクラス。ボクも小さい頃、中原名人の本を読んだことがある。ただ・・・・ やはり、何を喋ってよいのやら・・・・ 「林葉さんはボクと同郷なんですよね〜♪」なんて切り出せるはずもなく。中原さんは気さくそうで、何か話してくれそうだっただけに、残念。


 前夜祭の最後にお楽しみ抽選会があった。参加料(1人5000円)を払ったときにもらった番号札が抽選番号というわけだ。参加者は60人程度。4人が扇子を、そして2人が両対局者の直筆色紙を貰える。う〜ん、我々は2人で2枚もっているんだが・・・・? 4人のプロ棋士が当たり番号を1枚ずつ引いていく。おおお! 扇子が当たった! ラッキー! よしこは中村八段に扇子を手渡されご満悦の表情。
 プロ棋士が宴会場を後にした後も、一般のファン同士での交流は続いた。ここで、夫婦で色紙と扇子が当たったというご夫婦と仲良くなった。我々夫婦はこのような前夜祭は初参加だったが、このご夫婦(というか旦那さん)は、もうプロ棋士との交流はベテランで、いろいろこの類の情報を教えていただいた。またお会いする機会もあるだろう。


はぁ〜〜〜、夢みたいな1日だった♪


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