‘40ミリボール’

 「うわ、でかっ!」

 以前、練習のときに40ミリボールを見たときの第一印象である。そのときは実際に打たせてもらい、ゲーム練習もさせてもらった。

 そのときの打った感じでは、少々打球点が狂っても振りきればコートに入るというのと、やはりスピードが出ないのでパワーが必要かな、ということであった。

 直径にしてたかが2ミリなのだが、されど2ミリである。容積にしてみればかなり大きい。

 スピードが出ないということはそれだけラリーが続くということになる。今までと比べるとノータッチで抜けることが減ってくるのではないだろうか。

 ラリーが続くということはその分見ているほうも面白いと感じるのではないだろうか。今まで卓球はスピードが速く、ラリーがそう続かないために素人さんには見ていても面白くなかったのではないかと思う。

 それがラリーが続くことにより、今よりスピードが遅くなるとはいえそれでも卓球は瞬間のスポーツで、見ている人にも緊張した雰囲気が感じられるのではないか。
 今月17日に全日本選手権の男子シングルス決勝がTVで中継されていた。

 元中国代表の偉関選手と今はヨーロッパでプレーしている松下選手との対戦だったが、非常に緊張感のあるラリーが続き、見ている側にもそれが伝わってくるような感じだった。

 その理由の一つとして、両者ともワールドクラスの選手であることがあげられる。世界で修羅場をくぐってきたこの2人の対戦だったからこそラリーが続き、スーパープレイもうまれたのだろう。

 そしてもう一つの理由に、今回40ミリボールが採用されたことがあげられる。ほんのわずかではあるがスピードが遅くなったために松下選手のカットが偉関選手のボールのスピードに遅れず、抜かれることが少なかったのではと思う。

 見ているほうは面白いが、やるほうは大変である。打球点やラケット角度を変えていかないといけないだろう。技術だけでなくラバーやラケットを変える必要が出てくるかもしれない。

 年が明けたら、私もラバーを変えて、弾む接着剤も使って(今までは使っていない)、40ミリボールにスムーズに対応できるよう頑張っていこうと思う。