シャンカラがシュリンゲーリで過ごしていたある日のことです。彼は、母の死が近づき、彼に会いたがっているのを感じました。弟子達に別れを告げ、パドマパーダのみを伴って、カーラディに向かいました。病を患い弱った母を目の当たりにして、彼は母の前にひれ伏しました。息子に会えた母はとても幸せそうでした。彼は優しく言いました。「お母さん、悲しまないでください。私が傍におります。望みがあったら仰ってください。」彼女は言いました、「我が子よ、神の栄光を讃え、主にお目にかからせておくれ」と。そこでシャンカラは、主ヴィシュヌの讃歌を歌いました。主ヴィシュヌは彼女にお姿をお示しになり、彼女は神を思いながら、安らかに息を引き取りました。
母の死
ところが、問題が一つ持ち上がりました。シャンカラはお母さんに、葬式は自分が執り行うと約束していたのです。しかし、聖典に従うならば、サンニャーシンが、そのような儀式に携わることは禁止されているのです。それで村の人々は怒り、葬式の手伝いを拒みました。シャンカラが彼らに援助を乞うたにもかかわらず耳を貸そうともしなかったうえに、火葬のための火を貸すことさえも拒絶しました。しかし、聖シャンカラはそれで落胆することはありませんでした。シャンカラは火葬用の薪を自宅の敷地に積み上げると、ヨーガの力によってそれに点火し、葬儀を執り行ったのでした。それからシャンカラは、村人達に対して、次のような願をかけたのでした。
「サンニャ-シンがこの村を托鉢に訪れることがありませんように。彼らもまた、自宅の庭で荼毘に付されますように」と。

(つづく)