藪の湯は、山梨県の1:150,000の地図を見ると、鳳凰三山の地蔵岳の北北東に位置し、地蔵岳から伸びる稜線の麓にあり、東を石空川に、北西を大武川に挟まれた一角にある。温泉の入り口あたりの標識には『大藪鉱泉』とある。ここには、「元湯鈴木旅館」と「藪の湯みはらし」の2軒の旅館があるだけであり、静けさを求める人にはぜひ紹介したいところである。
30数年前に一度訪れたことがあったと思うが、記憶が定かでないので、今回訪れたときと前回訪れたときの印象がほとんど重ならなかった。今回は、2000年11月の中旬に訪れたが、旅館の周りを木々が取り巻き、しかもどこかの温泉場のように宿泊客で姦しい事はなく、静かでのんびりしたひとときを過ごす事が出来た。有名な温泉場の旅館は、一泊3万円以上も払っていながら何か宿泊客でざわざわとし、落ち着いた感じがないが、ここは宿泊費も安いししかもざわざわとした喧騒とは別世界である。こういうところは、何時までも残しておいてもらいたいものだと考えるものである。
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